海遊館日記

2013年11月

今年はオウサマペンギンが頑張ります!

今年も海遊館前イベント広場で、イルミネーション点灯式が始まりました。
昨年はイワトビペンギンが点灯スイッチを押す大役を務めましたが、今年はオウサマペンギンが点灯式に初登場!!
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「南極大陸」水槽で飼育している26羽のオウサマペンギンの中から、選抜された3羽。
今は気温馴致などのため、予備水槽で飼育しています。
当日は専用台車に乗って登場します☆

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MCによる開始のアナウンスとともに、台車から出てきたペンギンたちは黒いマットの上を歩いて行き・・・

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3羽が囲いの中まで到着すると、イルミネーションが点灯します。

今年は海遊館の壁面にシロナガスクジラが登場!
日中歩く、ペンギンパレードとはまた違った雰囲気のペンギンたちを是非、ご覧になって下さい!
皆さまもペンギンたちと一緒に点灯式を盛り上げましょう♪

※イルミネーション点灯式の詳細は海遊館HPをご確認下さい。【https://www.kaiyukan.com】

誘い...

コツメカワウソは集団で暮らすカワウソです。なので、トイレは共用。

「日本の森」ではこの写真のみなさんの左後方、先日、ぽんぽん草(海遊館日記11月20日号)を発見した場所の下あたりにあります。
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歴代のカワウソたちはだいたいこの場所をトイレとして使っていますが、「日本の森」はオープンスペースであり、特に夏場は夕方の排せつ物が次の朝まで残っていると、「臭いがエスカレーターを通ってクラゲ館までくる」という苦情がありまして、カワウソたちが寝室に入った後、配管から自動で水が出て流れるようになっています。
いわゆる「水洗トイレ」ですね。下の写真の赤マルのあたりから水が流れてきます。
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しかし!集団の中には必ずかわりものがいて、「みんなと一緒はやだよ」というのがいるのです。
歴代トイレを使わず、寝室の前にしたり、観客通路近くの岩場でしたりするのがね...。
だれだー!!
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「知らないよ」→すごい顔だね!

特に寝室前でされると、遅番が閉館後、暗い中、ふんづけてしまい「ぎゃーっ!!」となり、遅番の係員からこれまた苦情がでます。
写真中央の真っ暗の部分が寝室のドアです。
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そこで、最後の給餌後、清掃した後、新鮮なフンをちょいっと置いて、におい付けをします。
名付けて「誘い○んこ」。
ちりとりとスコップ大活躍です。
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これがうまくいく時もあれば、作戦失敗で寝室前にされていたり...。
何が違うのさ??
カワウソ担当では「今日、誘い○んこした??」というのが合言葉になっています。

KANMOU~生まれ変わる~

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わたし、手のひらまで毛が生えてしまいました。


嘘です。


これはアシカのルークの毛です。どなたか、私が毛を引っこ抜いたと思っていませんか?

そんなわけありませんよ。

アシカやアザラシには毛が生え換わる時期があるのです。ルークは換毛期の真っ最中。

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毛が生え換わると言っても、全てが抜けてから生えるわけではなく、新しい毛が生えつつ古い毛が抜けるのです。

なので、掃除のときには床に毛がたくさんおちていてとっても大変です。


スズキです。

今回、紹介するのは人(鈴木さん)ではなく、魚です。

スズキ
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「スズキ」は日本各地の岩礁域から内湾などに生息し、海遊館の横の岸壁でもよく見られます。

海遊館の「瀬戸内海」水槽にも1尾いますが、とても、よく似た魚がもう一種います。
 
少し、ピンボケですが...
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「ヒラスズキ」といいます。

外海に面した荒磯に生息しています。
これから北西風が強くなって、海が荒れると活性が高くなり、よく釣れる季節になります。

「ヒラスズキ」は「スズキ」に比べると体高が高く、尾鰭(おびれ)の形が異なります。
しかし、太った「スズキ」と痩せた「ヒラスズキ」では見分けるのが難しい事も...
 
