海遊館日記

大阪湾で出会った生き物たち「がっちょ」

大阪湾沿岸の南部地域で「がっちょ」と呼ばれる魚がいます。
分類学的には、スズキ目ネズッポ科の魚で、標準和名でネズミゴチ、ハタタテヌメリ、トビヌメリといった複数の魚たちのことを指します。名前の由来は、がつがつと餌を食べるところから、「がっつく魚(うお)」が「がっちょ」となったそうです。

大阪湾では、8種類ほどの「がっちょ」が記録されていますが、主に漁獲されるのはハタタテヌメリとネズミゴチです。
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▲ハタタテヌメリ
底曳網の漁師さんに聞いたところ、近年この「がっちょ」の漁獲量が一時期にくらべ大きく減少しており、特にネズミゴチは殆どとれないそうです。
その理由は、ネズミゴチは砂場にすむ「がっちょ」で、大阪湾では生息に適した砂場が大変少くなったことがあげられます。一方、ハタタテヌメリの方も漁獲量の減少がみられますが、すむ場所が砂場ではなく泥の混じる砂泥底で、「どろがっちょ」とも呼ばれていることから、生息環境の悪化がネズミゴチほど深刻ではないのかもしれません。

「がっちょ」はから揚げにして食べると大変美味で、地域の特産品にもなっています。
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海の環境を守りながら、いつまでも「がっちょ」が食べられるようであってほしいものです。
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