海遊館日記

2015年5月

何 ヤット ん?

前回(5月22日)の海遊館日記にて、ヤットには大きな使命があることをお伝えしました。

大きな使命とは...

ジャン!
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"バイオロギング"で、行動や生態を調査することです。

ん?バイオロギングってなに?と思われるでしょう?簡単に説明します。


【バイオロギングとは

バイオ(生き物)+ロギング(記録する)を組み合わせた言葉。生物に小型のビデオカメラやセンサーを取り付けてデータを記録し、行動や生態を調査する研究手法のことをいいます。


飼育下の動物もバイオロギングで行動や生態など分かることがあるのではないかと思い、やってみました。

そこで選ばれたのがカワウソのヤットくん。
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ストレスを与えないために、トレーニングし、スムーズに装着する必要があります。

最初のほうはヤットも嫌がることはありましたが、毎日少しずつトレーニングを重ね、今ではこの通り!


「ステーション(待て)」もばっちりで、ヤットがカメラを着けやすいように手伝ってくれます。

そんなこんなで、ものすごい映像が撮れました!
まだ編集の途中ですので、ここでは紹介できませんが、いつか皆さまにもご覧いただきたいと思っていますので楽しみにしていてください!!

展示にデビューするまでの道のりは、また後日紹介しようと思っています!
お楽しみに~♪
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アラレの魅力を伝えたい!シリーズその1

いつも海遊館日記を読んでいただき、ありがとうございます。

今回、「アラレの魅力を伝えたい!」と思い立ち、3部作で連続投稿させていただきます!

ぜひ、シリーズその1 から順にご覧ください。


まずアラレっていったい何なのか?

アラレは「北極圏ゾーン」に住んでいるワモンアザラシです。

エスカレーターを上がっていくと、おそらくこんな姿が見られます。
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お気に入りは、水槽のはじっこ。
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つづく・・・。

アラレの魅力を伝えたい!シリーズその2

一日に2回あるワモンアザラシのお食事タイム

決まった位置にアザラシたちはあがってきます。

アラレが上がってくる様子がこちら。

近すぎて酔いそうですね。

アラレの魅力を伝えたい!シリーズその3

お食事タイムには、アラレのいろいろな動きをご覧いただけます。

アクリルタッチ。

アクリルガラスに鼻のところをつけています。
OKの合図が出るまでずっとそのままつけています。

私は水槽の内側からしか見たことないのですが、みなさんのほうから見ると面白いみたいですよ。

産みました!

先日、「フォークランド諸島」水槽で飼育しているイワトビペンギンが産卵しました。

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ペアのオスが今年31歳。おじいちゃんです。
そのため、少しでも授精率を向上させられるよう人工授精にも兆戦しました。

とは言うものの、人工授精の技術はまだ確立してなくて、まだまだ研究途中の技術です。


6月中旬には結果が分かります。

自然授精でも人工授精でも、授精卵であることを祈るばかりです。

イワトビペンギンをご覧になる時は、大変恐縮ですがそっと静かに観察して頂けると幸いです。

水のトラブル?は設備チーム?

淡水貯水タンクの水が満タンになっているのにも関わらず、「チョロチョロ」と水が溜まり続けていると連絡がありました。

調べてみるとフロート弁(ある一定の水位になると水の供給を止める弁)から少しずつ漏れているようです。
早速、貯水タンクの水を抜いて整備品と取り替えます。

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このマンホールから作業者や脚立、工具などをおろします。

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以外と高さがあり深いです。閉所恐怖症ではありませんが「今地震が起きたら・・・」と不安が過ぎります。
携帯も圏外!
何より男ふたりきりでこの場所に残されたらぁ~・・・

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これが今回の元凶であるフロー弁です。そういえば、前回も私が交換したような?実に7年ぶりの再会!

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ねじ込み式なので大型のレンチで緩めて取り外します。

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上が整備品(新品ではありません。整備済みの中古です)
もちろん今回、取り外したフロート弁も整備し予備品として保管します。

水のトラブル~♪どこかで聞いたフレーズですが、海遊館のお客様からの修理は承っていないのであしからず。

初めて!