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「瀬戸内海」水槽の「スズキ」と「ヒラスズキ」、種は違うけど仲良しです。

どっちがどっちか比べてみてくださいね。

新人飼育係の仕事

海遊館の飼育員たちの一番忙しい時間はオープン前の朝の時間です。

海遊館の朝は、オープンまでに水槽の掃除をしたり、その日の生き物たちの餌を準備したりと大忙しです。

その中で新人の係員が最初に任される作業があります。

それがこちら・・・

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これは生き物たちの餌に使用するシシャモの選別をしているのです。

選別前のシシャモにはオスとメスがごちゃごちゃに混ざっているのですが、この中からオスだけを選別していきます。

海遊館で餌に使用するシシャモは、オスののみを使用します。

なぜオスを使うかというと、メスのシシャモのお腹にはたくさんの卵がつまっています。

卵は栄養価が高く、そのため卵の詰まったメスのシシャモを餌として与えていると、栄養のバランスが偏りやすくなってしまうからです。

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ちなみに上がメスのシシャモで、下がオスのシシャモになります。

慣れないうちは中々見分けるのが難しいです。

海遊館では1日に多い時で約100kgのシシャモを餌として使用します。

ベテランの係員はこれを30分ほどで選別してしまいますが、新人の係員は1時間近くかかってしまう場合もあります。

これがキチンと出来るようになってようやく、水槽の掃除や生き物たちの餌やりなどの作業を任されるようになるのです。

オンブバッタ異変(海遊館日記番外編)

少し暖かい日に海遊館界隈の樹木の植え込み周辺を歩きますと、小さなバッタが見つかることがあります。

11月も下旬になり、かなり寒い日も多いんですけれど、夏よりもこの時期にこのバッタを見かけることが多いような気がしますね。

これはオンブバッタ。のように見えますが、つかまえて翅(し:いわゆる羽のこと)をめくってみると、後翅が赤い(写真では見えません)。オンブバッタに近縁な別種のアカハネオンブバッタらしいのです。

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アカハネオンブバッタはもともと琉球や中国大陸に分布していて、大阪にはいないバッタですが、海遊館付近ですっかりふつうのバッタになりました。

つまり、「移入種」。

通勤途中などで海遊館の近所でオンブバッタ類を見かけるたびに翅をめくってみるのですが、昨年からみなアカハネばかりです。

後翅が透明なふつうのオンブバッタは、かつては確かに海遊館近辺にもいたのですが、今や全く見つからなくなりました。アカハネオンブバッタに駆逐されてオンブバッタがいなくなっちゃった、のかどうかはよくわかりません。

それにしても、オンブバッタといえば日本の代表的な普通種。その絶滅を心配しないといけない日が来ようとは...。

(写真は昨年撮影。)

未知なる金属との遭遇

海遊館の展示水槽の水温はどうやって測っているかご存じですか?

毎日、何回も係員が測定している訳ではありません。

水温は"水温センサー"と呼ばれる機器で測定していてコンピューターに表示されます。

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"水温センサー"は配管内で水温を測定する「センサー」部分と、その水温をコンピューターにわかるように変換する「変換器」から形成されていています。

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写真中央がセンサー部分です。

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取り出しました。これがセンサーです。

これが変換器です。
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実際に水槽で水銀計で測った水温と、センサーで測った水温に誤差が出始めたため、水温センサーの取替作業を行いました。

初めての作業だったので、センサー部分が海水で腐食していないか心配でしたが、取り外してみると...

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新品同然!

調べてみると、このセンサーに使われている金属は「ハステロイC」というもので、ステンレスより錆びにくい金属だそうです。

約25年も海水に耐えたってすごーい!!

