海遊館日記

2015年1月

新しい仲間がやって来ました!

先日、東京都葛西臨海水族園より新しい仲間がやって来ました。

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イワトビペンギンです。
このペンギンたちは繁殖を目的として、海遊館にやって来ました。
イケイケの若いオスペンギンたちです。

実は今回のような「生物を借りる」というケースは珍しいことではありません。
「種の保存」という水族館や動物園の大きな使命を果たすべく、全国の園館が協力しています。

今回ペンギンたちは、某航空会社にご協力頂き、飛行機で運びました。
飛行機に乗せている間は、生き物の状態を確認することはできませんが、当然空路に渋滞はなく、ほぼ定刻かつ短時間で運ぶことができます。

無事、到着したペンギンたちは、元気いっぱいで一安心。
来月まで隔離し、健康診断を実施した後、他のペンギンと一緒にします!

早く海遊館のイワトビペンギンたちと同居させてあげたいですね~。
最愛のパートナーを見つけてくれる事を期待してます♪

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おっきいのとちぃっちゃいの

海遊館で暮らすペンギンたちは、「シシャモ」という魚を食べています。

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私たちも口にする馴染み深い魚ですが、子持ちのシシャモは栄養バランスの観点から与えず、卵の入っていないオスのシシャモだけを与えているんですよ(^^)

さて、ペンギンたちは種類に関係なく、メインのエサとしてシシャモを食べているんですが、海遊館で一番大きいペンギンは先日までペンギンパレードで大活躍した「オウサマペンギン」。対して一番小さなペンギンは、新体感エリアで声やにおいまで体感していただける「イワトビペンギン」。

オウサマペンギンの体重は15kgほどあり、イワトビペンギンは2kg前後とかなり差があります。

そう聞いてみるとちょっと気になりませんか?。
オウサマペンギンが食べるような魚をイワトビペンギンは食べることができるのか!?(´Д`;)
イワトビペンギンが食べる魚を食べてオウサマペンギンはお腹いっぱいになれるのか!?(´Д`;)

さあ一体どうしいるのでしょう?
その秘密を知るために、まずはこちらをご覧ください!

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大きさ、太さの違う魚が2匹、実はどちらもオスのシシャモです。

シシャモは毎朝冷凍ブロックを解凍して使っていますが、このように大きさにばらつきがあります。

イワトビペンギンのエサにはこの小さいシシャモだけを選んでいるんです!
口が小さいイワトビペンギンも小ぶりのシシャモなら飲み込むことができます(≧∇≦)/

そしてオウサマペンギンをお腹いっぱいにさせる方法はいたってシンプル。
「いっぱい食べさせる」(笑)

オウサマペンギンは1日でシシャモをなんと60匹も食べるんですΣ(◎Д◎;)
あとはシシャモの他にホッケなどのもっと大きな魚を与えたりして、満腹になってもらえるよう工夫しています(^^)v

食べやすいし、お腹いっぱいになるし、ペンギンたちもさぞ喜んでくれていることでしょう(*´∀`*)
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...。

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...。


...よ、喜んでくれてるはずやで!!(汗)

まったり中です。

朝ごはんが終わって、まったり中の予備室にいるカワウソ2カップル。

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コウメとクリはラブラブ?(上がコウメ)
でも、眠いわー(byコウメ)

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私と仲良しのコウメは「こーうー!」と愛称を呼ぶと「なーに?」とばかりにこっち向いてくれました。

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邪魔してごめんよ。

さて、こちらはミミとハチコンビ。
なぜか、プラスティックのケースが逆さまですね。
ケース内にミミ様在中(笑)
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どうせケースの縁にいるハチくんの足の間に顔を突っ込もうとしてるんでしょ?
ハチもたいへんやね。
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ミミと私はたいへん仲が悪いのですが、一応呼んでみました。
「みみーっ!」
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「あ~っ?」って顔。