5月に入り、高知県にある当館の研究所・海遊館以布利センターより、「定置網にヒゼンクラゲがいるよ」と連絡がありました。

写真を見るととても美しく、茶色い小さな斑点があって、ちょっとイカのような模様。
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クラゲ担当者によると、以前は毎年ビゼンクラゲを採集に行く有明海でよく見られていたそうですが、最近はさっぱりだとか。

以布利付近では毎年、ぽつぽつ網に入ることがあるのですが、今年は例年より多いとのこと。

ビゼンクラゲに比べると、身がやわらかく、色も白っぽいので、漁師さんはビゼンクラゲを「アカクラゲ」、ヒゼンクラゲを「シロクラゲ」と呼びわけているとか。

これがビゼンクラゲ。
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とても興味深いこのクラゲを、本日5月27日から「ふあふあクラゲ館」で展示することになりました。

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あっ!本当にイカみたいだ!

ヒゼンクラゲの飼育はとてもむずかしく、超短期間の展示になるかもしれませんが、ぜひご覧になってみてください。

海遊館の密林

「日本の森」では、ヤマアジサイがきれいに咲きました。

もうすぐ梅雨ですね。

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先日、カピバラの食欲があまりないということで、担当より「笹の葉を与えたい」と言われました。

「了解、じゃあ"日本の森"で採集してくらあ!」ってことで、通称「竹やぶ」に足をふみ入れると!

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今年、にょきにょき頭をだしたモウソウチクがたくさん。もう少し早く来たら、たけのこだったかな?

そして、根元には!
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ドクダミです。まあぎっしりと!

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お花も咲いてます。

葉がハートでかわいいのですが、薬草にもなるものなので、ものすごいにおいがします。
こんなにあるので、なにか利用できないかと数人に聞いたら、「煎じて飲んだら?」と言われました(笑)。
健康になりそう。

そして、この時期やっかいなのがヤブガラシというつる植物です。

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竹に絡みついているのがわかりますか?

ヤブガラシは、植物に覆いかぶさるように生えるので、かぶさられた植物は充分に光が当たらず、枯らしてしまうこともあるそうです。

日本の森では枯らすまでには到りませんが、葉に水が当たらず、虫がつきやすくなります。

一度生えると、あっというまに覆い尽くすので、見つけたらとりのぞきます。
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1本をのばすと、こんな感じ。

でも、これをひっぺがすのはなかなか爽快で、やりだすと夢中になってしまいます。
密林というと「エクアドル熱帯雨林」を想像されるでしょうけど、実は「日本の森」も密林なのでした。

そう、第一の目的だった笹はカピバラに好評でした。
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ワモログ☆その18

ワモログ更新します。

新年度に入り、新しい生活にはみなさん慣れてきた頃でしょうか。5月も後半となりゴールデンウィークの疲れがまだ抜けない方もいるかもしれませんね。

今日はそんなあなたに、癒しの一枚をお届けします。

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寝ているユキちゃんです。
体毛が乾いてモフモフしています。

海遊館にはゴマフアザラシとワモンアザラシの2種類のアザラシがいますが、ワモンアザラシの体毛はゴマフアザラシよりもしなやかで、よりふわっとモフモフしています。
ではさらに癒される1枚を・・・

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笑顔な寝顔。気持ちよさそうですね。
こんなワモさんを見ていると気分もリフレッシュできますよ!
ではまた。

眼鏡の新人飼育員

初めまして!私は、最近よく海遊館のブログに出現している、周りが水にあふれる水族館で常に眼鏡を掛けている新人飼育員です。

水族館では、水槽の中に物を落としてしまうと生き物が食べてしまうかもしれないため、絶対に物を水槽に落としてはいけません!
そのため、私は眼鏡にストッパーをつけて落下を防止しています(耳に掛けるとこについているやつです)!

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次に、眼鏡を掛けているために起こる不便なことが沢山あります。そのひとつがこの写真です!

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何も見えません!水族館には、餌を保存するための冷凍室(-30℃)やペンギンが暮らしている「南極大陸」水槽(10℃)というように、とても寒い場所があります。

そのため、これらの場所を出た途端にこのように必ず眼鏡が曇り周りがほとんど見えなくなり、周りの飼育員にも笑われております。
眼鏡を掛けているために、不便なことはこれ以外にもまだまだありますが、精一杯頑張っていこうと思います!