この金属、ひょっとしたら人間よりも長生きするかもしれませんね。

謎のポンポン

「日本の森」の上層部分でコツメカワウソを見おろしていると、「そんなところからなんだよー!」と見上げてきます。
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しばらく、カワウソたちを観察した後、ふと顔をあげると、水槽の向こう側になんぞ"にょきにょき"したものがあるのに気づきました。
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「ん??あんなとこに何か植えっけ?。夏に見た時はなかったよ。」

「むっちゃ背が高いー。」

「ポンポンしたものがついてるね。タンポポみたい!」

などと担当たちで大騒ぎ。
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というわけで、次の日に現地調査。どうやらヒメムカシヨモギとオオアレチノギクが混ざって生えているようです。

これまではあまり見ることがなかったので、昨年搬入した樹木にくっついてやってきたのでしょうか?ここは下がコンクリートで、上から流れてきた土が少しあるだけの結構過酷な場所なんですけども...。

これまでにもヨウシュウヤマゴボウというぶどうのような実をならす植物があちらこちらに生えて、なぜ?と思ったら、当時、「日本の森」にいたシジュウカラなどの鳥たちの糞に種があって、そこから広がったなんてことがありました。

また、夏場にはヤブガラシというツル植物が木に覆いかぶさり、夏前の植栽メンテナンスで職人さんたちに除いてもらってもまた生えてくるので、係員が何度か除去しなくてはなりません。ほっておくと、下の木に影響がでてしまいますので。

ただ、割とすぽすぽ抜けるんで、ストレス解消にはもってこいですよ(笑)。

今回の植物は種があのポンポン仕様ですから、来年以降も広がってしまうのでしょう。

除去する植物がまたひとつ増えてしまいました~。

アオリイカとマンボウのコラボ?!

11月14日よりアオリイカの展示を開始しました!!
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場所は?ココ!

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海遊館6階にある特設展示水槽です。一緒に泳ぐのは、なんとマンボウです!!!

マンボウは自然界でイカを食べることがあります。ので、アオリイカを搬入する前は、

「マンボウに食べられちゃう...???」

「もし食べてしまったら、喉につまる...??」

など心配しておりましたが、上手く棲み分けているようです。


「海遊館日記」の写真を撮るために水槽にへばりついていると、あるお客様から「マンボウのもう1尾は?」とのお声が。

そう、特設展示水槽には、8月からマンボウを大小2尾展示していました。(「海遊館日記」8月19日号

では、マンボウ1尾はどこへ??

答えは高知県土佐清水市の海遊館以布利センターです。

以布利沖では、水温の下がる冬にマンボウがやってきます。従って、これからの時期はマンボウを以布利センターの水槽でなく、屋外のイケスで飼育することができるので、アオリイカを展示した日に輸送しました。

現在展示中のマンボウも11月末には以布利センターへ移動してイケスで疲れを癒してもらう予定です。

アオリイカとマンボウのコラボが見たい!!!という方はお急ぎください♪

ニコのパパは・・・?ゴマフアザラシ成長記録

「モンタレー湾」水槽のニュース速報です!!

今年生まれたゴマフアザラシのニコ。
お母さんはショウですが、お父さんが誰なのか不明でした。
先月健康診断のため採血を行ったので、専門機関にDNA鑑定を依頼し父親判定をしてもらいました。
その結果、父親は・・・
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パールでした!

ではニコと見比べてみましょう。
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似てますか??

仲良く並んでごはんを食べているところ。
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ニコちゃん、これからも元気でパールみたいに立派なゴマフアザラシになってね。
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「てへっ。がんばります♪」



体を固定するするひみつ

11月12日(火)から「新体感エリア」北極圏ゾーンで展示中のランプフィッシュの赤ちゃんですが、専用ケースの中の、それぞれ好きな場所で休んでいます。

ランプフィッシュのお腹には腹ビレが変化してできた吸盤があり、いろいろな場所にくっつくことができるのです。

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写真①:ランプフィッシュの赤ちゃんを展示しているケースです。

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写真②:透明の配管内にのる赤ちゃん

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写真③:こちらは貝がらの上にのる赤ちゃん

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写真④:海藻のレプリカの上にのる赤ちゃんたち。

この吸盤は優れもので、どんな場所でもくっつくことができ、赤ちゃんたちはそれぞれ好きなところ見つけて体を固定させています。

11月11日号の海遊館日記でお伝えした孵化直後の写真を拡大してみると、もう鰓(エラ)の下側に吸盤らしきものがあります。
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すごいぞ、吸盤!

