大阪湾で出会った生き物たち 「イヌノシタ」

  • 2016.02.06

イヌノシタ.JPG

このユニークな顔をした魚は「イヌノシタ」です。
大阪湾の底曳き網でとれたものです。
動物の舌にそっくりで、同じ大阪湾でとれるアカシタビラメやクロウシノシタなどと合わせて舌平目(したびらめ)と総称されます。

イヌノシタの眼が並んでいるのがよくわかります。そしてこの写真は、背中と言いたいところですが、「体の左側」を写しています。

舌平目の仲間は、小さい頃に右側にあった眼が口の上の隙間を通って左側に移動するという離れ業を行います。
そして、「体の左側」を上に、「体の右側」を下にして、海底に横たわるようになるのです。

おもしろい事に、口は、海底と接する「体の右側」の下方に向けて開くようになっており、砂に潜ったゴカイなどを吸い込むように食べます。
写真のイヌノシタの上部に少し写っている穴のようにみえるのがその口です。

彼らの祖先は普通の魚のように眼が両側にあり、水中を泳いでいたと考えられています。
なぜ、水底に横たわるようになったのでしょうか?
確かに底には身を隠し易く、餌も豊富そうです。

このようなユニークな顔に進化するだけのメリットはあるのでしょうね。


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