係員と動物にも相性があるのです、という見本でした。

韓国からの実習生

海遊館では、学芸員実習や獣医学実習などで、学生の実習生を受け入れる事があります。
つい先日は、韓国のソウル大学の学生が海獣類の獣医学実習で海遊館に来ていました。

実習生の彼はもちろん日本語が話せませんし、実習を担当した私も韓国語はさっぱり...。
実習中の会話はつたない英語で行いました。

言葉も通じない国に実習に来るなんて、とても行動力がありますよね!
将来は鯨類をはじめとした海獣類の獣医になりたいそうです。
でも韓国には水族館も水族館で働く獣医も日本と比べると本当に少なく、それで日本に勉強に来たのだそうです。

実習は2週間ととても短かったのですが、その間に動物や獣医の勉強だけでなく日本語も一生懸命勉強していました。
最後には、ひらがな・カタカナの読み書きは完璧、数字も3桁まで日本語ですらすら言えるように。また、簡単な挨拶もすらすら言えるようになっていました。

行動力や積極性は本当に見習わないといけないなぁ、と思います。
そしてやっぱり英語は大事ですね!

いつか彼が立派な水族館獣医になってくれると信じています!

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深海の小さな生き物たちVol.11

ん~深海の小さな。。。?小さな。。。??いや、今回は大きいです。笑

深海のダイオウ様のおでまし~♪
ということで、ついにデビューしましたダイオウグソクムシ Bathynomus giganteus!!!

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今回はダイオウ様。しかも海遊館では初展示ということで、海遊館4階の深海コーナーではなく7階(南極大陸とタスマン海の間)に特別コーナーをつくっちゃいました。お隣にはオオグソクムシも。

そして、なんと今回は、ダイオウ様のあんなことやこぉんなことまで公開しちゃってます。気になる方は、海遊館まで!笑

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ただ。。。皆様。。。。お願いがあります。
カメラのフラッシュ撮影、補助ライトの使用は、禁止にさせていただいております!

実は、真っ暗な深海に棲むダイオウグソクムシの目はとても感度が良いのです。
※ダイオウグソクムシの目については、解説パネルに詳しく表示しています。

強い光をあててしまうとチャームポイントでもあるギャングのような目が真っ白に。。。。(@_@;)

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どうか優しく観てあげてください。

めったに動かないダイオウ様、動いてる姿が観られたあなたはラッキーですよ。

新アザラシがやってきた!

みなさん、こんにちは。
今日は海遊館へ新たに仲間入りしたゴマフアザラシのお話です。

2014年師走。北海道の水族館から1頭のゴマフアザラシが大阪へやってきました。コンテナの中にはアザラシの乗った木箱が見えています。

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海遊館の自動車に積み替えて海遊館へ向かいます。
隙間から中をのぞくと・・・

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お!目が合いました。なんだか目の上が黒いです^^

さぁ、海遊館に無事到着。長旅で大丈夫かなという私たちの心配をよそに、ふたを開けるとすぐ自力で箱をよじ登り、元気なアザラシが出てきました。

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目の上の毛が薄くて黒いのでまゆ毛みたいで、タレントのイモ○アヤコさんに似てる...?。

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名前はシゲといいます。1歳のオスで現在はバックヤードで係員の手から餌を食べる等のトレーニング中をがんばっています。
今後は「モンタレー湾」水槽へのデビューを予定しています。お楽しみに。

なぜかいつも困り顔のシゲ君。
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『シゲです。よろしく!』

ぎぎぎっ!

夕刻、「体感!熱帯雨林」のフタユビナマケモノ・ケロロとマロロの給餌時間。

マロロは餌よりも眠いようで、なかなか餌を受け取ってくれません。

何回かトライして、やっと寝っ転がったままニンジンを食べ始めました。

反対にケロロは食欲旺盛。白菜をぼりぼり、キュウリもニンジンも食べて、もういらなくなったらしく、ひょいひょいと寝ながら餌を食べているマロロのいる場所へ向かいます。


「ケロロ、マロロの邪魔しないでよ!」と言ってるのに近寄っていきます。

そして、ついにはマロロの足元へ。
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ちなみにマロロが左、ケロロが右ですよ。
マロロが上半身を乗せている場所はヒーターの真上で、30度以上あるのではないでしょうか。

寒がりな私が横にいても暑いぞ!

