大阪湾にも熱帯の魚が!

秋が深まりつつある今日この頃ですが、大阪湾の海辺をのぞいてみると意外な魚たちに出会うことがあります。それは、熱帯の海で見かける色鮮やかなチョウチョウウオの仲間やキンチャクダイの仲間、スズメダイの仲間などです。大阪湾にそんな魚が?と思われるかもしれませんが、夏に黒潮の流れに乗って南方から卵や稚魚が流され、大阪湾にたどり着いたもののようです。

彼らは秋には幼魚にまで成長して浅い岩場や港内の護岸などで人目につくようになります。しかし残念ながら、大阪湾の水温は真冬に10℃を下回ることもあり、熱帯性の彼らはとても生きてゆけません。成魚になった彼らを見かけることはなく、水温低下にともない死んでしまうと考えられます。

10月初旬、そんな彼らを一目見ようと南東部の海岸をのぞきに行きました。天候が悪く海水の濁りもあったため条件は良くなかったのですが、なんとかチョウチョウウオの仲間を見つけることができました。その時撮影したのが【写真1】です。写りが悪く種類までは特定できませんが、なんとなくニセフウライチョウチョウウオの幼魚かなと思います。ちなみに手元にある資料で大阪湾で記録のあるチョウチョウウオの仲間として、トゲチョウチョウウオ、ツキチョウチョウウオ、ニセフウライチョウチョウウオ、チョウチョウウオ、ハタタテダイ、ゲンロクダイがあげられています。

孤独な異郷の地に流れついた彼らの運命を考えると自然の厳しさを感じますが、やがて温暖化が進むと彼らの新天地開拓は成功するかもしれませんね。


【写真1】
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