調査・研究
2022年11月24日
★追加情報:2022/12/22 目標達成しました! 詳しくはコチラ
海遊館では1990年の開館以来、飼育展示や調査研究を続けているジンベエザメ、実は世界的に生息数が減少しているとされており、国際自然保護連合(IUCN)の定める世界の絶滅の恐れのある生物リスト「レッドリスト」には 絶滅の危険が増大している種(Endangered)に分類されています。 しかし、ジンベエザメの生態はまだ謎が多く、生息域や移動経路、そして個体数など、適切に保全を行う上での生態学的な情報が不足しているのが現状です。 海遊館ではそんなジンベエザメの生態解明のため、様々な調査・研究をおこなっています。中でも、小型の記録装置を用いて外洋でのジンベエザメの行動(回遊ルート等)を調査する 「バイオロギング」という調査に力を入れています。 しかし、バイオロギングは機器が高額である事や、データの回収率が高くはない事などから、 現状として十分なデータが取得できていません。また、ジンベエザメという生き物の現状はまだ多くの方に知られていません。 そこで、クラウドファンディングに挑戦し、より多くの調査機会を得るとともに、皆様にジンベエザメのことや海遊館の取り組みを知っていただきたい、皆様とのつながりを深めたいと思っています。 
英名:Whale shark 学名: Rhincodon typus
温帯から熱帯の沿岸および外洋に生息する大型のサメで、日本近海では黒潮に乗って春から秋にかけて現れます。小型甲殻類などのプランクトンを食べ、成長すると最大で10~12mになり、さらに大きく成長する可能性もあると考えられています。 海遊館では現在、「太平洋」水槽にて2頭のジンベエザメを飼育・展示中です。
バイオロギング(Bio-logging)とは、生き物に小型の記録装置(データロガー)を付けて、その生き物(Bio)が自ら記録(logging)した行動を解析する研究手法です。近年、様々な生き物を対象に研究が進み、その成果が世界中で注目されています。 海遊館では2011年より北海道大学とジンベエザメの回遊経路を共同研究しています。小型記録装置は計画した調査期間が経つとジンベエザメの体から自動的に外れ、記録されたデータが人工衛星を経由して得られます。記録項目は、回遊経路(位置)と遊泳水深、水温です。
2015年に実施した6ヶ月間の調査では、高知県土佐清水市を出発したジンベエザメは東へと回遊した後、フィリピン海域まで回遊したことが判明しました。他の調査では水深1,800mを超える深海域を回遊していることや東北や千葉県沖へ回遊していることを示すデータなどが得られています。 このようなデータを蓄積することによって、ジンベエザメの回遊経路をより正確に推察することができます。また、長期間の調査を行うことによって得られるデータ量は増加しますが、同時に機器の故障などのトラブルが発生する可能性も増加し、データの回収率が低くなります。加えて、機器が非常に高額であることもデータ蓄積が進まない一つの要因です。
| 資金の用途 | ・バイオロギングの機器購入 ・調査研究の作業費 ・その他諸経費 等 |
|---|---|
| 目標金額 | 500万円 |
| 形 式 | All in形式(目標金額を達成しなかった場合も実施) |
| 実施期間 | 2022年12月1日~ 2023年2月28日 |
| プラットフォーム | エールレール( https://yell-rail.en-jine.com/projects/kaiyukan ) |
| 目 標 | 短期間の回遊経路把握を目標にデータ回収を目指し、以降長期間のデータ回収に着手します 第1目標:1ヶ月間の回遊経路データを3個体分回収する 第2目標:3ヶ月間の回遊経路データを2個体分回収する 第3目標:6ヶ月間の回遊経路データを2個体分回収する |
海遊館にまつわる様々な返礼品を準備予定です。
| 支援額 | 個 数 | 返礼品 |
|---|---|---|
| 1,000円 | - | お礼メールのみ |
| 3,000円 | 300 | 「限定」アクリル2連キーチェーン |
| - | お礼メールのみ | |
| 5,000円 | 50 | 海遊館オリジナルカレンダー(12月支援者限定) |
| 300 | 「限定」ピンバッチ | |
| 300 | 「限定」ミナミイワトビペンギンの羽入りキーホルダー | |
| - | お礼メールのみ | |
| 10,000円 | 100 | 「限定」トートバッグ+「限定」アクリル2連キーチェーン |
| 25 | 海遊館入館引換券大人1枚+「限定」アクリル2連キーチェーン | |
| - | お礼メールのみ | |
| 15,000円 | 50 | ぬいぐるみエラ付ジンベエザメ+「太平洋」水槽の底砂 |
| - | 海遊館の入館引換券大人2枚+「太平洋」水槽の底砂 | |
| 20,000円 | 10 | カマイルカのおもちゃ+「限定」アクリル2連キーチェーン |
| 5 | ゴマフアザラシのひげ+「限定」アクリル2連キーチェーン | |
| 5 | ワモンアザラシのひげ+「限定」アクリル2連キーチェーン | |
| 10 | サメの卵の殻+「限定」アクリル2連キーチェーン | |
| 30,000円 | 10 | ワモンアザラシの換毛で抜けた毛+「限定」アクリル2連キーチェーン |
| 1 | エトピリカの嘴覆+「限定」アクリル2連キーチェーン | |
| 10 | 飼育員ナイトツアー (4/22 10名) | |