さて、マロロの足元まで到達したケロロ。
マロロを越して、ヒーターの上に行こうとしましたが、マロロさん、断固として動きません。
「残念だったね、ケロロ(けけけ→心の声)」

あきらめたケロロはどうしたか?というと... マロロのお腹に頭をのせてくつろぎ始めました。
むむむ!そうきたか。マロロのお腹、昨日排便したので、今日はぽよんぽよんでした。

そのお腹の上に乗るなんて!ずるいぞ、ケロロ。

そんなことを思っていると、ケロロがちらりと私を見ました。
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「ふふん」って顔じゃないですか!!
ハンカチがあったら、かみしめるところでした。

しかし、この行動、なんなのでしょう?
繁殖行動の前兆だったらいいな!

サーフ通信1月号 ~食べてるね編~

生まれて4ヶ月たったカマイルカのサーフ。

3ヶ月が経った頃、離乳を行うためエサの魚をポイポイ放り込むことでサーフに興味をもたせ、そしてだんだんとまるまる1本の魚を食べるようになってきました。


近頃一番多かったのは960g。

お母さんのミルクしか飲めなかったサーフが魚を食べているなんて、涙がこぼれそうです。このまま順調にぐんぐん食べてくれるとうれしいですね。

2010年に生まれたサーフのお姉さん・アクアの場合は、慎重に慎重に、と進めていましたが、2頭目ともなると私たちにも若干心の余裕ができて、こんくらいやから次はこんなんでいっか~、って感じで進めています。

まだ手元から食べるところまでは到達できていないのですが、もう少ししたら食べられるようになりそうです。

こどもの成長は見ていて楽しいです。

顔がかゆかったの?

「グレートバリアリーフ」水槽の前を通りかかると、ニセゴイシウツボがにょりんと底で体を穴から3分の1くらい出していました。

カメラを持っていたので、「あら、珍しい!」と写真をぱちり。
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しばらくしてもう一度通りかかると、お掃除魚のホンソメワケベラがウツボさんをお掃除中。

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顔を掃除してほしかったのでしょうか?

このニセゴイシウツボ、全長は1.6~1.7mぐらいあり、一番大きい個体とのことです。
ニセゴイシウツボは全部で4尾います。
探してみてくださいね。

ママ目線(便秘)

今年度も海遊館ではたくさんの命が産まれました。動物たちの繁殖は飼育員にとって何より嬉しい出来事です。

個人的な話ですが、およそ2年前に母となった私。出産前と後では、お母さん動物と赤ちゃんたちを見守る目線が大きく変わりました。

子育て真っ最中の今、これでいいのか悩むこともたくさんあります。そんな時、動物たちのお母さんの強さ、子どもを守り育て上げようとする姿に、たくさんのことを教えられます。そんな母親目線で見た動物たちの子育てについて紹介していけたらと思います。

話の冒頭、何だか重たくなりましたが気軽に読んでくださいね!

今日はカマイルカ「サーフ」の便秘のお話。
サーフは皆さんご存知のとおり、昨年8月23日に生まれました。お母さんのおっぱいをたくさん飲んで、すくすく育っています。

サーフ、生まれた時からうんちの回数が少なく便秘気味です。うんちの代わりにブクブクとおならをよくします。

写真が上手く撮れなかったので、おならシーンを動画で。

お腹の下のほうからブクブクと泡が出ていたのがおならです。

人間の赤ちゃんもよく便秘になりますよね。うちの子もひどい便秘で、うんちのときは痛くて大泣きでした。そんな時は、おなかをやさしく「のの字」にマッサージしたり、綿棒で浣腸したり、便秘にいい食べ物を食べさせたり。

イルカの場合はどうなんだろ?とみていると、お母さんのアーチも、わが子の便秘が気になっていたのでしょうか?ブクブクおならばっかりするわが子のおしりを、吻先でツンツンと刺激しました。

しばらくすると...おならの後に、黄色いうんちもしっかり出ました!

「なるほど~、アーチ母さんさすが!」

真相はわかりませんが、おしりをツンツン刺激するのがイルカ流の浣腸なのかもしれません。

生まれて3ヶ月を過ぎ、サーフは離乳訓練も始まりました。人間の赤ちゃんも離乳食が始まると、便秘になりやすいっていいますよね。

お魚を食べ始めてもサーフのうんちがしっかり出てくれるよう、見守っていきたいと思います!
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にっくき!!カーリー

1月14・15日の2日間は「休館日」でした。休館日には普段出来ない作業を行います。今回は、新体感エリア「モルディブ水槽」のサンゴ水槽の大掃除をすることに!

