生きもの情報
2017年10月10日
平成29年10月10日(火)朝4:00、海遊館生まれのラッコ「パタ」が亡くなりました。21歳でした。一般にラッコの寿命は15~20歳と言われていることから大変長寿で、国内の水族館生まれのラッコとして最高齢でした。
「パタ」は平成8年6月28日に海遊館で生まれたメスのラッコです。
生まれた当初から海遊館で暮らし、赤ちゃん時代にはぷかぷか水面を泳ぐ母親ラッコのお腹の上に乗る姿が愛くるしいと、話題になりました。性格はいたずら好きでやんちゃ。可愛らしい姿の写真がWEB上で何度も話題になったり、毎年6月28日の誕生日にはお客様からお誕生日カードを受け取ったり、誕生会イベントへの参加に応募者が殺到したりと、日本中にたくさんのファンがいたこともパタならではです。
パタはラッコの中でも一番トレーニングで出来るようになった動作が多く、陸上での握手や、口をパカッと開ける動き、自ら体重計に乗る行動などが出来ました。このような多様なトレーニングが上手く出来たからこそ、長年こまめにケガや体重、体調のチェックなど健康管理を行うことができ、しっかりと長生きをしてくれました。
パタは平成29年10月3日(火)頃から体調に変化があり、8日(日)からバックヤードで24時間体制でケアを続けましたが、老衰により天寿を全うしました。
なお、海遊館では現在ラッコの展示を行っておりません。
◆担当者から
"パタは海遊館で誕生し、21年間その姿を見てきました。ラッコのなかでもひときわ「わがまま」という個性があって、たくさん困らせてくれました。ラッコの中でも小柄で、丈夫な体ではないように思っていたが、いつのまにか水族館生まれとして国内最高齢にまでなっていました。本当によくがんばってくれました。
この数年は1頭での生活だったので、飼育員たちが出来るだけパタに会いに行き、生活に刺激を与え健やかに暮らしてくれるよう見守ってきました。そんな毎日の中で、私をはじめ飼育員たちはみな、パタから学ぶことがたくさんありました。感謝しています。
今はすごく悲しくさみしいですが、パタには本当にありがとう!と伝えたいです。"
(海遊館 飼育展示部海獣環境展示チーム マネージャー地本(パタ誕生時より海獣担当)
◆パタを愛してくださったみなさまへ
ラッコのパタを大切に想ってくださってきたみなさま、本当にありがとうございました。たくさんの魅力で、ラッコと海の生きものの素晴らしさや不思議さを教えてくれたパタに、海遊館は感謝しています。
海遊館では、パタへの感謝を伝える場を設ける予定です。
パタを愛してくださったみなさまからのお気持ちも、その際にお受けできるよう検討しておりますので、お待ちいただきますようお願いいたします。
◆ラッコのパタについて
愛 称:パタ
性 別:メス
年 齢:21歳(平成29年10月10日現在)
誕生日:平成8年6月28日(海遊館生まれ)
特 徴:
かわいい顔して、かなりの気分屋。よく飼育員を悩ませている。おやつでもらう、氷とカニが好き。しかし気分によっては食べずに捨てる飼育員泣かせなラッコ。しかしそんな姿さえもが魅力的で、21年間、海遊館の飼育員はもちろん日本中にファンを持つアイドルのようなラッコ。その魅力で、「ラッコ」という生きものの素晴らしさや不思議さを広く私たちに伝えてくれた。
◆海遊館とラッコについて
海遊館ではラッコが不在となりますが、開館以来27年間取り組んできた飼育経験と知識を、ラッコの保全・保護活動に役立てていきたいと考えています。ラッコの生態研究を今後も継続して行い、自然で暮らすラッコの保護・保全活動の一助となれるように取り組んで参ります。
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ニュース
水中からメリークリスマス!「サンタダイバー」が登場します
2025.11.19
生きもの情報
飼育員が人工保育した絶滅危惧種の海鳥「エトピリカ」の展示決定!!
~12/1(月)より「アリューシャン列島」水槽にてご覧いただけます~ 2025年12月1日(月)に、同年4月9日よりリフレッシュ工事中の「アリューシャン列島」水槽が再オープンします。これに合わせ、バックヤードで飼育員が人工保育したエトピリカの幼鳥(1羽)がデビューします。今回デビューするエトピリカは、2025年8月25日にバックヤードで誕生しました。誕生直後から飼育員が親代わりとなり、エサやりや体重測定を行って育てています。10月20日からは飼育員が一緒にプールに入って遊泳訓練を重ね、成鳥と同じように泳げるようになりました。現在は水鳥らしい姿になってきましたが、成鳥に比べてクチバシが小さく黒ずんだ色をしており、まだまだ幼くあどけない姿をご覧いただけます。▼飼育員による遊泳訓練の様子 【エトピリカの幼鳥について】 ・産卵日 : 2025年7月18日(金)・孵化日 : 2025年8月25日(月)・性 別 : 不明・体 重 : 54g(孵化直後)→ 610g(2025年11月19日時点)※生きものの状況により予告なく展示を中止する場合がございます。 エトピリカの担当飼育員からのコメント まずは「アリューシャン列島」水槽という新しい環境に早く慣れてほしいです。またバックヤードでしっかり遊泳訓練しましたが、まだまだぎこちない泳ぎ方でとても愛らしいので、たくさんのお客様に幼鳥の間だけの魅力をご覧いただきたいです。 【エトピリカについて】 英名 : Tufted puffin学名 : Fratercula cirrhata北太平洋の亜寒帯域に広く生息する海鳥で、現在、日本国内では北海道の一部地域でのみ繁殖が確認されているものの、その数は少なく、環境省レッドリストにて絶滅危惧IA類に分類されている。
2025.10.31
調査・研究
ジンベエザメの身体測定を実施しました
11月1日(土)の "計量記念日" を前に、10月31日(金)に「太平洋」水槽で飼育展示中のジンベエザメの全長・胴回りの計測を行いました。 結果は以下のとおりです。 全長 胴回り 推定体重 推定年齢 海(かい)/オス 5 m 30 cm昨年(4 m 70 cm) 2 m 60 cm昨年(2 m 30 cm) 1,100 kg昨年( 700 kg) 8~9 歳 遊(ゆう)/メス 6 m 20 cm昨年(6 m 20 cm) 2 m 70 cm昨年(2 m 60 cm) 1,800 kg昨年(1,800 kg) 18~19 歳 「海」は、昨年 10 月 2 日の搬入時に比べ、全長で 60 cm、推定体重で 400 kgも大きくなりました。「遊」は全長には変化ないものの、胴回りが 10 cm 大きくなっています。全長から体重を推定しているため、昨年と同じ推定体重になりますが、増加している可能性が高いと推察されます。 海遊館では、まだ詳しい生態がわかっていないジンベエザメの生態研究や健康管理の一環として、定期的に身体測定を行っています。飼育員が水槽に潜ってエサを食べている最中のジンベエザメにメジャーを当て、全長と胴回りを実測し、推定体重を割り出しました。 計量記念日を通して生きものたちが元気に成長する様子を紹介し、海遊館の健康管理の取り組みや、自然環境について興味をもっていただきたいと考えています。