海遊館日記

2015年9月

カワウソの歯の治療

定期健康診断にて、歯に異常が見つかったカワウソのツバキ。
一部がぐらぐらしているので、抜くことになりました。上顎の一番奥の歯です。
20150930_1.jpg

処置は麻酔をかけて行います。

20150930_2.JPG

歯がぐらぐらしているといっても一部だけで、大きな歯ですから、簡単に全部を抜くことができません。
慎重に丁寧に、少しずつ処置を進めていきます。
20150930_3.JPG

これがたいへんな作業で、獣医はへとへとになります。
ツバキは麻酔で寝たままで、大きな歯が抜けた時にも、痛みで動くようなことはありませんでした。
20150930_4.JPG

1時間位かかって無事終了、獣医もツバキもお疲れ様でした!

で、抜いた歯はこちらです。
20150930_5.jpg

本当はもっと歯根が深いはずですが、短くなっていました。
このまま放置しておくと、他の歯や顎の骨などにも影響がでたかもしれません。
よかったね、ツバキ。
20150930_6.jpg

「よくなーい!私だけ誕生日(8月1日)のお祝いをしてもらえず、おまけに歯を抜くとはひどすぎるー」と、ツバキの心の声が聞こえてきました。

ごめんごめん、何かプレゼントをしないとね。

その様子はまた後日。


大阪湾には魅力が詰まってる!

大阪湾のスナメリ調査では、おもしろいもの・貴重なお話、さまざまな体験ができました。

▼底びき網漁船です。いろいろな種類の漁船が見られます。
0924_1.jpg

▼手作り感満載のボードです。スナメリは3人がかりでつくりました。
0924_2.jpg

▼底びき網で獲れた生物を観察します。
0924_3.jpg

▼50年以上、大阪湾を見てこられた漁師さんにインタビュー
0924_4.jpg

▼大阪湾のスナメリを調査されている先生のスナメリ最前線のお話
0924_5.jpg

まだまだ知らない大阪湾。
知れば知るほどおもしろい大阪湾です。

スナメリ調査のオフショット?

9月の2週にわたって実施したスナメリ調査。

ごく少数の方がスナメリに遭遇という結果になりました。この時期は発見するのが難しい!
でも、飛行機が近くを飛んでいったり、底びき漁をしている船を間近に見たり、死亡漂着のクジラを見ることができたことなど、想定外のイベントがたくさん起こりましたね!

いろんな人の力を借りながら、ご迷惑をかけながらの企画だったので・・・、かなりのパワーを投じました。燃え尽きてます。ふぅ。

それでは、調査の最中にいろんな写真をとったので少しご紹介。

924_1.jpg

▲スナメリの棲む大阪湾。かなり大きな船が通過していきます。

924_2.jpg

▲秋晴れの空、飛行機とスナメリ調査

924_3.jpg

▲語り合う専門家たち(おじさんたち?)

今回、初参加のスタッフのはしゃぎようをみてやってください。

924_4.jpg

▲積み込み作業をしてるフリ。

924_5.jpg

▲うまく積み込めて、スナメリと2ショット。ご満悦。

アシカの赤ちゃんの愛称が決まりました!

今年の6月30日に「モンタレー湾」水槽でうまれたカリフォルニアアシカの赤ちゃん(メス)の愛称が決まりました。

150922_1.jpg

いろいろと考えた結果、愛称は「しずく」です。

姉の「ナミ」と同じく、水をイメージした女の仔らしい響きです。水の雫のようにキラリと光るような美しいアシカに育ってほしいと願っています。

150922_2.jpg

今後も「しずく」が元気に成長してくれるように、大切に育てていきたいと思います。

これからも「しずく」の応援をよろしくお願いします。

大阪湾にクジラがやってきた

「クジラの死体が流れているから船航行するときは気をつけて~」

大阪湾スナメリ調査の途中に船長の携帯がなりました。
スナメリも探したいけど、せっかくならと海から現場を見に行くことにしました。
自然のことなので"突然"はつきものです。
海上から、大きなクジラが磯に漂着しているのを見ることができました。

スナメリ調査を終えてから、車に乗り換えて現地に向かいました。
150912_1.jpg
大きなクジラ!!