掃除前がこちら
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よく見るとセイタカイソギンチャク(通称:カーリー)がいっぱい...
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カーリーは繁殖力が旺盛で、ちぎれて残った破片からも増殖しますし、刺胞毒が強いので厄介な存在です。普段の清掃時などでちぎれた触手が手につくと痛い、痛い。

作業は休館日の前日から始まりました。閉館後に、まずはサンゴや魚を予備水槽へお引越し。それから、水槽の海水を抜いて、21:30頃に終了。
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休館日初日は水槽内の擬岩をハンドブラシでゴシゴシ
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ある程度汚れが落ちれば、カーリー対策として擬岩に熱湯をかけます。再度、軽くブラシでこするとカーリーがポロポロとれました。う~ん、すっきり♪
この日は擬岩のレイアウトをやりなおして終了。予定より、早く出来ました。(^0^)

2日目は朝から注水。今は水温が低いので、一晩かけて水温を上げます。(うぅ擬岩が、まぶしい~!)
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翌日(この日は開館する日)の朝、生物を水槽に戻して終わり!!

美しくなり、あの憎いカーリーがいなくなったサンゴ水槽をごらんくださいね。

なに何なーに?

以布利センターの第一水槽には、先日まで海遊館6Fの「特設水槽」で展示していたマンボウがいます。
吻(ふん)がこすれていたので、養生のため以布利センターに戻ってきました。現在はこすれも治り、とても元気です。

ある朝、水槽の横にある観察窓をのぞくと、機嫌よくマンボウが泳いでいました。
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ん?こちらに気づいたようです。
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ム・・・!!
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ムム・・・!!
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ムムム・・・!!!近いぞ。なに何なーに??
 
口をぱかっ!
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な~んだ!お腹が空いて餌が欲しかっただけだったみたいです・・・。

今、準備するよ~。

ジンベエザメの陸上輸送コンテナがドナドナ?

ジンベエザメの陸上輸送コンテナを搬出しました。
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今期も大活躍でしたが、使っているとやっぱりあちこちに不具合がでてくるようです。先日も発電機が不調になり修理に出しました。

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搬出といっても、ものがものだけに少し移動させるのもクレーンを使わないといけません。ラフタークレーンを手配し、ワイヤーで吊り上げてトラックの荷台へ積み込みます。

「そんなことも水族館のスタッフがするの?」

「蛇の道は蛇」、「餅は餅屋」でないのが水族館スタッフ、さすがにクレーン操作は専門のオペレーターにお願いしますが、何にでも精通?しています。
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さて、無事に修理から戻ってくるでしょうか?搬入は1ヶ月後です。

なお、修理ではなく、整備でバージョンアップするそうです。担当者談

ペンギンパレード終了です。

1月12日(月・祝)で2014年度のペンギンパレードとペンギンの屋外展示が終了となりました。多数のご来場・ご観覧ありがとうございました。

さて、最終日当日の気温は約5℃、風もピューピュー吹いていました。ところが、ペンギンたちは少し暑いのか、展示している5羽の内、3羽が腹這いになり体を冷やしています。我々人間には考えられない行動ですね。
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海遊館のペンギンたちは本来、完全屋内の外気と接触しない水槽で飼育してます。そのため、1度でも屋外に出たペンギンを水槽へ戻す場合、健康診断が必須になります。今年頑張ったペンギンたちも、この先健康診断が待っています。内容は1項目で採血のみ。

とは言うものの、人と違って非常に技術の必要な作業です。1羽あたり約5ml程度の採血ですが、5羽にかかる作業時間は1時間を超えることもしばしば。

何も異常が無ければ良いのですが・・・。

まぁ~なにはともあれ、今年も事故や怪我なくパレードが終わり、一安心です。
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多くのご声援頂き、ありがとうございました!さてさて来年度はどうなるのかな~。

これは誰のごはん?

