生きもの情報
2021年04月23日

2021年4月29日(木・祝)から館内5階で開催中の企画展「ぎゅぎゅっとキュート」内で「スミツキイシガキフグ」の稚魚5尾を展示します。
本種の繁殖成功は世界で2例目(海遊館調べ)で、海遊館では初めてです。そのため、飼育下での繁殖技術は確立されておらず、詳しい発達過程なども判明していません。
今回展示する稚魚は、「クック海峡」水槽を潜水清掃していた飼育員が底砂に紛れていた本種の卵を発見しました。同水槽で混合飼育している他種からの捕食等を防ぐために回収し、バックヤードで他種の繁殖事例を参考に、温度管理や海水の濃度調整など試行錯誤の末、2021年1月15日、孵化に至りました。孵化直後およそ3㎜だった体長は、現在、およそ20mmにまで成長し、本種の特徴である体の棘も確認できるようになっています。
海遊館では、今後も本種の展示と繁殖を通じた生態解明や魅力を発信していくと共に、種の保存や環境保全に関わる様々な調査研究活動に貢献してまいります。
| 場 所 | 海遊館5階企画展示「ぎゅぎゅっとキュート」 |
|---|---|
| 期 間 | 2021年4月29日(木・祝)~7月頃(予定) ※生き物の状態により、予告なく変更または中止する場合がございます。 |
| 展示数 | 稚魚5尾 |
| 料 金 | 無料(入館料に含む) |
| 産卵確認日 | 孵化日 | 大きさ | |
| 孵化時 | 4/6 時点 | ||
| 2021/1/12 | 2021/1/15 | 3mm | 20mm |
孵化後およそ1か月までは成魚のような棘が無く、丸い形態でした。その後、徐々に棘が現れ、孵化後約3か月の現在は成魚のような棘が沢山出てきていますが、体色は全体的に黒色です。今後も本種の発達過程の解明や飼育下での繁殖技術の確立を目指し、調査研究に努めたいと思います。
英名:Porcupine fish 学名:allomycterus pilatus
ニュージーランド近辺の海域などに住むハリセンボンの仲間。英名の一部であるPorcupineはヤマアラシを意味しており、その名の通り体表にはうろこが変形してできた棘を多く持つ。海遊館ではスミツキイシガキフグ(成魚)を、ニュージーランドの海を再現した「クック海峡」水槽にて飼育展示を行っています。
| 孵化時(1/15)およそ3mm | 半透明な体が特徴的。種類判別できるような特徴はまだ見られない。 |
|---|---|
| 16日目(1/31)およそ5mm | 緑がかった丸みのある半透明な体。本種の特徴である棘は見られない。 |
| 26日目(2/10)およそ7mm | 体表が黒くなり、棘が生えてくるのであろう箇所が斑点模様のようになる。 |
| 33日目(2/17)およそ10mm | 体表が完全に黒くなり、本種の特徴である棘が確認できるようになる。 |
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ニュース
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生きもの情報
飼育員が人工保育した絶滅危惧種の海鳥「エトピリカ」の展示決定!!
~12/1(月)より「アリューシャン列島」水槽にてご覧いただけます~ 2025年12月1日(月)に、同年4月9日よりリフレッシュ工事中の「アリューシャン列島」水槽が再オープンします。これに合わせ、バックヤードで飼育員が人工保育したエトピリカの幼鳥(1羽)がデビューします。今回デビューするエトピリカは、2025年8月25日にバックヤードで誕生しました。誕生直後から飼育員が親代わりとなり、エサやりや体重測定を行って育てています。10月20日からは飼育員が一緒にプールに入って遊泳訓練を重ね、成鳥と同じように泳げるようになりました。現在は水鳥らしい姿になってきましたが、成鳥に比べてクチバシが小さく黒ずんだ色をしており、まだまだ幼くあどけない姿をご覧いただけます。▼飼育員による遊泳訓練の様子 【エトピリカの幼鳥について】 ・産卵日 : 2025年7月18日(金)・孵化日 : 2025年8月25日(月)・性 別 : 不明・体 重 : 54g(孵化直後)→ 610g(2025年11月19日時点)※生きものの状況により予告なく展示を中止する場合がございます。 エトピリカの担当飼育員からのコメント まずは「アリューシャン列島」水槽という新しい環境に早く慣れてほしいです。またバックヤードでしっかり遊泳訓練しましたが、まだまだぎこちない泳ぎ方でとても愛らしいので、たくさんのお客様に幼鳥の間だけの魅力をご覧いただきたいです。 【エトピリカについて】 英名 : Tufted puffin学名 : Fratercula cirrhata北太平洋の亜寒帯域に広く生息する海鳥で、現在、日本国内では北海道の一部地域でのみ繁殖が確認されているものの、その数は少なく、環境省レッドリストにて絶滅危惧IA類に分類されている。
2025.10.31
調査・研究
ジンベエザメの身体測定を実施しました
11月1日(土)の "計量記念日" を前に、10月31日(金)に「太平洋」水槽で飼育展示中のジンベエザメの全長・胴回りの計測を行いました。 結果は以下のとおりです。 全長 胴回り 推定体重 推定年齢 海(かい)/オス 5 m 30 cm昨年(4 m 70 cm) 2 m 60 cm昨年(2 m 30 cm) 1,100 kg昨年( 700 kg) 8~9 歳 遊(ゆう)/メス 6 m 20 cm昨年(6 m 20 cm) 2 m 70 cm昨年(2 m 60 cm) 1,800 kg昨年(1,800 kg) 18~19 歳 「海」は、昨年 10 月 2 日の搬入時に比べ、全長で 60 cm、推定体重で 400 kgも大きくなりました。「遊」は全長には変化ないものの、胴回りが 10 cm 大きくなっています。全長から体重を推定しているため、昨年と同じ推定体重になりますが、増加している可能性が高いと推察されます。 海遊館では、まだ詳しい生態がわかっていないジンベエザメの生態研究や健康管理の一環として、定期的に身体測定を行っています。飼育員が水槽に潜ってエサを食べている最中のジンベエザメにメジャーを当て、全長と胴回りを実測し、推定体重を割り出しました。 計量記念日を通して生きものたちが元気に成長する様子を紹介し、海遊館の健康管理の取り組みや、自然環境について興味をもっていただきたいと考えています。