150912_2.jpg
ザトウクジラでした。6m程度というけど、これでもこどもです。ジンベエザメよりでかい!

150912_3.jpg
ザトウクジラはヒゲを持つクジラで、このヒゲを使って餌となるプランクトンをこしとって食べます。ジンベエザメと似た食べ方ですね。
とても美しいヒゲでした。

めったに大阪湾にクジラが入ってくることはありません。
とても貴重な体験でした。

海遊館では大阪湾にすむスナメリの情報を集めています。
イルカやクジラの情報もお待ちしています。

アンドンクラゲとタコクラゲ

海水浴に行って泳いでいると、まわりに何もいないのにチクチクッと腕や足に痛みが走ったことはありませんか?
また、「お盆ごろはクラゲが多いから気をつけなさい」って話を聞いたことはないですか?
これは、夏場に出現するアンドンクラゲが原因であることが多いようです。

アンドンクラゲは立方形の傘に長い触手が4本。
傘の大きさは最大でも3cm四方で、そんなに大きなクラゲではありません。
20150928_1.jpg
傘の形が行灯のようなのでアンドンクラゲの名があります。

20150928_2.jpg
お盆に多いということで、お盆といえば「流し灯篭」や「回り灯籠」などがあるし、「行灯」に関係があるのかな??と思ったりしますが、それだったら「トウロウクラゲ」ですね...。

アンドンクラゲの刺胞毒は強いです。
刺された場合は海水で洗って刺胞を取り除くのがいいとのことですが、どのクラゲに刺されたかによって対処法は異なります。
痛みが続く時は病院に行くのがよいでしょう。

アンドンクラゲは長く飼育することができない種なので、9月に入って、係員が夜に採集にしてきたものを展示中です。
お早めにご覧ください!

そして、高知県土佐清水市の以布利センターでは夏の終わりごろより、タコクラゲが採れはじめました。

20150928_4.jpg
こちらも現在展示中。

20150928_3.jpg

タコクラゲがやってくると、秋を感じるクラゲ担当です。


「敬老の日」2015

昨年ご紹介した海遊館日記「敬老の日」。今年も「敬老」すべき生き物たちを、陸上動物の担当者が範囲を広げて紹介します。

▼コツメカワウソ・ニッキ(21歳)とオリーブ(17歳)
20150925_1.jpg
寝起きを襲ってしまいました、ごめんなさい。

▼リスザルのアンズ(推定年齢20歳。

20150925_2.jpg
バックヤードで元気に過ごしています。実は、昔の出来事が原因で、私とは仲がよくありません・・・。

▼「日本の森」のゴイサギ(26歳以上。海遊館のオープン前からいます)

(写真がなくてすみません・・・)

獣医に「腎臓が悪いよ!」と診断されていて、お薬を飲まねばならないのですが元気です。とてもすばやく、アユを採ったりしています。

▼同じく「日本の森」のチュウゴクサンショウウオ(30歳以上。)
20150925_3.jpg

体の大きさから、お客様からも「すご~!」と声がかかります。

海獣類も紹介しますと・・・

推定で36歳!ゴマフアザラシ・ジャブ。
推定で30歳!肝っ玉母さん、カマイルカ・アーチ。
26歳!カリフォルニアアシカのボス・ルーク。昔は小さくてかわいかったですよー。
19歳!ラッコのパタ。おばあちゃんには見えませんね~。いつまでもこどものイメージです。

29歳!ジェンツーペンギン。ープン当初からのペアが、何度も雛を育てています。
▼係員の右横の2羽です
20150925_4.jpg

そして、なんと新体感エリアの「フォークランド諸島」水槽にいるイワトビペンギンには、31歳を迎える個体も!