空気を読むアザラシ

「モンタレー湾」水槽に潜って掃除をしていると、よく邪魔が入ります。

カリフォルニアアシカのナミとレオは常連ですが、実は最近ゴマフアザラシの『シゲ』が来るようになりました。

掃除を邪魔されるのは面倒くさいのですが、ナミやレオとは違い、シゲは控え目な所がなんだか可愛いんです!

そんな様子をブログで!と思い、張り切ってカメラを持っていきましたが、来てほしい時に来ないのが動物。。。
水槽の底で一人寂しくカメラを構えていると空気の読める救世主登場!!

ちょっと癒される動画が撮れました。
皆様、誰か分かりましたか??

正解は、ラピスでした~。

途中何かしゃべっているように見えるのがまた可愛い。
今度はシゲに悟られぬよう頑張ります。

ぷりんぷりん

「日本の森」をのぞくと。

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ん?大小コンビのあなたたちは誰?

「はーい!ヤットとアヤメです。皆様おひさしぶりです。」

では、これまで展示していた「わんぱくフォー」は?

この取っ組み合いをしている2頭をご覧ください。
顔が見えないので、誰だかわかりませんが。



おしりを見ると、もうプリンプリンのタップタプ。

ちょっと太りすぎだよー!
そんな彼らは近々、恐怖の健康診断です。

こんなかれらの取っ組み合い、ご覧になった方はとても心配してくださるのですが、もともとカワウソは皮がだぶついているので、咬み合いしていても、実はあまり痛くないのですよ。

というわけで、「わんぱくフォー」は健康診断が終わるまでは、バックヤードに移動中。

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「なんかいやな予感がする...」

気のせいだってー♪

そして、代わりに登場したの、ヤット・アヤメ夫妻。

今回、ヤットくんには「日本の森」で大きな使命があるのです。

そのお話はまた後日。

復活!

「瀬戸内海」水槽の岩陰には、イセエビがいます。

以前、そのうちの1匹の脚が取れてしまったので、バックヤードにある水槽に移動させました。

イセエビやカニなどの甲殻類は、調子が悪くなると「自切」といって脚が取れてしまうことがあるんです。

このイセエビは移動してしばらくして、餌を食べないことがありました。エビやカニなどは、脱皮前になるとそんなことがあるので「もしや?」と思い、しばらく様子を見ることにしました。

ある日、水槽のチェックをしていると水面に浮かぶものが!
▼脱皮殻です。
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脚が3脚しかありません。

では、脱皮した後の状態はというと、気になりますね・・・。


こちらが脱皮後の姿です。
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なんと、脚が全部生えていました!
よく見ると、元々あった脚とは色が少し違います。

このイセエビが、最近、また脱皮しました。
今回の脱皮殻はこちら。
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まだ脚の大きさが少し違っています。

現在、この脱皮殻を標本にしているところです。

上手く出来たらバックヤードツアーで紹介したいと思っています。
どうぞお楽しみに。

壺の使い方

「瀬戸内海」水槽のタコつぼ。

以前、海遊館日記「マダコ不動産」でもいろいろな使い方をお知らせしましたが、第2弾!

一般的な使い方はこちら。
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よくみたら、つぼではありませんけど、つぼに近いものということでお許しを。
使ってるのはマダコです。

そこまで厳重にせんでも。
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「いやいや、ゆっくり休むためには、きっちり蓋しないと!!」

そりゃそうだ。

こちらは割れたつぼの使用例。
カワハギです。
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カワハギは背びれの棘と腹びれの棘を立てて、穴の中などで棘を突っ張り棒のようにして潜むという話を聞いたことがあります。

▼想像図はこれ。カワハギの絵は、魚類担当の画伯1号に描いてもらいました。

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また、口で海藻などをしっかりつかみ、自分が流されないようにすることもあるようですが...。
しかし、この状態はどっちつかず。「何してんの?」状態。

まあ休んでいるのでしょう(強引)。


そして、コクテンアオハタ。
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ただのあごのせ場所じゃん...。

おもしろい使い方、募集中です。

うそまた??