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さて、これは誰のごはんでしょうか?
キャベツ、ニンジン、リンゴ、サツマイモ、ペレット(粒々した人工の餌)

正解は...

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カピバラでしたー。

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カピバラはアマゾン川流域に生息していて、一日のほとんどを水の中で過ごします。
餌は水草や木の葉などですが、海遊館では上記の餌の他に、チモシーというイネ科の干草も与えています。
お食事タイム(13:30、15:45)にはチンゲン菜も与えています。
これはカピバラの大好物なので。

このところ、寒くなりましたね。展示室は空調であたたかくはしていますが、やはり寒い日は寒い!
それと関係するのかどうかはよくわかりませんが、餌の好き嫌いがでたり、食べる量が変わったりということがあります。

いろいろな餌を与えながら、動物たちを健康に飼育してきたいと思います。

モヤの新技

先日、ワモンアザラシの「モヤ」が新しい技を覚えました。

どんな技かといいますと、水槽の中央に浮いている流氷(を模した擬氷)に乗ることが出来るようになったのです!

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ワモンアザラシは自然の海でも、流氷に上がることがあります。その様子を再現するため、この水槽を作る際にワモンアザラシが乗ってもグラつきにくく、さらに乗った後にも乗り心地がいいよう、"飼育員こだわりの流氷"を用意したのです。

ところが、もともと警戒心の強いワモンアザラシ達。全く乗らない訳ではないのですが、その姿は毎日観察している飼育員でもなかなか見ることが出来ないレアな光景となっていました。

しかし、ついに「モヤ」が飼育員の指示で乗ってくれるようになりました!

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これをきっかけに、飼育員の指示が無くても、自分から流氷に上陸して休んでくれるようになって、その様子をご覧頂くことが出来ればと思っております。

にんきもの?

お昼過ぎの「太平洋」水槽にダイバーが潜ってきました。

マダラトビエイに囲まれて、大人気。
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清掃しているダイバーとは大違い?

実はこのダイバーは「太平洋」水槽担当者で、特定の魚に手渡しで給餌しているのです。
特定の魚とは、マダラトビエイやヤジリエイ、メガネモチノウオ(ナポレオン)、タマカイなどです。

もちろん、「太平洋」水槽はほとんど毎日10:30と15:00の2回、ジンベエザメだけでなく、他の魚にも給餌をしていますが、餌が当たらない魚がいることもあるので、このような潜水給餌を行っているのです。

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こちらのマダラエイは時々、体表に虫がつくことがあるので、そんな時は薬入りの餌を与えます。
潜水給餌だと確実にその魚に餌を与えることができますからね。

このところお休みしていた14:15からの水中通話も再開していますし、その前後には6階特設水槽のマンボウ水中給餌も行っています。

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お昼すぎのダイバーを探してみてくださいね。

(生物の状態によっては予告なく中止することがあります)



もげる

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イルカやアシカのお食事タイム中に、飼育員が口に何か咥えているのをお気づきでしょうか?

実はこれ、「ホイッスル」なんです。

私たちの出すサインに合わせて動物たちはバイバイだったり、敬礼だったり色々な動きをしてくれますが、ホイッスルが「ピッ!」と鳴ると「この動きはOK!ご褒美のエサがもらえるよ!」という合図になります。
色々な動きをトレーニングするために、ホイッスルはとっても大事なものなんですね(^^)

さて、この間久しぶりにアシカのお食事タイムに行くことになり、張り切ってMyホイッスルを手に取ると!

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もげとる...(;´ж`)

咥える部分が半分くらいもげてしまっています。これでは音が鳴りませんorz

入社したときから長年使い続けていた相棒との別れ...道具とはいえ、少し寂しい気持ちになりました。

よく頑張ってくれた(TдT)ありがとう!