こうして見ると、飼育係員よりも年上の生き物たちがいっぱいです。

来年も、この海遊館日記で紹介できるように、毎日の健康管理にしっかり取り組みたいと思います。



フワフワ・モコモコのイワトビペンギン

現在、「フォークランド諸島」水槽のイワトビペンギンたちは換羽の真っ最中。
※換羽:1年に1度、全ての羽が抜け換ること
20150919_1.jpg


20150919_2.jpg


20150919_3.jpg

この時期は、いくつか問題があります。

その一つが餌を食べなくなることです。
1週間以上断食しても平気な個体もいます。

11羽のイワトビペンギンの内、7羽は換羽中。
つまり餌を食べるのはたったの4羽。さすがに「お食事タイム」として成立しません。

昨年までは、個体により時期のズレが若干のがあるのに、今年は一斉に始まっているためこの様な事態に・・・

「お食事タイム」はさびしい状況ですが、あと2-3週間で換羽は終わり、モリモリ餌を食べるようになります!
ご理解の程、よろしくお願いいたします。

でも、このフワフワの状態のイワトビペンギンが1番好き!可愛い!!という声があるのも事実。
1年のうち最もフワフワ・モコモコのイワトビペンギンは、今しか観られませんよ!

しげのぶ&ミオ

面白い映像の撮影に成功しました!!

「モンタレー湾」水槽で生活しているちびっこアザラシです。

しげのぶは、北海道の小樽水族館からやってきたアザラシです。
最近のブームは鼻先を触られることで、これがなんとも言えない極上の柔らかさです。


ミオは、山形県の加茂水族館からやってきました。
海遊館に来てすぐの頃は、中々水槽に馴染めずご飯を食べるのもやっとという様子でした。

そんなミオですが、近頃はダイバーの近くにグイグイやってきて邪魔をするほどやんちゃになりました!

そんな二頭の様子をどうぞ!!

(はじめに来るのがミオで15秒過ぎにやって来るのがしげのぶです。そして最後はまたミオです。)

なんでも遊んじゃう!

ある朝、「タスマン海」水槽の前を通りかかると、カマイルカのミューが逆立ち?

20150923.JPG

「何してんの??」

だいたい、こういう時は、気になっているものがあるはず!
それは擬貝だったり、鏡のかけらだったり、あんまりよろしくないものであることもあるので、私も目を皿のようにしてみると・・・。

3cmくらいのぴらぴらしたものを発見。おそらく餌の魚の一部のようでした。

ミューの行動を記録すると、「じーっと見る」「胸ビレでハタハタしてみる」「口からぴゅっと水を噴出する」「背ビレに当てて動かす」「口に入れたり出したりする」など、バリエーションが豊富で、とても楽しそうです。

ミューが遊んでいると、そばをアーチ親子が通りました。

こどものサーフもめざとくこのぴらぴらを見つけ、わざわざお母さんから離れてミューに接近してきました。

すると、ミューは「これは私の!」とばかりに口にぴらぴらをしまいこんで、他所へ行ってしまいました。
こんなおもしろいおもちゃ、手放すわけにはいかないですよね(^-^;)

私が担当しているカワウソは、とても飽きっぽい性格ですが、ミューはこのぴらぴらを見失ってしまうまで、長い時間遊んでいました。


さーて、次は何で遊ぶかな?

22,230両

「日本の森」の私たちが通称「花壇」と呼んでいるスペースが寂しくなってきたので、お客様が見えない部分に生えているシダを移植しました。
20150921_1.jpg
しかし、なかなか根付きにくいようで、もう少し様子を見たいと思います。

「花壇」の向かいはアジサイがわさわさと繁茂中。落葉樹なので、もうすぐ葉がなくなってしまいます。

葉をかきわけると、ひっそりマンリョウが実をつけていました。
20150921_2.jpg

マンリョウは「万両」と呼ばれ、めでたい植物として扱われています。
アジサイに隠れ、見えにくいので、「花壇」へ移植も考えましたが、やはり新しい万両を花壇に植えることにしました。

ついでにセンリョウ(千両)も追加しようと調べていたら、なんと「百両」、「十両」、「一両」という植物もあることがわかりました。
そんなわけで、入手できなかった「一両」をのぞき、万、千、百、十両を展示してみました。

「花壇」は全部であわせて22,230両!
20150921_3.jpg

マンリョウはヤブコウジ科の植物で、「百両」のカラタチバナと「十両」のヤブコウジも同じ科、「千両」のセンリョウはセンリョウ科、「一両」のアリドオシはアカネ科の植物です。名前の由来には諸説あるので、どれが正しいのかはよくわかりませんが、いずれも赤い実をつけるので、実のつき具合(数)や木の高さなどから、お金に見立てた名前がついたようです。

新たに展示した植物はまだ実が青いです。
センリョウ(千両)
20150921_4.jpg
カラタチバナ(百両)
20150921_5.jpg
ヤブコウジ(十両)
20150921_6.jpg
比べてみて、みなさま、どれがお好みかたしかめてください。


私の「押し」はセンリョウですよ! 