先日、バックヤードに入るカワウソ・ニッキの水の飲み方がおもしろいと申し上げました。


その後、動画撮影に成功しましたので、お披露目します。


いつもは大きなダンベから飲むのですが、今日は特別に水入れを寝床のそばに置きました。
どうしても動画の向きが横を向いており、見にくいのはお許しを!

普通は水面に口をつけてごくごく飲むんですけどね。
ニッキの飲み方は水を味わっていて、なんかおいしそうに見えませんか?(笑)

以前、ムクというおじいさんカワウソは、ペレット(人工餌、いわゆるカリカリ)を食べる時、前足でがばっとすくいあげ、仁王立ちのまま、飲み込むというか、かきこんでました。

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カワウソの前肢はとても短いのに、どうやって?と思われますよね?
私のつたない絵ではうまく表現できませんので、後輩にポーズとってもらって...

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赤い字で「えさ」と書いた部分にえさをのせて、それを高く掲げ、腕の間に口を入れ、ペレットを一気にざざっと流し込むのです。
あー、説明がむずかしい!

あとにも先にも、そんな食べ方をするのはムクだけだったなあー。
見るたびに「酒は飲め飲めー」と黒田節を歌ってみたりして。

カワウソも長く生きると、猫又(ネコの妖怪)ならぬ「うそまた」になるのかもしれません。

飼育係員の夜

海遊館が1日を終えて閉館するとき、一体どんな作業があるのでしょうか?
今回は、そんな夜の海遊館で働く飼育員の仕事についてご紹介したいと思います。

まず、一つ目はカワウソを寝室に誘導する作業です。

「日本の森」で暮らしているコツメカワウソ達は、夜になり海遊館が閉館すると、飼育員が寝室に誘導して寝かしつけます。

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寝る直前のカワウソ達です。
飼育員が近づいて来たのに気がついて、ソワソワと落ち着かないようです。

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飼育員が麻袋で出来たカワウソの布団を持って水槽に入ります。飼育員の右側の岩の後ろに寝室があります。カワウソ達は「早く寝室に連れて行って!」とばかりに飼育員の足の周りを走り回ります!

写真を良く見てもらいますと、足元をものすごい勢いで走り回るカワウソが、かすかに写っております!

この作業、慣れない新人の係員等が行うと、遊び足りないカワウソ達がなかなか寝室に入ってくれないことがあります。

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寝室に入ったカワウソ達です。

今日はみんなすぐに寝室に入ってくれました♪ それでは電気を消して「おやすみなさ~い☆」

続いて誰もいない館内で、一人で生き物のチェックです。

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ジンベエザメに・・・

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ゴマフアザラシ!

もちろんこれ以外にも、海遊館で暮らしている生き物すべての様子をチェックして回ります。

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そして最後に「フォークランド諸島」のイワトビペンギンの水槽にあるカーテンを閉めて、イワトビペンギンたちを寝かせます。

こうして海遊館の生き物達は眠りについて、海遊館の一日は終わりを迎えます。

このように閉館後の海遊館では生き物達がゆっくりと眠れるように、飼育員がこっそりと作業をしているんですよ。

観察のお仕事

飼育員のお仕事は、餌やりや水槽掃除など色々ありますが、その中でも大切なのが生き物の観察です。

ただいま海遊館のペンギンたちは繁殖期。
ジェンツーペンギン、アデリーペンギン、イワトビペンギンの産卵の季節がやってきました。
いつもは餌やりの時間にペンギンの様子を見ていましたが、いつでも観察ができるようにビデオカメラを設置しました。

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これでペンギンたちの様子をじっくり観察できます!
ジェンツーペンギン以外の他のペンギンにもカメラをつけると...

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3台あるモニターが、ペンギンだらけに(笑)

これから卵が産まれてヒナが孵って、1年で一番忙しい時期に入ります。
ヒナが元気に育っていく様子を皆さんにお見せできるよう、頑張ります!!

頑張れ!!新人君!!!

