生きもの情報
2021年08月11日
2021年7月30日(金)に、エトピリカの雛が誕生しました。海遊館でのエトピリカの繁殖は、飼育開始3年間で3度目となります。
6月19日に館内「アリューシャン列島」水槽内にて卵を確認しました。親鳥が抱卵を続け、7月30日の11時頃に孵化を確認しました。また、孵化当日に親鳥からの摂餌を確認しています。 現在、雛は巣穴の中で親鳥と過ごしているため、水槽外部から様子を見ることが難しいですが、孵化後50日ほどで巣立ちを迎えます。また、今後2~3年かけて黒い羽と鮮やかで美しい嘴を持つ成鳥と同じ姿になります。
産卵日:2021年6月19日
孵化日:2021年7月30日
大きさ:体重 55.6g (孵化日)、体重 104.2g (8/7時点)
親鳥:父親・愛称「おこっぺ」、母親・愛称「ところ」(2019年、2020年の繁殖と同じペア)
和名:エトピリカ
英名:Tufted puffin
学名:Fratercula cirrhata
チドリ目ウミスズメ科に分類される海鳥の一種で全長約 40cm になる。 北太平洋の亜寒帯域に広く生息する海鳥で、現在、日本国内では北海道の一部地域でのみ繁殖が確認されているものの、その数は少なく、環境省レッドリストにて絶滅危惧IA類(※)に分類されている。 島や海岸の崖上部の土中に巣穴を掘り、集団で営巣し、メスは 1 回の産卵で 1 個の卵を産む。 海遊館では現在、今回誕生した雛を含む7羽を飼育展示している。
※レッドリスト絶滅危惧IA類
レッドリストは「日本に生息又は生育する野生生物について、専門家で構成される検討会が、生物学的 観点から個々の種の絶滅の危険度を科学的・客観的に評価し、その結果をリストにまとめたもの」。 また、絶滅危惧IA類は「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」を指す。 (いずれも環境省HPを参照)
2025.06.04
調査・研究
海遊館クラウドファンディングについてのご報告
海遊館では1990年の開業当初より、オーストラリア北東部に広がる世界最大のサンゴ礁であるグレート・バリア・リーフを再現した「グレート・バリア・リーフ」水槽の展示を通して、その自然環境やそこで暮らす生きものの生態を伝えてきました。昨年11月28日にリニューアルオープンした同水槽の、リニューアルに向けた現地潜水調査などを経て、改めてグレート・バリア・リーフの美しさ、生命の素晴らしさをより多くの方に知っていただきたい、という想いが強くなり、グレート・バリア・リーフやサンゴ礁の未来を守る取り組みとして、2024年6月3日から2024年7月31日まで、クラウドファンディングを実施し、約546万円のご支援をいただくことができました。改めてクラウドファンディングで支援者の皆さまの想いとその温もりを感じました。心より厚くお礼申し上げます。皆さまからのご支援金は、海遊館からの拠出金と合わせて1,000万円をグレート・バリア・リーフの環境保全に向けて活動する現地NPO団体「Great Barrier Reef Legacy」に寄付させていただきました。また、海遊館でも昨年より「サンゴのバイオバンク」を設置し、サンゴの飼育・研究に取り組んでおります。今後とも皆さまの温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします
2025.05.29
生きもの情報
海遊館初!大型のサメ「シロワニ」の展示を開始しました
海遊館は、「シロワニ」の展示を開始しました。本種の展示は海遊館初です。 左:オス 右:メス シロワニは、全長4mを超える大型のサメの仲間です。大きな歯がむき出しの恐ろしい顔つきとは裏腹におとなしい性格で、サンゴ礁や沖合の浅瀬、水中の洞窟などに生息しています。東海大学海洋科学博物館より、全長2.7mのメスと2.5mのオス、計2尾を「太平洋」水槽へ搬入しました。現在は新しい環境にも慣れ、水槽の中をゆったりと泳いだり、1日2回の「お食事タイム」では飼育員が与える餌を食べる様子をご覧いただけます。 展示場所 「太平洋」水槽 展示個体 ・メス:全長2.7m 2025年5月12日(月)搬入・オス:全長2.5m 2025年5月15日(木)搬入 シロワニについて 英名:Sand tiger Shark学名:Carcharias taurus 全長4mを超える大型のサメ。サンゴ礁や沖合の浅瀬など暖かい海に生息し、日本では伊豆七島や小笠原諸島を含む南日本海域に分布する。日中は海底の洞窟などに潜み、夜間に活動する夜行性で、他の魚類を主な餌とする。恐ろしい顔つきとは裏腹に、性格はおとなしい。胎生で、子宮を2つ持ち、1度の繁殖で全長約1mの仔を最大2尾産出する。胎児は子宮内の他の卵や兄弟姉妹を食べて成長することで知られる。
2025.04.24
生きもの情報
※展示終了しました【海遊館初展示】タカアシガニの「メガロパ幼生」の展示をしています
※展示終了しました「日本海溝」水槽で孵化したタカアシガニの幼生を4/23より、エントランスビル4F、飼育員カウンターにて期間限定で展示しています。 2025年3月7日(金)に、「日本海溝」水槽でタカアシガニの赤ちゃんが生まれているのを飼育員が発見し、バックヤードにて大切に飼育していました。タカアシガニの赤ちゃんは誕生直後は「ゾエア幼生」と呼ばれ、大人とは異なる姿をしています。脱皮を繰り返しながら「メガロパ幼生」を経て、大人と同じ姿の「稚ガニ」に成長します。この度、メガロパ幼生(約3mm)まで成長しましたので、世界最大のカニ「タカアシガニ」の今しか見られない貴重な姿をぜひご覧ください。また、タカアシガニの幼生の成長の様子はブログ「海遊館の舞台ウラ」でも紹介しています。 期 間 2025/04/23~ 場 所 海遊館エントランスビル4F 飼育員カウンター 種 類 タカアシガニのメガロパ幼生(大きさ約3㎜) 5匹程度 ※生き物の状況によっては急遽展示を中止する場合がございます。 タカアシガニ 英名:Japanese giant spider crab学名:Macrocheira kaempferi オスは鋏脚を広げると3m以上にもなる、世界最大のカニ。より大きな分類群である節足動物としても世界最大の種で、主に日本近海に分布するが、台湾などでも漁獲例がある。普段は深海域で生活し、春になると産卵のために浅海域へ移動することが知られている。