20150921_7.JPG

アシカの赤ちゃん、最近のブーム

今年の6月30日に生まれたアシカの赤ちゃん、すくすく成長中です。

最初はお母さんアシカ(愛称:リップ)にべったりでしたが、徐々にいろいろなものに興味を持ち始めています。

最近では、「お母さんアシカの背中に乗る」というブームがやってきてます。
やっとお母さんの背中に乗れたのに落ちてしまった動画が撮れたので紹介します。

その後、また背中に乗ることができてほっとしたようです。

20150917_1.jpg

赤ちゃんは必死に背中に乗ろうとしているので、ついつい「頑張れっ!」て応援したくなってしまう親心。
皆さんも、こんな何事にも必死な赤ちゃんを見て、ほっこりした気持ちになってみませんか?

私、次のブログでは最近赤ちゃんと仲のいい1歳年上のアシカ(愛称:レオ)とのツーショットを狙っております!
みなさん、楽しみにしていてください!

最後に、母と娘が同じ格好をしているほほえましいツーショットです。

20150917_2.jpg

地上30mからの眺め

9月に入ってから、じめじめとした日が続きましたね。
それに台風がやってくるなんて、いったいなんやねんっ(><)て感じです。

今日は台風一過すばらしい青空が広がっています。
屋上で換気装置の塗装をおこなう予定です。この整備は雨じゃできませんので。


ところで、海遊館の屋上って何があるんでしょうか、ちょっと見てみましょう。


▼換気装置

150913_1.JPG

▼空調の室外機(クーラーや冷凍冷蔵庫、降雪装置など)

150913_2.JPG

▼「太平洋」水槽の屋根

150913_3.JPG

▼大阪港の眺め

150913_4.JPG

▼六甲の山並み

150913_5.JPG

大阪港大関門から薄っすらと見える淡路島や六甲の山並みなど・・・、眺望がすばらしいです!

高さは、あべのハルカスの10分の1ですが、見える景色は負けていません。


疲れも癒されました!さぁ、換気装置の塗装を頑張りますか!

ミオのハートマーク

加茂水族館からやって来た、ゴマフアザラシのミオです。
すっかり海遊館の環境に慣れてきました。
hartmark1.JPG

近頃、ミオの身体を触るトレーニングをしていたら・・・
見つけてしまいました!!
ミオの背中に、ハートマークが隠れていました!!
hartmark2.JPG

かなり小さなハートですが、皆さんも是非ミオのハートマークを探してみてくださいね♪

ちなみに、ゴマフアザラシには、この様な胡麻のような黒い点々模様があり、ワモンアザラシは白い輪っかのような模様です。
hartmark33.jpg
hartmark3.jpg
hartmark4.jpg
どちらもよく特徴を捉えた名前ですね。

まんぞく...

少し前の話題ですが、スマートフォンのアプリで、いろいろなエサやグッズを置くと、猫がわんさか集まってくるゲームがあり、猫好きな飼育係員の間で流行していました。「今日はこんな猫が来た」とか「このエサを使うとこの猫が来る」とか情報共有したりして・・・。

集まってくる猫の中に、ちょっと高価なエサを置いておくとすかさず食べて、たいへん満足げに「ふーっ」となるキャラがいます。
このキャラが出てくると、他の猫が集まってこないので、ゲームをする側としては、「もう!また来たよ」と思うわけですが、絵がかわいいので憎めません。