新年度が始まって1ヶ月経ちましたね!
新社会人の皆さん、新入生の皆さん、新しい環境には慣れましたか???
海遊館にも今年、新人獣医さんが入りました。

獣医とはいっても、生物の治療や健康診断だけが仕事ではありません。
獣医の学校では、イルカやアシカ、ペンギンなど海獣類はもちろん、爬虫類、魚類の勉強はほとんどしないので、まずは生物達のことをちゃんと理解することが大切です。

なのでもちろん飼育の作業を経験します。
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アシカのルークの近くにいるのが新人君です。
まだ顔が引きつっている感じがしますが、頑張ってます!


そしてペンギンの採血。
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外科の研究室出身ということもあって、手先はとっても器用。
こちらは余裕そうな感じです。

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採血されてるペンギンもとってもリラックス!

「君、採血上手やね!」
とでも言っているかのような余裕の表情。

これから学ぶことはいっぱいです。
何よりの先生は生物達。

頑張れ!!新人君!!!

自由自在にぴとぴと

「日本海溝」水槽のミズダコ。
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朝、活発に動いていたため、動画を撮ってみました。



アクリルを伝って移動しているのですが、吸盤を上手に使っています。

吸盤といえば、身近にあるこれは皆さんよくご存知でしょう。
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平らな部分にきゅーっと押し付けると、中の空気が抜け真空に近い状態になって、ぴとっと吸いつきますよね。
そして、はずす時は上の「ぽっち」をひっぱり空気を入れると、あら不思議。

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でも、ミズダコの吸盤には「ぽっち」がついているわけではありません。

タコの吸盤は放射状に広がる筋肉と吸盤の円周状に走る円形の筋肉、それらに垂直に交わる縦方向の筋肉と3種類の筋肉があり、これらの筋肉を複雑に動かすことで吸い付いたり離れたりできるのだそうです。

それにしても、あんなにたくさんの吸盤(の筋肉)を自由に動かしているのって、スゴイと思いませんか?
まあ1個くらい収縮を間違えたところで、問題はないのでしょうけども...。

サーフ通信5月号~からだをごしごし編~

カマイルカのサーフ、うまれて8ヵ月がたちました。早いもんだ!
最近のブームが体ごしごし。

水槽のふちの部分に体をこすりつけながら泳ぎます。
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体かゆいんですかね?かゆいならかいてあげたいけど、まだ水面では体を触らせてくれません。

ブームは日々変化しますので、また一週間後にはまた変わっているかもしれないですね。

このあとは選りすぐりのサービスショット!

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ちょっと自慢

先日、桜など、花がいろいろ咲き、「春になったなー」と喜んでいたら、もうすっかり新緑がまぶしい「日本の森」。
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今日、ご紹介するのは、こちらの緑。
かなり自慢のスポットです。

その1、カワウソの水槽を上部から見た際には、顔を左に向けてみてください。
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滝のまわりの緑。
長年にわたって擬岩に生えた苔とつる植物です!

その2、オオサンショウウオのお隣、カワムツたちの水槽の奥です。
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ここも上からちょろちょろ流れる水で、擬岩の上に立派な苔が生えました。
よくみると数種類の苔たちが生えています。
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触ったらふかふかなんだろうなあ!

以前、来館された植物園の方にも「ここはとても素敵な展示だから、大事にしたらいいよ」といわれたこともあります。
えっへん♪

オオサンショウウオのいる水槽の右の滝近辺や、カワウソ水槽の下方にも苔はありますが、特にカワウソのところでは、たまに緑のもしゃもしゃっとした苔の塊が、排水部のネットにひっついていることがあります。
誰だ!苔をむしってるのは!!

知らなーい!
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手先が器用なのは、別のところで発揮してほしいものです。

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あー、もう待ちきれない

毎年7月と12月の2回やってくる。
ちなみにバーゲンセールではございません。

何の事かと思えば、大型(粗大)ゴミの回収時期。

工事の時に出てくるものや、片付けの時に見つけるもの、壊れてしまったものなど、さまざまなものが出てくる。
これで設備も新しくなり、作業環境も良くなっていると思うのですが、なにせ今回はペースが早く、大型ゴミ置場はもう満杯状態。
"あー、もう待ちきれない!"

