新しいポリプ育てています

海遊館で展示するクラゲの多くは、海遊館で繁殖させたものです。

クラゲはポリプと呼ばれる小さなイソギンチャクのような姿の時期があり、ここからクラゲを繁殖させることができます。ポリプは大切に飼育すると分裂を繰り返して多数に増殖しますから、いちどポリプを手に入れると理論上は永久にクラゲを繁殖させつづけることができるのです。

ところが、ポリプを長期にわたって飼育しつづけていると、なかなかクラゲの赤ちゃんを出さなくなったり、育ったクラゲが奇形が多かったりと、あまりよろしくない状況になってしまいます。この現象は厳密にはきちんと確かめられたわけではなく、経験的に「何となくそんな傾向あるよね」っていうレベルなんですが、飼育係的には打つべき手を打たねばなりません。

そこで、チャンスがあれば新しいポリプを入手する努力をします。これは今年の夏採取したミズクラゲの新しいポリプです。

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産地は有明海。ビゼンクラゲ採集の際にいっしょに採った親クラゲからプラヌラと呼ばれる孵化幼生を集めて育てました。

いつもは大阪湾など近所のミズクラゲからプラヌラを採るのですが、今回はちょっと遠方の産地のミズクラゲを育てる機会に恵まれました。

そこはかとなくゴージャスな気分です。立派なクラゲに育ちますように。

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