そして、新しいホイッスルをもらおうと思ったんですがただ今在庫切れ(>_<)

ホイッスルが無かったり忘れたときは「よし!」と声を出すことがOKの合図になるんですが、しばらくは「よし!生活」(一部の飼育員はホイッスルが無いときの餌やりをこう呼びます笑)が続きそうです(^^;

深海の小さな生き物たちVo.10

この時期。海遊館はもちろん、街にはイルミネーションが飾られ、とても綺麗ですが、今回は深海から神秘なる光をお届けします☆
(途中一度真っ暗になりますが、ぜひ最後まで見てください)。


さあ、この光を発するのは?別のカメラで。


そう、この光は、ヒメカンテンナマコがツンツンされた刺激で発光していたんですね。

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刺激を与えると光るようですが、光る理由はまだわかっていないようです。新しい情報をGETできましたら、またお伝えしますね。

あ、ヒメカンテンナマコさん、ツンツンしてごめんなさい。

「太平洋」水槽をタイムラプスで撮ってみたら・・・!

最近、魚類チームでアクションカメラを購入しました。

アクションカメラとは、すごい小さなビデオカメラのことです。防水ハウジングもあり、水族館では重宝するわけです。

取り扱い説明書を見てみると、タイムラプスという機能がついていました。これは、静止画をつなげて動画のように見せる機能だそうです。

面白そうだったので、夜中の「太平洋」水槽を録画してみました。

夜中の0時から45分間の静止画を1分30秒の動画に編集しています。

早送りとはいえ、夜間でもほとんどの魚はゆったりと泳いでいます。ハタ科やベラ科などは水槽の底でジッとして寝ますが、ほとんどの魚たちは泳ぎながら寝ています。

ジンベエザメの遊ちゃんは途中で目が覚めたらしく、上下に泳いでいますね。

ちなみに、海遊館では月に1回、24時間ジンベエザメの観察を行っています。そこから分かったことですが、ジンベエザメは夕方の18時くらいから翌日の2-3時くらいまでは寝ているようです。

さらにちなみに、魚類の"睡眠"とは、人の"睡眠"とは異なり、"休息"に近いものらしいです。

はたして、魚も寝てる時に夢を見るんでしょうか???

ママ目線(食べても食べても太りません!)

授乳中は赤ちゃんにミルクを介して栄養を与えている分、お母さんはいつもよりたくさん食べて、その分の栄養を摂らないといけないですよね。

「授乳してる時は、食べても全然太らないよー!気づいたら痩せてるから...」

なんて話を、私も先輩お母さんからよく聞きました。

もちろん動物たちも同じ。授乳中のお母さん動物には、ふだんよりもたくさんエサを与えています。

お母さんイルカのアーチは、出産直後1日18kgのお魚を与えていました。ふだんの量が1日10kgなので、約2倍!

さすがに人間のお母さんが普段の2倍食べたら、授乳しているとはいえカロリーオーバーで太っちゃいますけどね。

アーチの給餌カゴ(エサを入れるカゴ)はお魚でパンパン。
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↑ 右がアーチのカゴ、左が他のイルカのカゴ

1日18kg食べているときの1回のエサの量は、このくらい。
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これを1日6回です!イルカってすごい!これだけ食べても全然太りません。

ミルクで栄養を摂られるだけでなく、子育てでカロリーもたくさん消費してるんでしょうね。

「食べても太らないなんて羨ましい!」というよりも、「こんなに食べないといけないの...」、「それだけ子育て大変なんだね...」と同情したくなってしまいます...。

栄養満点のミルクをいっぱい飲んで、サーフは元気に成長しています!体もプリップリのパンパンです!

現在、離乳訓練中のサーフ。少しずつお魚を食べられるようになってきました!毎日、成長のみられるサーフに、皆さんぜひ会いに来てください☆

おまけでサーフの授乳シーンの動画をどうぞ。

じいさまの年末年始

この海遊館日記で何度もご紹介しているコツメカワウソ・ニッキじいさま、今年の8月で御年21歳。現在、国内最高齢のコツメカワウソです。
年末に動きが緩慢となり、若干体が冷たかったため、ケージに隔離いたしました。
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いつもいる部屋は床がコンクリートで冷たいですから、ぬくぬくのプレートであたたまってちょうだい!ということで。
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カワウソは排便をする時、尾をぴんとあげて勢いよく排泄します。しかし、高齢になり後肢が弱ってくると、排泄がしにくくなるため、心配でした。
寝たまま排泄した際、その上にころがって糞尿にまみれてしまい、低体温をまねくということもあります。