▼かごの中にはパイプ、大きな板、流し台など
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▼壊れた脚立や鉄くず
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▼モーターや何かの装置、逆さまになったイスもある
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▼バルブやごちゃごちゃとした物
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アシカとアザラシに「おはよう」と言ってみた。

海遊館の人気プログラム、おとまりスクール。
閉館後の夜の海遊館を飼育係員と一緒に見学したり、水槽の前に寝袋をしいて寝たりします。

今日は朝の見学のときに撮影した写真をご紹介します。
参加者のみなさんは、朝開館前の貸しきり状態で海遊館を見学できるのもおとまりスクールの魅力の1つです。

アシカやアザラシはガラス越しに人のことをよく見ています。「モンタレー湾」水槽の前を通ると・・・

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さっそくアシカのコアとアザラシのラピスがお出迎え。
よく見ると偶然ですがコアがちょっと執事っぽいジェントルマンなポーズで写っています(笑)じゃあラピスはメイドさんかな。

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「おはようございます。お嬢様。」そんな感じでしょうか??

ラピスはお客様の持ち物が気になる様子。

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「まぁ、素敵なお帽子ですね!」

と、言ってるかどうかは別にして、朝の動物たちは元気いっぱいです。

ぜひ早起きして開館直後の海遊館に遊びに来てみてくださいね。

繁殖研究も全力投入

水族館の役割りには、「種の保存」や「保全」「研究」があります。

海遊館でもそれらの使命を果たすため、積極的に取り組んでいます。
その内の1つがペンギン類の繁殖研究です。

ペンギンを見たことがない人はいない!」と行っても過言ではない程、日本の水族館や動物園ではメジャーな生き物だと思います。

しかし、その生態はまだ解明されていないことが沢山あります。繁殖のメカニズムもそうです。

海遊館では、神戸大学と共同で繁殖研究を進めています。
今後、何らかの理由により自然繁殖が困難になった場合、我々がその手助けができるようにと、人工繁殖技術の確立を目指しています。

これはイワトビペンギンに対して実施している人工授精の様子です。
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うぅ~ん、難しい・・・

この研究を開始して5 年目。
ようやく分からなかった部分も少しずつデータが蓄積され、解明されつつあります。
将来、この研究で獲られた成果を、展示に反映できるよう努力したいと考えています。

詳しくは、機関誌「かいゆう」vo.18に投稿しています。ぜひご覧ください。

癒されるー

ゴールデンウィークが終わってしまいましたね。
私たち飼育係は、いわゆる皆様のお休みとは関係なく仕事でしたけども、皆さんは楽しい休みを過ごされましたか?
休みが終わってがっかりな方、休みで疲れた方に朗報!

正面から撮った魚の顔を見てみましょう。
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「日本海溝」水槽のユメカサゴ、大口開けてますね。

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「太平洋」水槽のタマカイは口半開き。

ちょっと癒されると思いませんか?
先日(4月16日)、ご紹介したハリセンボンなどは笑ってるように見えます。
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他にも...
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「太平洋」水槽のオオセ。

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「日本海溝」水槽の深海コーナーにいるキホウボウ。

この2尾はひげがかっこいい!

カメラをお持ちの方はぜひ正面写真にトライしてみてください。
楽しいですよ。

見てみたい!

2月末に「ふあふあクラゲ館」でカブトクラゲをご紹介しました。
「きれいだけじゃない」

現在展示しているチョウクラゲもカブトクラゲと同じクシクラゲの仲間。
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チョウクラゲはやはりカブトクラゲと同様に櫛板(くしいた)を動かして泳ぎますが、口側に広がる袖のような突起をひらひらはばたかせても泳ぐそうです。
そこから「チョウ(蝶)クラゲ」の名前がつきました。
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きらきらが美しいので、動画とってみました。
カメラを構えるのが遅かったのもあるのだけど、「あーーーー」と思っている間に画面から去ってしまいました。

しかし、担当いわく、「本気出したらこんなもんではない。ぴゅーーーって移動するよ」
その時ははばたくのだそうです。
本気出した泳ぎ(の動画)、狙います!