| 50,000円 | 2 | ジンベエザメ飼育員セット(ジンベエザメの柄杓+給餌バケツ) |
| 10 | ジンベエザメの歯+海遊館館長による証明書 | |
| 100,000円 | 4 | ジンベエザメ給餌体験(3/5・3/12:1日2名 AM/PM各1名) |
| 4 | ワモンアザラシ給餌体験(4/1・4/2:1日2名 AM/PM各1名) | |
| 1 | 飼育員体験 魚類コース(4/23 調餌・清掃体験、給餌見学 1名) | |
| 1 | 飼育員体験 海獣コース(4/22 調餌・清掃体験、給餌見学 1名) | |
| 300,000円 | - | 館長と一緒に海遊館を周るプレミアムツアー |
※予告なく内容を変更、または中止する場合があります。
ジンベエザメのことをもっと知りたい。 地球で最も広大な海"太平洋"を回遊し、いろんな地域を通って日本沿岸を訪れるジンベエザメ。 その姿は雄大で、太陽が差し込む海中を、なめらかに泳ぐ姿は、美しさと生命の尊厳を感じさせてくれます。 多種多様の生命を育んできた海、そして地球の美しさと面白さに、興味が尽きることはありません。
ジンベエザメが行う地球規模の回遊生態を調べ、未来に向けて脈々と命のリレーを続けていくことが出来るよう配慮していくことは、地球規模の環境を考えることにつながると思います。
しかしながら、ジンベエザメの暮らしについて、私たちはまだ知らない事ばかりです。それどころか、どのような方法で調べればよいのかさえ、わからないこともたくさんあります。海遊館だけで出来ることは多くなく、さまざまな分野の方々と協力し合い、一歩ずつでも前に進み、探求を続けていきたいと思っています。また、日本に限らず、ジンベエザメが暮らす地域の方々と共に、この課題に取り組めたらと願っています。 海の中のこと、遠い地域で起こっていることは実感しにくいかもしれません。しかし、ジンベエザメの暮らしを想像することで、多くの人の気持ちがつながり、この美しい海と地球、そして生命を、将来の世代に届けていきたいと思います。
海遊館館長 村上 寛之
2025.11.20
ニュース
水中からメリークリスマス!「サンタダイバー」が登場します
2025.11.19
生きもの情報
飼育員が人工保育した絶滅危惧種の海鳥「エトピリカ」の展示決定!!
~12/1(月)より「アリューシャン列島」水槽にてご覧いただけます~ 2025年12月1日(月)に、同年4月9日よりリフレッシュ工事中の「アリューシャン列島」水槽が再オープンします。これに合わせ、バックヤードで飼育員が人工保育したエトピリカの幼鳥(1羽)がデビューします。今回デビューするエトピリカは、2025年8月25日にバックヤードで誕生しました。誕生直後から飼育員が親代わりとなり、エサやりや体重測定を行って育てています。10月20日からは飼育員が一緒にプールに入って遊泳訓練を重ね、成鳥と同じように泳げるようになりました。現在は水鳥らしい姿になってきましたが、成鳥に比べてクチバシが小さく黒ずんだ色をしており、まだまだ幼くあどけない姿をご覧いただけます。▼飼育員による遊泳訓練の様子 【エトピリカの幼鳥について】 ・産卵日 : 2025年7月18日(金)・孵化日 : 2025年8月25日(月)・性 別 : 不明・体 重 : 54g(孵化直後)→ 610g(2025年11月19日時点)※生きものの状況により予告なく展示を中止する場合がございます。 エトピリカの担当飼育員からのコメント まずは「アリューシャン列島」水槽という新しい環境に早く慣れてほしいです。またバックヤードでしっかり遊泳訓練しましたが、まだまだぎこちない泳ぎ方でとても愛らしいので、たくさんのお客様に幼鳥の間だけの魅力をご覧いただきたいです。 【エトピリカについて】 英名 : Tufted puffin学名 : Fratercula cirrhata北太平洋の亜寒帯域に広く生息する海鳥で、現在、日本国内では北海道の一部地域でのみ繁殖が確認されているものの、その数は少なく、環境省レッドリストにて絶滅危惧IA類に分類されている。
2025.10.31
調査・研究
ジンベエザメの身体測定を実施しました
11月1日(土)の "計量記念日" を前に、10月31日(金)に「太平洋」水槽で飼育展示中のジンベエザメの全長・胴回りの計測を行いました。 結果は以下のとおりです。 全長 胴回り 推定体重 推定年齢 海(かい)/オス 5 m 30 cm昨年(4 m 70 cm) 2 m 60 cm昨年(2 m 30 cm) 1,100 kg昨年( 700 kg) 8~9 歳 遊(ゆう)/メス 6 m 20 cm昨年(6 m 20 cm) 2 m 70 cm昨年(2 m 60 cm) 1,800 kg昨年(1,800 kg) 18~19 歳 「海」は、昨年 10 月 2 日の搬入時に比べ、全長で 60 cm、推定体重で 400 kgも大きくなりました。「遊」は全長には変化ないものの、胴回りが 10 cm 大きくなっています。全長から体重を推定しているため、昨年と同じ推定体重になりますが、増加している可能性が高いと推察されます。 海遊館では、まだ詳しい生態がわかっていないジンベエザメの生態研究や健康管理の一環として、定期的に身体測定を行っています。飼育員が水槽に潜ってエサを食べている最中のジンベエザメにメジャーを当て、全長と胴回りを実測し、推定体重を割り出しました。 計量記念日を通して生きものたちが元気に成長する様子を紹介し、海遊館の健康管理の取り組みや、自然環境について興味をもっていただきたいと考えています。