世界初!?「ハズバンダリートレーニングを用いたマンボウの採尿」

突然ですが、みなさまは「尿検査」をご存知ですよね?

小学生のころから、社会人になっても年に1~2回は「おしっこを採る(採尿する)」ことがあると思います。
この非日常的な「おしっこを採る(採尿する)」というイベント、実は人間だけじゃないのです。

さて、高知県土佐清水市以布利にある海遊館の研究所、以布利センターでは現在、マンボウを飼育しています。
マンボウは様々な水族館で飼育・展示されていて、その変わった姿から日本だけでなく、海外のお客様にも非常に高い人気があります。
そんなマンボウですが、行動、生理、生態はまだまだ謎だらけです。また、触るとすぐに皮膚が悪くなったり、急に体調を崩してしまうデリケートな魚であるため、水族館での長期飼育が難しいとされています。

そんなわけで、体調変化をいち早く発見するための定期的な健康診断方法はないかとずっと考えていました。例えばジンベエザメのように採血して健康状態を把握するという方法を考えましたが、先述のようにマンボウの皮膚は弱いですし、皮下組織は意外と硬く、そこに針を刺して採血するのは簡単ではありません。
しかし、「採尿」であれば、針を刺すことがないので容易にできるのでは?と考えました。

みなさまは「魚で尿検査?」「魚っておしっこするの?」とびっくりされたかと思います。答えとしては「はい!」。ほとんどの海水魚は、体内への水分補給として常に海水を取り込んでいます。そして、余分な塩分や老廃物などは鰓や、種によっては肛門の後ろにある「尿が出る孔(泌尿生殖孔)」から排泄しています。マンボウの「泌尿生殖孔」は特にわかりやすく、餌を食べた後などはそこから大量に排尿しているのを見ることができます。そこからなら簡単に採尿できるのではないかと考えました。
ちなみにマンボウの尿は黄色と白が混ざったような、濁りのあるものです。

マンボウに「おしっこ出してくれ」とお願いしても叶わぬ夢であり、無理やり捕まえて採尿するとストレスになってしまいます。そのためハズバンダリートレーニング下での採尿を試みました。

その映像がこちらです。



うまく採尿することができました。世界初!ハズバンダリートレーニング下での採尿です。マンボウが暴れることなく採尿できるため、ストレスフリー。マンボウも採尿する飼育員も安全です。

採った尿は、人間と同じように、タンパクや糖、比重、ストレスホルモンなどを測定し、健康状態の把握に役立てることができるか検査します。
今回の以布利センターで飼育しているマンボウの尿検査が有用であれば、今後、海遊館でも実施し、健康管理に役立つと考えています。それだけでなく、謎に満ちたマンボウの生理、生態の解明に繋がることも期待していて、もしかしたら繁殖にも役立つかも!?

色々期待が膨らみます!

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