赤ちゃんをご覧になる時は、吸盤にご注目!!

だーるまさんがこーろんだ!

「日本の森」のコツメカワウソ水槽のお隣、水鳥槽に入る洞やバックヤードに通ずる扉など、扉を開ける時、私たち係員は一瞬、カワウソたちに背を向けることになります。

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「動物に背を向けない」のは基本で、充分気をつけてはいるのですが、この一瞬を狙い、係員の足にとびつくカワウソがいます。

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だいたいはザクロかシュロです。下の写真はザクロです。

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壁や木の隙間のような死角に潜み、すすすと寄ってきて、係員の足をちょいっと咬んで脱兎のごとく逃げ去ります。

もうっ、なんなん(怒)!!

また、水鳥槽の掃除後、残った餌などの容器を持ってカワウソ槽を通ると、カワウソたちはなんかもらえるんじゃないかな?と思うのか寄ってきて足元にまとわりつくうえ、容器で足元が見えないので、がぶりとされることが多くなってしまいます。上の写真の係員のカッパやこの長靴のように...。

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カワウソとつきあって10数年、私のたどりついた「カワウソに咬まれない」対処法はカワウソ以上にじたばた動きまくることと大きな動きをすることです。

ただ、他の係員には「そんなのできない!」となかなか同意を得られないのですけど...。カワウソのところでじたばたしている係員がいたら私です(笑)。

最近は「近寄ってきたかな?」というタイミングでこちらが大きく足をどんっと踏み出し立ち止まると、敵?もひょいっと立ち止まる。こちらが動き出すと相手も動く。というのを繰り返しています。

一連のこの動作、なんかに似てるなあと思ったら、昔の遊びでおにごっこのひとつ「だるまさんがころんだ」なのでした。カワウソと対峙しつつ、ちょっと懐かしい気分にひたっています。

「知らないよーだ」

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ナミちゃん輪投げに挑戦?

海遊館の「モンタレー湾」水槽で暮らしているカリフォルニアアシカの「ナミ」に輪投げに挑戦してもらおうと、ナミちゃん専用の投げ輪を用意してみました。

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目標は「トレーナーが投げた投げ輪に、ナミが頭を通してキャッチする。」です。

ちなみに同じ水槽で暮らしている約2ヶ月先に産まれた先輩アシカの「コア」くんは、この輪投げがとても上手です。

いきなり輪投げをするのは難しいので、まずはナミちゃんにこの投げ輪に慣れてもらうことからスタートです。

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朝の餌の時間に投げ輪を持っていくことにしました。

餌場に行くと、いつものように元気よくナミちゃんがやってきました!

(投げ輪を見た瞬間に、ビビって逃げてしまわないかな~?)と少し緊張しながら、おそるおそる用意した投げ輪を見せてみると・・・

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とても好奇心の強いナミちゃんは、しばらく不思議そうな顔で投げ輪を眺めてから、鼻を押し付けてみたり、軽く噛んでみたりとかなり興味があるようで、思ったよりも好反応です!

そこで思い切って軽く頭を通してみたところ・・・

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少し迷惑そうな顔をされてしまいました(汗)!無茶してゴメンね!!

まだまだ時間はかかりそうですが、ナミちゃんにはこれから頑張ってカッコイイ輪投げをマスターしてもらいたいですね!