ということで、「日本の森」のカワウソ・わんぱくフォーのお話へ。

わんぱくフォーたちには、1日に4回の餌を与えていますが、夕方16時の回が終わると、こんな感じになります。

▼ふーっ、食った食った。
manzoku1.JPG

▼まだ、なんかあるの?(ないです)
manzoku2.JPG

▼お腹いっぱいになったら眠いよね。
manzoku3.JPG

▼寝よう寝よう!
manzoku4.JPG

▼ぐー。
manzoku5.JPG

満足かわうそだ!ゲームのキャラにそっくりだ!、と思ってしまいます。

この様子は、16時過ぎに見ることができます。
閉館前の19時ごろには再びスイッチが入って、アユを追っかけているのはひみつです。

企画展「体感!熱帯雨林」のピラニアたち、その後のその後

昨年の企画展「体感!熱帯雨林」の入口で展示していたピラニアたち。

■5円玉サイズの頃→ 「可憐な水玉」2014年4月

■全長10cmくらいの頃→l「水玉、その後」2014年8月

■手のひらサイズの頃→ 「ピラニア、その後」2014年11月

そして、企画展「体感!熱帯雨林」が今年の5月に終了し、しばらくバックヤードで飼育をした後、「エクアドル熱帯雨林」水槽に展示しました。
piraniasonogo1-1.jpg

お腹の部分がオレンジ色で、尾の白黒がはっきりしているのが、5円玉サイズだったピラニアたちです。(わかります?)
piraniasonogo2.jpg
大きさは、以前からいたピラニアとそん色なくなりました。

水槽から少し離れて見るとわかりやすいかもしれません。

人さわがせなイチゴ

ある日の早朝、「パナマ湾」水槽を見回っていると、こんな様子が・・・。
1-osawagaseitigo1.JPG

▼拡大してみましょう。
1-osawagaseitigo2.JPG

土の部分にアカハナグマが鼻で穴を掘り、そのまま「ずぼっ」と顔を突っ込んでいるのです。

そして全く動かないので、「ハ、ハナグマが死んでるー!」と思い、急いで担当者に連絡すると、ひょっこり顔を出して、泥だらけの顔で去っていきました。

息苦しくないのでしょうか?と思うのですが、本人?はケロリとしているので、きっと楽しいのでしょうね。

1-osawagaseitigo3.jpg
▲ひとさわがせなイチゴさんです。

ひそかな楽しみ

私はイソギンチャクを見るのが大好きです。
イルカ担当ですが・・・

朝の見回りをするときに毎日欠かさずに見るのがこの子!

20150908_1.jpg

水流にたなびく触手。
黄色く輝くからだ。

美しい!

どこにいるか、知ってるかな?

20150908_2.jpg

お月見をします!!

今年もお月見の時期になりました!ということで、パタに恒例のお月見氷を渡します。

今回は、お団子氷とウサギ氷です。
otukimikoori1.JPG

otukimikoori2.JPG

渡すタイミングは不定期です。
9月中ゆる~く、満月に関係なくパタに喜んでもらえるように渡しています。(笑)
otukimikoori3.JPG

ジンベエワッチと動体視力

「太平洋」水槽のジンベエザメは、毎日、決まった時間に行動観察を行います。

20150909_1.jpg

そして、月に一度は「24時間定例ワッチ(観察)」も行います。
1日べったりジンベエザメを見続けるのです(係員はもちろん交代します)。


ワッチは、飼育係員が水槽の前に座り、実際にジンベエザメを観ているので、細かな動きや便の有無を確認することができます。
また、怪しい動きをしたな!と思ったら、近くまで走って行って、詳しく確認することもできます。

ワッチ以外の時間帯は、ビデオカメラで録画をして、異常行動はないか?排便はないか?などを次の日に再生してチェックしています。

ビデオカメラを固定しているため、すべての場所が録画されているわけではありません。

20150909_2.jpg

そして、録画した映像の確認は、早送りにして見るので、細かい行動の変化はわかりにくいのですが、ジンベエザメが動きを変えたり、排便をするとわかるので、その部分は通常の速さで見なおして確認します。

▼画面は、17時~20時の「夜の海遊館」。青くて暗くて見えにくいです。

20150909_3.JPG


▼20時以降は、青い光から減り、夜間照明になります。日中の1/3の光量で暗いのですが、ビデオカメラの性能がよいためか、見やすいです。
20150909_4.JPG


