コメツキガニ

前回、ハクセンシオマネキを紹介しましたが、同じく干潟にすむコメツキガニを大阪湾南部で見つけましたので紹介します。
コメツキガニは、甲の幅が1cmほどの丸みのある形のカニで、砂質の干潟でくらしています(写真1)。

ちなみに、コメツキガニは砂質の場所を好みますが、ヤマトオサガニは泥っぽい場所を(写真2)、ハクセンシオマネキは砂泥質が好みで、粗い砂・小石の混じるような所にもいます(写真3)。
ちょっとした干潟の底質の違いで、そこにすむカニたちの種類も変化するようです。

さてコメツキガニですが、九州などにある広大な砂質干潟では非常に多数が群れているのをみかけるのですが、大阪湾では希少なカニです。
大阪府のレッドリストでは準絶滅危惧種とされ、「大阪府内で存続基盤が脆弱な種」となっています。ほとんどの海岸線が人工的に変えられてしまった大阪湾沿岸には、コメツキガニが好む砂質の干潟環境が少ないと言えます。
逆に、前回お話ししたように、大阪湾では、ハクセンシオマネキは増えているようです。
どちらのカニも砂の中から細かなエサを濾しとって食べますが、カニのくらす底質に応じて顎にある漉し器の構造が少し違っています。
大阪湾の干潟は、ハクセンシオマネキがエサを濾しとるのに有利な底質が増えているのかもしれません。


▼写真1 コメツキガニ
1808osakabay_001.jpg


▼写真2 ヤマトオサガニ
1808osakabay_002.jpg

写真3 ハクセンシオマネキ
1808osakabay_003.jpg

この記事もおすすめ!