丸くてかわいいランプフィッシュの赤ちゃん

明日11月12日から、「新・体感エリア」3階北極圏ゾーンにて、海遊館で生まれた体長約1.5cmのランプフィッシュの赤ちゃん8尾の展示を始めます!
小さくて、丸くて、つぶらな瞳をしているので、とてもかわいらしいです。

ランプフィッシュの産卵行動は今年の7月13日から確認できました。
卵を回収し、バックヤードで大切に育てていたところ、8月5日に体長1mmの赤ちゃんがふ化、その後、アルテミアなどの餌を食べ、順調に体長約1.5cmまで成長したことから、今回親魚のいる展示水槽でデビューすることとなりました。

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①ふ化直前、卵の中で赤ちゃんが動いています。

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②ふ化直後の赤ちゃんの様子です。

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③ふ化1週間後、お腹側にある吸盤を水面に向けている様子がわかりますか?

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④ふ化3週間後です。

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⑤ふ化1ヶ月後

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⑥ふ化2ヶ月後

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⑦現在の様子

西日本の水族館では初めての赤ちゃん誕生です。赤ちゃんの姿を見られるのは今だけですので、ぜひこの機会にご覧ください。

韓国の水族館

お隣の国、韓国の水族館を訪れる機会がありました。見学したのは、釜山水族館とチェジュ島にあるアクアプラネット済州です。

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こちらは釜山水族館。


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どこの水族館も子供にとても人気があります。


こちらはアクアプラネット済州。
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一番大きな水槽で海遊館の「太平洋」水槽とほぼ同じ大きさです!

担当の方と一緒に水処理施設も見学させてもらえました。
海遊館とは異なるシステムによる水処理や最新の技術を積極的に導入されていて、とても刺激になりました。

なにより、生き物を良い状態で飼育しようとする熱意はどこの国でも共通であると思いました。

地方名はおもしろい!!

「瀬戸内海」水槽にいるタカノハダイ。

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縞もようが鷹の羽に似ていることからその名がついたと言われています。和歌山の南や高知の土佐清水辺りでは「ヒダリマキ(左巻き)」と呼ばれていますが、調べてみると、どうやら食べた時に味がよろしくないようで「ショウベン(小便)タレ」とか、「ムコナカセ(婿泣かせ)」とかありがたくない名前が...。

また、「背が張ってたくましい」ことから「キコリ(木こり)」とか、なかなかユニークな地方名の持ち主です。

 

よく似た魚に「ミギマキ」がいます。 

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ミギマキもやはり「瀬戸内海」水槽にいるのですが、こちらはタカノハダイの「ヒダリマキ」に対して「右巻き」であるとか、縞が体表を巻いていることから「身捲き」となったとかの説があるようです。でも、比べてみても縞もようの向きは同じだし、私には何が左で、何が右なのかよくわかりません...。
昔から疑問に思っています。

ミギマキの地方名には「オケイサン」とか「シマダカ」、「カラス」など。

お、おけいさん??人の名前??

写真が悪いのでわかりにくいのですが、ミギマキは黒い縞と地の黄色が鮮やかで、口元が口紅をさしたように赤いのが、おしゃれなことから、女性をイメージした名前がついているのでしょうか。

「オイラン(花魁)」と呼ぶ地方もあるとか。

タカノハダイは尾鰭が水玉もようなのが、かわいいです。
そこらへんをとりあげてくれるとよかったのにねー。

小便はない...と思うのは私だけでしょうか?

11月8日はいい歯の日!

みなさん、歯はきちんと磨いていますか?

11月8日は「良い歯」の日だそうなので、動物たちの歯みがきをご紹介!と行きたかったのですが、うまく動画が撮れなかったので、歯ブラシと動物の写真をお届けします。

はみがきするよ~
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大きく口を開けて~
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かなりおっきなお口をあけてくれたのは、カリフォルニアアシカの「ルーク」。

私のこぶしなんか、すっぽり入ってしまいます。ルークの口臭はとても・・・です-_-;


続いてお口をあけてくれるのは~
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カマイルカの「ルーシー」。

お口をあけて~
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カマイルカの口もそれなりに大きいです。

この2種類とも餌を丸飲みするタイプの動物なので、歯磨きはあまり必要ないそうなのですが、歯ブラシを口の中にあてることで、口の中を触られてもじっとするトレーニングになります。

お食事タイムの時に歯磨きする動物たちに会えるかもしれません!