貝ころがし

以前、カワウソのグミによる「貝踊り」をご紹介しました。
 ⇒海遊館日記「貝踊りだよ」

このたびはグミの兄、ロックの技?をご紹介。

後肢の間に貝をはさみ、ころがす、ころがす。
ラグビーのニュージーランド代表である「オールブラックス」が試合前に舞う踊りとか、のように勇壮な感じがしませんか?

左隣で容器を咬みつつ、リズムをとってくれている共演者にも注目!

「体感!熱帯雨林」は本日で終了いたします。


みなさん、またお会いしましょう。

ふっさふさ!

「パナマ湾」水槽のアカハナグマたち。
「体感!熱帯雨林」では泥だらけになっていたのがなつかしい!
 ⇒「ふがふが、ほりほり」

「パナマ湾」水槽にも土場はあるけども、あそこまではやりません。

さて、朝の清掃後、きれいになった池のまわりをうろつく"トマト"。

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「さーて。お水もきれいになったことだし、飲んじゃおっと」
ごくごく。

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「あー、おいしかった♡」と"トマト"が去ると、今度は"イチゴ"がやってきて、ごくごく。

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確か、ハナグマは水があまり好きではないと聞いていたのですが、うちのハナグマたちは人工飼料がころころ池に落ちると、構わずじゃぶじゃぶ入水して食べますし。

それにしても"イチゴ"の尾の立派なこと!
"トマト"と比べると、そのふさふさ感がわかろうかと思います。
「"イチゴ"のふさふさしっぽ襟巻き」なんてのを誰か開発しないかなー?
でも、あまりこのしっぽ、手触りがよくないのはヒミツです。


修行中?

「エクアドル熱帯雨林」水槽のカピバラコーナー。
左端に注目!

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おとなりのピラルクたちのいる水槽との境にカメがいるのがわかりますか?

ここはカピバラが水場から陸場に上がりやすいよう、後からステップをつけた場所なのですが、どういうわけかオオヨコクビガメがお気に入り。
ステップの大きさもカメの甲羅にジャストフィットしているもので、おとなりからの流水もなんのその。

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オオヨコクビガメは2頭いて、1カ月ごとに交代で展示しています。
そのうちの1頭が特にこの場所が好きで、餌を口にすると、ここに来て食べたり(他の魚に餌を取られにくいようにだと思います)、休んだり。

滝に打たれて修行しているように見えなくもありません。

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このカメたちに愛称はなく、番号で呼んでいるのですが、番号がよくわからなくなっても「いつも左端にいるコ」で通じてしまうので、物忘れが激しい私にはありがたい行動です。

ぼうずのお散歩

ラッコのいる「アリューシャン列島」水槽の底の部分、通路から見て左側に岩があります。

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写真の中央部、ソイの仲間がちょっことのぞいている部分の下に隙間があるのですが、そこで暮らしているのは、アブラボウズです。

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アブラボウズといえば、数年前にクエに偽装して販売されていたということで有名になりました。
市場価格では、クエはアブラボウズの3~7倍するんだそうです。

クエとアブラボウズ、確かにぱっと見た形は似ておりますが、そもそも、クエはハタ科の魚で、アブラボウズはギンダラ科の魚。

▼クエ▼
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ギンダラって何?というと、よく西京漬で「銀だら」として売られている魚です。
アブラボウズ自体は、市場にあまり出ていないのですが、ギンダラならば、みなさま、名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?

アブラボウズはその名のとおり、身に多量の脂を含んでいることから、食べ過ぎるとお腹をこわすこともあるそうです。
ギンダラも脂分が多いので、上記のように西京漬など、焼き魚として食べるのがおいしい食べ方。
クエは身が淡白なので、刺身や鍋で食べるとおいしいのです。
魚にあった味わい方ができないという意味でも偽装はだめ!!

ちなみにアブラボウズの「ボウズ」は頭の形が丸く、「坊主頭」からきてるとか。
ってなわけで、係員は「ぼうず」と呼んでいます。

ある朝、珍しく「ぼうず」が棲家から出てうろうろしていました。

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餌の時間はまだだと思うけどなあ...。

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ちらり...とこっちを見たりして。

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どうやらお散歩していたらしく、しばらくして棲家に戻っていきました。

レアキャラなので見られたらラッキー!

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