そして、不調の時はカワウソたち、飲水量が増えます。普段はケージにつけた飲水ボトル(写真)で飲水するのに、じいさま、今回は「ボトルはいやじゃ」との仰せ...。
なので、飼育係員が口元まで水を入れた容器を運んで飲ませておりました。
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そんなわけで、数日間は夜通しの介護をしていましたが、好転がみられ、ひとまず年を越すことができました。水も自分で飲んでいます。
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現在はケージから出て、養生中です。

これはまだケージにいた時の写真ですが、ぬくぬくになって寝ているじいさまがあまりにも愛おしいので、皆様もご覧ください。
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若い頃は、飛びかかられたり、威嚇しあったりの私たちでしたが、おたがいに年もとったし、まるくなったよね、と思います。

以布利の夜明けぜよ!

高知県土佐清水市の海遊館以布利センターより、皆様あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

以布利の初日の出!
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大阪ではあまり見ることがなかったのですが、今年は以布利で拝むことができました。この通り、神々しい!

また港には、縁起よくはためく大漁旗!お正月ですね。
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今年も皆さんにとってすばらしい1年でありますように・・・!!!

新春は「ふく来る」

お正月ということで、「瀬戸内海」水槽では、ふく(福)に通じる魚「トラフグ」を展示しています。

このトラフグは東京大学大学院農学生命科学研究科附属水産実験所で研究されたオスです。

なんでオスってわかるんだ?という方は、ぜひ解説パネルをご覧ください。
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さて、こちらの「ふく」は「パナマ湾」水槽。

朝、観察しているととても珍しいことが起こっていました。でも、朝の照明が暗い時間帯だったため、惜しい、とても惜しい映像です。

ハリセンボンは、敵に襲われたときなどに水を飲み込み、体を膨らませ、約400本ほどある体の針(棘)を立たせます。

これは自然界で天敵に襲われたときや、ヒトが網で捕らえるときに見られますが、飼育水槽でハリセンボンが膨らむ瞬間は見たことがありませんでした。

最高潮に膨らんだ瞬間は録ることができなかったのがくやしい...。

この時、周りに敵らしきものがいたわけでもないのですが、どうして膨らんだのかな?

「ふく」つながりで、新春初ブログとさせていただきます。

みなさまに今年も福がたくさんありますように!

アシカニュース『新春号』&新年の特別な展示のご案内

皆様、あけましておめでとうございます。昨年はカリフォルニアアシカ「スミレ」にあかちゃん誕生というとても嬉しい出来事がありました。

赤ちゃんはお客様から『レオ』という素敵な名前をつけていただき、元気にスクスク成長中です。

ではレオくんから新年のごあいさつを。
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今年もたくさんのハッピーを多くの方にお届けできますように。

海遊館は元旦からオープンしています。アシカたちをはじめたくさんの生き物たちといっしょに皆様のお越しをお待ちしております!
そこで、ただいま海遊館と天保山マーケットプレースで開催中の特別な展示をご案内します。

【ラッコのパタに氷の鏡餅をプレゼント!】
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1月1日から4 日までのAM11:15~とPM2:00~の1日2回、氷をたたいて割ったり、かじったりするのが大好きなラッコのパタに、お正月だけ特別に氷でつくった鏡餅をプレゼント。
※時間は前後することがあります


【ふく(福)に通じる魚「トラフグ」を展示】
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山口県下関市などでは、福に通じる魚として「ふく(福)」と呼ばれるトラフグ。一年の福を願うお正月を迎えるにあたり、トラフグを「「瀬戸内海」水槽に展示中です。


【天保山アニパでアルパカの赤ちゃんが誕生!】
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南アメリカのアンデス山脈に生息するラクダの仲間「アルパカ」。天保山マーケットプレース3階「天保山アニパ」で、昨年12 月5 日に生まれたアルパカの赤ちゃんを1月1日より一般公開中。
赤ちゃんの体色は母親と同じ真っ白で、今が最もかわいらしい時期です。
※天保山アニパ入場料(中学生以上600円、小学生以下300円、3歳以下無料、ただし保護者同伴のこと)が必要です。


皆様、今年も海遊館ならびに天保山ハーバービレッジをよろしくお願いいたします!

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