ご注目くださいね♡♡♡

深海の小さな生き物たちVol.4

今回は、10月23日号「深海の小さな生き物たちVol.3」でお伝えした『ヤワハダダコ』の変化(ヘンゲ)をご紹介♪

ヤワハダダコを展示した数日後、後輩の飼育係員に「ヤワハダちゃん展示したよ~」と伝えると、

「あのトゲトゲのタコですよね。」と返答が。

ん??????トゲトゲ????

「いや、あの予備槽にいた深海のタコやけど・・・・」

と、同じタコの話をしているのに、どうも話がかみ合いません。


実は、ヤワハダダコは変化が得意の様です。

リラックスしているときは、下の写真のように頭部や目の上に小さな突起が現れるのですが、

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飼育係員がのぞいたり、水槽の蓋をあけると、「つるりん」と小さな突起が消えます。

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タコやイカが体色を変化させることはよく知られていますが、このように形が変わるのはちょっと珍しいかもしれません。

こんなとこまで来ちゃいました~その3(?)

プライベートな話なんですが、普通では行けないところに行って、とてもインパクトの大きなことを体験しましたのでご紹介を・・・

どこまでいってきたかといいますと、
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北海道は釧路!

大阪と比べるとかなり寒く、なれない大海のうねり。

酔い止めを飲んでいても激しい船酔いにうなされた船の上。

吐き気と寒気と頭痛。苦しい時間でしたが、


この旅の目的は・・・
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大きな翼で空をはばたく海鳥ウォッチング!!!!う~ん、かっこいいぃぃぃぃ!!!!

ではなく、こちらです。
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海の王者です。まだこどもらしいです。

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シャチですね!!

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朝日をバックに2頭のシャチが並んで泳いでいました。成長したオスの背びれはもっともっと大きくなるそうですよ。

この海域周辺にもカマイルカが住んでいるらしいのですが、残念ながら会うことができませんでした。

こうやって野生の生き物の姿を目で体で感じ取ることは、みなさんに自然や生き物の素晴らしさを伝えるための大きな栄養となります。

ここで感じ取ったことが海遊館アカデミーでの話のネタにもなりますし、おとまりスクールのネタにもなります。

また展示水槽の表現方法にも取り入れる事もあります。

仕事ではなく、どこか豊かな自然へ出かける事はとてもたいせつです。

マイナスイオンを存分に浴びてリフレッシュにもなりますしね。


釧路湿原にも立ち寄りました。
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大きなシカに出くわしてドキドキしました。

ウミガメレスキューのその後②

「海遊館日記」11月1日号(https://www.kaiyukan.com/blog/2013/11/post-284.html)の続きです。

さてさて、やっと餌を食べるようになった保護アカウミガメさん。

いつからかは分かりませんが、結構長いこと防波堤の中に閉じ込められていたようなので、健康診断を行うことになりました。

さて、この写真、写っているのは獣医です。何をしているでしょう!!

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獣医の手にご注目ください。持っているのは注射器です。実はこれ、採血をしています。

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カメは首に太い血管があるので、その血管をめざして針を刺すのですが、人間とは違ってまったく血管が見えません。

採血できるかは、獣医さんの腕の見せ所!!もちろん、海遊館のベテラン獣医は余裕です。


続いての写真です。何をしているでしょう?

