生きもの情報
2021年04月14日

海遊館では、妊娠しているワモンアザラシの生態や性格を考慮し、母親アザラシを単独飼育に変更したほか、本水槽の観覧部分を段階的に閉鎖するなど、出産に際して最大限の取組みを行いました。
結果、3月31日に出産の兆候が見られたため、24時間体制で観察を続け、翌日4月1日に出産を確認しました。 出生後、バックヤードにて赤ちゃんの検査を行ったところ、低体温や低血糖等の症状が認められたため、獣医師ならびに飼育員が一丸となってケアに努めました。ケアが功を奏し、出生後に見られていた諸症状は改善しましたが、ケアに時間を要したため、展示水槽での子育てを断念し、飼育員が親代わりで育てる「人工哺育」を24時間体制で行っています。
赤ちゃんはまだまだ慎重な対応が必要な時期です。引き続き、赤ちゃんの成長に向け全力で取組みます。 尚、赤ちゃんの展示時期は未定ですが、4月15日から「北極圏」水槽の陸上観覧部を段階的に開放し、ワモンアザラシ(愛称:アラレ)の姿がご覧いただけます。
ワモンアザラシの赤ちゃん(4月5日撮影)
誕生日時:2021年4月1日(木)午前2時58分
誕生場所:「北極圏」水槽
性 別:オス
体 長:約55㎝(誕生時)、約55㎝(4月8日時点)
体 重:2.44㎏(誕生時)、3.29㎏(4月13日時点)
両 親:母親:愛称「アラレ」(推定16歳)、父親:愛称「モヤ」(推定13~14歳)
「アラレに安心して出産してほしい」という強い思いで出産前から思いつく限りの準備を行ってきました。その中で皆様からたくさんの応援をいただきとても励みになりました。ありがとうございました。
出生後、赤ちゃんの調子が芳しくない様子を見て「必ず回復させる」という思いでチーム一丸となって24時間付きっ切りでケアを続け、状態が好転した時は涙がこぼれるほどうれしかったです。 まだまだ慎重な対応が必要な時期なので、今後も引き続き、全力で「人工哺育」に臨み、赤ちゃんの成長安定に努めたいと思います。今後も見守っていただけると嬉しいです。
2025.11.20
ニュース
水中からメリークリスマス!「サンタダイバー」が登場します
2025.11.19
生きもの情報
飼育員が人工保育した絶滅危惧種の海鳥「エトピリカ」の展示決定!!
~12/1(月)より「アリューシャン列島」水槽にてご覧いただけます~ 2025年12月1日(月)に、同年4月9日よりリフレッシュ工事中の「アリューシャン列島」水槽が再オープンします。これに合わせ、バックヤードで飼育員が人工保育したエトピリカの幼鳥(1羽)がデビューします。今回デビューするエトピリカは、2025年8月25日にバックヤードで誕生しました。誕生直後から飼育員が親代わりとなり、エサやりや体重測定を行って育てています。10月20日からは飼育員が一緒にプールに入って遊泳訓練を重ね、成鳥と同じように泳げるようになりました。現在は水鳥らしい姿になってきましたが、成鳥に比べてクチバシが小さく黒ずんだ色をしており、まだまだ幼くあどけない姿をご覧いただけます。▼飼育員による遊泳訓練の様子 【エトピリカの幼鳥について】 ・産卵日 : 2025年7月18日(金)・孵化日 : 2025年8月25日(月)・性 別 : 不明・体 重 : 54g(孵化直後)→ 610g(2025年11月19日時点)※生きものの状況により予告なく展示を中止する場合がございます。 エトピリカの担当飼育員からのコメント まずは「アリューシャン列島」水槽という新しい環境に早く慣れてほしいです。またバックヤードでしっかり遊泳訓練しましたが、まだまだぎこちない泳ぎ方でとても愛らしいので、たくさんのお客様に幼鳥の間だけの魅力をご覧いただきたいです。 【エトピリカについて】 英名 : Tufted puffin学名 : Fratercula cirrhata北太平洋の亜寒帯域に広く生息する海鳥で、現在、日本国内では北海道の一部地域でのみ繁殖が確認されているものの、その数は少なく、環境省レッドリストにて絶滅危惧IA類に分類されている。
2025.10.31
調査・研究
ジンベエザメの身体測定を実施しました
11月1日(土)の "計量記念日" を前に、10月31日(金)に「太平洋」水槽で飼育展示中のジンベエザメの全長・胴回りの計測を行いました。 結果は以下のとおりです。 全長 胴回り 推定体重 推定年齢 海(かい)/オス 5 m 30 cm昨年(4 m 70 cm) 2 m 60 cm昨年(2 m 30 cm) 1,100 kg昨年( 700 kg) 8~9 歳 遊(ゆう)/メス 6 m 20 cm昨年(6 m 20 cm) 2 m 70 cm昨年(2 m 60 cm) 1,800 kg昨年(1,800 kg) 18~19 歳 「海」は、昨年 10 月 2 日の搬入時に比べ、全長で 60 cm、推定体重で 400 kgも大きくなりました。「遊」は全長には変化ないものの、胴回りが 10 cm 大きくなっています。全長から体重を推定しているため、昨年と同じ推定体重になりますが、増加している可能性が高いと推察されます。 海遊館では、まだ詳しい生態がわかっていないジンベエザメの生態研究や健康管理の一環として、定期的に身体測定を行っています。飼育員が水槽に潜ってエサを食べている最中のジンベエザメにメジャーを当て、全長と胴回りを実測し、推定体重を割り出しました。 計量記念日を通して生きものたちが元気に成長する様子を紹介し、海遊館の健康管理の取り組みや、自然環境について興味をもっていただきたいと考えています。