「太平洋」水槽には、天井にガラス窓があり、上から光が差し込むため、明け方になると明るくなります。
20150909_5.JPG

前日の16時頃から、翌朝の9時まで、チェックします。

録画した映像は、こんな感じです。

画面上に見えるのは遊ちゃんです。

しばらくして右から左へと海くんが泳いでいきますが、海くんの通過した後、右のあたりが濁ったのがわかるでしょうか?
これは海くんの排便シーンなんですよ。

早送りしていて、「あっ、濁った!」と気づいたら、通常の速さに戻して再生して、詳しくチェックします。

大型のエイやアジたちの排便でも水が濁ることがあるからです。

巻き戻したら、ジンベエザメの位置を確認し、濁りの前後にいるのは誰かをよーく見て、その便の量などもチェック。
ジンベエザメの便は、塊が確認できます。


ジンベエザメの便でないとわかったら「もう、まぎらわしいな!」と思ってしまいます・・・。
このビデオチャックをしていると、ジンベエザメだけでなく、エイの腸洗いを見ることもあり、なかなか興味深いです。

その昔、プロ野球の選手が、動体視力を鍛えるため、電車に乗った時は必ず窓から見える電柱などを数えてタイミングをとるというような話を聞いたことがあります。
私たちには関係のないこと!と思っていたのですが、なんのなんの。
動体視力、むっちゃ必要やないですか!

特に今は、ジンベエザメが2匹!

「遊ちゃんと海くん、どっちがどっちやねーん!」

「目がもう1セットほしい!」と、はじめはみんな混乱していましたが、ようやく慣れてきました。

まあ目がついていかない時は、録画なのでゆっくり再生すればよいのですがで・・・.。

さて、今日も鍛えるぞ!動体視力!!

「日本の森」を散策しよう!

昨年の秋、日本の森のカワウソ槽の後方に、なぞの植物を発見したことをお伝えしました。
11月20日「謎のぽんぽん」

で、カワウソ水槽を見上げると。
20150906_1.jpg
今年も生えてる!!
オオアレチノギクでしょうか?
昨年見た「ぽんぽん」は種ですから、確実に子孫を残しているということ...。

ゆっくり見回ると、こんな植物もありました。
オオサンショウウオ水槽とカワムツたちのいる水槽の間には植えた覚えのない植物が...。
20150906_2.jpg
アメリカヤマゴボウ(ヨウシュヤマゴボウともいいます)です。

こちらは北米原産の草本で、明治の初めに日本に入ってきた外来種です。

ぶどうのような紫の実はとてもおいしそうで、私が小さい頃に野原でこれを見つけた時、「食べたい」と言ったら「毒があるから食べちゃだめ!」と言われました。
鳥は実を食べている形跡があったので、小さな私は「食べてもいいんじゃないの?」と思いましたが、大人になって調べてみたら、種に毒があるのだそうで。
鳥は上手に実だけを食べているわけです。

また、この実の果汁はインクの代わりに使われることもあったので、アメリカではインクベリーと呼ばれることも。

そうそう、手に色がつくと、なかなか落ちないのよー、と郷愁にひたる私でした。

さて、こちらはツワブキです。
20150906_3.jpg
これは、私たちが植えたもの。
今年はわさわさと葉が茂っています。
花が咲くとよいのですが、今年はどうでしょう??
20150906_4.JPG

花はこんなかわいいのです。

「日本の森」にはこんな楽しみ方もありますので、まわりをゆっくり見てみてくださいね。


わんぱくフォーの誕生日

先日8月29日は「日本の森」の『わんぱくフォー』こと、コツメカワウソのイガ、ニラ、ザクロ、シュロの誕生日でした。

今回はなんと!ニシキエビの脱皮殻をドドンっと丸々1匹プレゼントすることにしました!!

20150907_1.JPG
かなりの大きさです!


早速プレゼントしにいくことに!


20150907_2.JPG
『カリカリ楽しい~♪』とイガ

20150907_3.JPG
脱皮殻を装着しているのは、ニラ

20150907_4.JPG
このあと先っぽまで食べました、ザクロです!

20150907_5.JPG
前室に置いていたニシキエビの殻が、給餌前から気になっていたシュロは無我夢中!


お客様も観覧通路から一緒に祝ってくださり、とても楽しい誕生日会になりました!
ありがとうございました。

これからも元気でね!