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これはエコー検査(超音波診断)です。カメの甲羅は超音波を通さないので、脚の付け根からお腹の中をチェックします。


最後の検査はこちら。

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カメが乗っているのは、水槽を改造して急遽作成した特設レントゲン台です。青いシートの下にレントゲンのフィルムを設置できるようになっています。
(そのままフィルムに乗せるとカメの重みでフィルムのケースが割れてしまうので)

早速撮影。 カメさん動かないでね~

「はい!チーズ!」  獣医のポーズも重要です。(ウソ)

撮影されたレントゲンがこちら↓

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写真の形がいびつになっているのは、何回にも分けて撮影したからなんです。ウミガメの身体が大きすぎて、1枚にはおさまりきらないので写真を組み合わせて全体の写真を作ります。

カメフジツボもしっかり写っていますね~。

イガイの殻がまだ少し腸の中に残っていますが、それ以外は問題ないとのことでした。

その後、血液検査、結果も無事クリア!!

獣医のお墨付きももらいましたので、海へ返しても元気でやっていけると判断しました。そこで、野生の勘が鈍くならないうちに、海遊館の研究施設「海遊館以布利センター」のある高知県土佐清水市以布利沖で放流することになりました。

少し寂しくなりますが、彼女の元気を祈って!!保護から19日目、アカウミガメは海へ帰って行きました。

頑張れよ~~~!!

「イワトビペンギンの羽を使ったストラップ作り」開催中!

ペンギンは、何の仲間かご存知ですか?

よく見るとお腹は白い羽、背中は黒い羽。さてどうしてでしょう?

顕微鏡を使って羽の仕組みを詳しく紹介したり、ペンギンのよちよち歩き体験にもチャレンジしていただいたり、楽しいミニ講座が終わると、いよいよストラップ作りのスタートです。
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ペンギンは年に一度、羽の生え替わる時期があります。換羽(かんう)といいます。

その時に抜け落ちた羽を回収し、きれいに消毒しておいたものを使ってストラップを作って頂きます。今回使用するのは、海遊館のイワトビペンギンたちの羽です。
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台紙にのりを付けて羽を乗せます。細かい作業は保護者の方と一緒に...
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お腹の羽か背中の羽か?回りのみなさんと比べっこするなど、和気あいあいの中、あっという間に完成です。

世界にひとつしかないストラップです。是非大切にして下さいね。

ウミガメレスキューのその後①

突然ですが、「海遊館日記」8月13日号(https://www.kaiyukan.com/blog/2013/08/post-229.html)を覚えていらっしゃいますか?
大阪湾の防波堤に迷い込んだアカウミガメのレスキューレポートでした。

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8月16日号では一緒に保護(?)されたカメフジツボのお話(https://www.kaiyukan.com/blog/2013/08/post-232.html)までして、すっかりご無沙汰してしまいました。
今回は、救出されたウミガメのその後をご報告します。

保護から3日目の朝、餌を全く食べようとしないアカウミガメを心配しつつ、「今日こそはゴハンを食べて!!」と祈りを込めて見に行くと、プールの底に次の写真のようなものが・・・

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何かというと、粉々に砕かれたイガイ(Mytilus coruscus)の貝殻でした。ウンチと一緒に、消化できない貝殻だけがでてきたようです。

次の日にも大量の貝殻がプールの底に!!その量 約2kg!!防波堤の中で壁にくっついているイガイを食べていたんでしょうね~。

貝なら食べてくれるかもということで、私達も二枚貝をあげてみることに・・・

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左側の白くて大きな貝はホンビノスガイ、右側の茶色くて小さな貝は皆様もご存じのアサリです。ホンビノスがいかに大きいかお分かり頂けるでしょう?

海遊館ではラッコしかもらえないホンビノスガイを担当から特別に分けてもらい、アサリと一緒にあげてみました。

すると、分厚いホンビノスの貝殻をバリバリ!!食べた!! 食べた!! やった!!

この日を境に餌をたくさん食べるようになり、スタッフも一安心です。

そして思ったこと・・・絶対に咬まれたくない・・・。

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