リンゴの弱点

「パナマ湾」水槽のアカハナグマ。

現在は、メスを展示していますが、バックヤードにはオス(愛称:リンゴ)を飼育しています。
20140904_1.JPG

オスのアカハナグマは、メスと比べると力が強く、気性も荒いように感じます。
以前にお知らせしたように、リンゴをメスとお見合いさせると、時には大喧嘩になりますし、餌を食べてる最中に飼育係員がふと手をだそうものなら・・・

「オレの餌を取るな~!」と威嚇してくることも.あります。

▼こちらをご覧ください。口からはみ出た鋭い牙。(犬歯)

20140904_2.JPG

オスだけが口からはみ出るほど伸びるのかは分かりませんが、海遊館で飼育している4頭の中で口から犬歯がはみ出しているのはオスのリンゴだけです。
これで噛まれようものなら、大怪我必須...。

飼育作業中は、いつも気をつけているリンゴですが、実は弱点があります。
それは...首の後ろ

リンゴは首の後ろをワシャワシャ撫でると、気持ちがいいのか力が抜けておとなしくなるのです!
撫でていくと、まずはペタンとお尻が地面に着いておすわり。
更に続けると寝転んでしまいます。(笑)

そんなリンゴの様子がこちら。

どんなに強気でも、弱点をせめられると力がでないリンゴくんなのでした~
20140904_3.JPG

タカアシガニのふんどし

ある朝、「日本海溝」水槽を見ると、アクリル面におしりをぴっとりつけて、不思議な態勢をとっているタカアシガニが!
20150902_1.jpg

何してるんでしょうね?と、おしり側に回ってみると...
20150902_2.jpg


通称「ふんどし」あるいは「前かけ」と呼ばれるお腹の部分を開いて、もぞもぞしています。
20150902_3.jpg

カニやエビの体は頭部、胸部、腹部に分かれていて、例えばイセエビだと、写真の緑の部分が頭部、黄色は胸部、腹部が赤色の部分となっています。
20150902_4.jpg
さて、この腹部、エビでは発達していますが、カニの場合は縮小し、体の下側に折りたたまれています。
で、この部分を見ると、カニの雌雄がわかります。

腹部が幅広いのがメス、鋭角な三角形になっているのがオスです。
したがって上記はメス、下の写真はオスです。
20150902_5.jpg


違いがわかりますでしょうか?
メスは産卵すると、腹部に卵を入れ、こどもがふ化するまで抱きかかえています。

しかし、今、卵を持っているわけではありません。
いったい何をしてたのでしょう?

前から見ることができればよかったのですが、岩が邪魔して見えませんでした。
お腹がなんぞ汚れていて、ごそごそしてたのかな?
とすると、ふんどしの洗濯やんなあ、と笑ってしまいました。

夕方に見に行くと、普段どおりの形に戻っていました。

換羽の季節

海遊館で暮らすペンギンたちは、換羽の季節になりました。
(※換羽とは、1年に1度、全ての羽が抜け変わること)

オウサマペンギンは既に全羽終了し、1年で最もきれいな羽になっています。
その他の種は真っ最中。


▼イワトビペンギンも
20150903_1.jpg

▼アデリーペンギンも
20150903_2.jpg

▼ジェンツーペンギンも
20150903_3.jpg

毎日どっさり羽が抜け落ちていきます。
この季節は掃除がとても大変。猫の手でも借りたいほど、時間がかかります。

7月末に生まれたジェンツーペンギンの雛も少しづつ大人の羽が生えてきました。
すでに体格は親鳥と同じぐらいになりました。
20150903_4.jpg

▼お尻にご注目!
20150903_5.jpg

大人と同じ羽(尾羽)が生えてきました。

雛ももうすぐ換羽が始まります。

換羽が終われば遊泳訓練です。今年はどうなるのかな・・・

さて問題です。誰の毛でしょうか?

20150901_1.JPG

▲さて問題です。この写真は、どの動物の毛でしょうか???



▼ヒントは、前あし。

20150901_2.JPG






▼答えは「海遊館日記」によく出てくる、ワモンアザラシ(愛称:アラレ)でした!

20150901_3.JPG

▲寝起きで眠そうですね。

アザラシの乾燥した毛はあまり見たことがないと思います。

日中は泳いでいることが多いので、体が水で濡れた様子(毛)をよくご覧になっていると思います。夜になると陸地に上がって寝るため、毛が乾燥するんですね。

そのため、体が乾いたもふもふアザラシは、夜や朝の早い時間しか見ることができない貴重な瞬間です。


ちなみにこの乾燥した毛・・・、よい例えがないくらいとても気持ちがいいんです!特に前あしです!

触れられるのは飼育員の特権ですが、「夜の海遊館」で見ることができます。


最後に...ある朝の、気だるい感じのワモンアザラシたちです。

20150901_4.JPG

「チリモン」ならぬ「サバモン」!?

先日の朝、いつものようにアザラシたちに与える餌のサバを、大きさ別に選り分けていました。

すると、普段見かけることの無い、大きさ30㎝位のかなり変わったかたちの生き物が混ざっていました。

20150901samamon1.JPG

これはいったいなんだろう?と思い、こっそりと取っておいて後で調べてみることに。

よく見てみると、サメの仲間のようです。

20150901sabamonn2.JPG

かなりボロボロですが、細かいところまで観察してみます。

小さな体ですが、しっかりと歯が生えています。

20150901sabamonn3.JPG

いろいろと調べてみた結果、歯の形や鱗の並び方などから、深海で暮らしているカラスザメ科のサメの仲間ではないかと思われます。

(ボロボロで細かい種類までは解りませんでした・・・)


それにしてもサバに混じって浅い海を泳いでいたのでしょうか?

まさにチリメンジャコに混ざっていた「チリメンモンスター」ならぬサバに混じっていた「サバモンスター」ですね!


今度はどんな「サバモン」が紛れているのか? 毎朝、楽しみにサバの選別をしています。

以布利センターの外灯、緊急事態

先日、以布利センター敷地内にある3灯の外灯が点灯しなくなりました。
ブレーカーが入らず、漏電しているようです。

150830_1.JPG

ケーブルを外して色々調べてみると...

150830_2.JPG

水銀灯をねじ込むところがおかしい!

20150830_3.JPG

中を確認してみると...

150830_4.JPG

ねちょねちょしていて、虫の死骸がついていました。

海辺にあるこの外灯は、潮風の影響で塩分が付着し、明るさに寄って来た虫により漏電したようです。

応急手当に水道水で洗い、乾燥させました。

この外灯を設置して18年、潮風に耐えながらがんばってます!


ヤット、誕生日の豪華海鮮丼

8月22日といえば、そうです。お気づきですか?

コツメカワウソのヤットの誕生日です!!今年で10歳になりました!パチパチ
20150831_1.JPG

ヤットにはバイオロギング展でとてもがんばってもらったので、今年は豪華な海鮮?丼を用意することにしました。

まず、丼の米の部分
20150831_2.JPG
カラフルな氷をたくさん作りまして、あとは上に餌を...

20150831_3.JPG
どーん!(←丼とかけてますよ、クスっと笑うところですよ)

どうですか、普段の餌をこんな風に盛り付けると超豪華な丼の完成!

餌を綺麗に切るのは、今回も料理好きのスタッフの手を借りました。
さて、食べてくれるでしょうか。怖がって近寄れないかな、不安がよぎります...

20150831_4.JPG
お?なんだこれは

20150831_5.JPG
おー!ニジマスやったわー!うまいうまい

20150831_6.JPG
飾り用のカラフル氷が餌にひっつくこともありましたが、器用に氷だけ捨てられちゃいました。

でも、アマエビの殻はポイっと捨ててましたね(笑)

20150831_7.JPG
最後に丼に盛り付けていた貝を持ってポーズ!
(ヤットの背後には、誕生日のお祝いに来てくれたヤットと仲良しスタッフの足元が...)

よかったね、ヤット
まだまだ長生きして、これからもトレーニングがんばろうね!

爆睡!!

閉館後の海遊館、見回りをしていたときの「南極大陸」水槽での1コマです。

20150915_1.jpg

立ったまま寝ています。ちなみにこのペンギンはジェンツーペンギン。

ジェンツーペンギンといえば、現在、子育て真っ最中。

20150915_2.jpg

もれなく親子も寝ています。が、ヒナはうつ伏せで爆睡中!!

気持ちよさそうですね。

カテゴリー
ブログメンバー
最近の記事
アーカイブ
sp