生きもの情報
2020年06月23日
海遊館では、新型コロナウイルス感染拡大防止により、2020年3月2日(月)より約3か月間、臨時休館していましたが、その間も飼育員たちは、自身の安全確保に努める一方で、生き物たちの飼育管理を徹底し、健康を維持してきました。その努力が実り、2020年6月16日(火)と17日(水)に、ミナミイワトビペンギンの赤ちゃんが誕生しました。
一般公開中の「フォークランド諸島(マルビナス)」水槽では、母鳥と父鳥が交代しながら口移しでエサを与えるなど、微笑ましい子育ての様子を間近でご覧いただけます。
今回、1ペアの親鳥からミナミイワトビペンギンの赤ちゃんが2羽誕生しました。赤ちゃんの成長を安定させる目的で、6月16日(火)に生まれた赤ちゃんは親鳥ペアが、6月17日(水)に生まれたもう1羽の赤ちゃんは、水族館・動物園において一般的な手段である、親鳥ではない別のペアが子育てする「仮親」という方法で育っています。赤ちゃんの成長は共に順調で、担当の飼育員は毎朝赤ちゃんの体重を測定し、成長と健康状態を観察しています。
海遊館では、かわいらしい赤ちゃんと子育ての様子をご覧いただき、生命誕生のすばらしさを感じていただけたらと考えています。
産卵日:①2020年5月15日 ②2020年5月11日
孵化日:①2020年6月16日 ②2020年6月17日
体重(孵化時):①68.2g ②62.9g
体重(6月18日時点):①88.6g ②66.3g
子育て中のペア:①親鳥 ②仮親
フォークランド諸島(マルビナス)など南極周辺の島々に生息し、体長は約50cmでペンギンのなかでも小型の種。岩場を飛び跳ねながら移動することからこの名前が付いた。目の上にある黄色い冠羽が特徴。沿岸の岩場の小石や雑草で巣を作り、メスは1回の繁殖で通常2個の卵を産む。ペンギンの中では気性がやや激しい。小魚やオキアミなどを食べる。IUCN(国際自然保護連合)が定めるレッドリストにて、絶滅危惧種に指定されている。
今回、飼育員の新型コロナウイルスへの感染予防やリスク管理の観点から、勤務時間や日数等の制限がありました。そんな中でも、チームが一丸となって生き物の飼育管理を徹底したことで、今回の繁殖成功に繋がったと考えています。例年とは異なる飼育管理の状況に、不安もありましたが、繁殖が成功して安心しています。今回誕生したミナミイワトビペンギンの赤ちゃんや子育ての様子をご覧いただくことで、命のつながりや素晴らしさを感じていただければと思います。
2025.06.04
調査・研究
海遊館クラウドファンディングについてのご報告
海遊館では1990年の開業当初より、オーストラリア北東部に広がる世界最大のサンゴ礁であるグレート・バリア・リーフを再現した「グレート・バリア・リーフ」水槽の展示を通して、その自然環境やそこで暮らす生きものの生態を伝えてきました。昨年11月28日にリニューアルオープンした同水槽の、リニューアルに向けた現地潜水調査などを経て、改めてグレート・バリア・リーフの美しさ、生命の素晴らしさをより多くの方に知っていただきたい、という想いが強くなり、グレート・バリア・リーフやサンゴ礁の未来を守る取り組みとして、2024年6月3日から2024年7月31日まで、クラウドファンディングを実施し、約546万円のご支援をいただくことができました。改めてクラウドファンディングで支援者の皆さまの想いとその温もりを感じました。心より厚くお礼申し上げます。皆さまからのご支援金は、海遊館からの拠出金と合わせて1,000万円をグレート・バリア・リーフの環境保全に向けて活動する現地NPO団体「Great Barrier Reef Legacy」に寄付させていただきました。また、海遊館でも昨年より「サンゴのバイオバンク」を設置し、サンゴの飼育・研究に取り組んでおります。今後とも皆さまの温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします
2025.05.29
生きもの情報
海遊館初!大型のサメ「シロワニ」の展示を開始しました
海遊館は、「シロワニ」の展示を開始しました。本種の展示は海遊館初です。 左:オス 右:メス シロワニは、全長4mを超える大型のサメの仲間です。大きな歯がむき出しの恐ろしい顔つきとは裏腹におとなしい性格で、サンゴ礁や沖合の浅瀬、水中の洞窟などに生息しています。東海大学海洋科学博物館より、全長2.7mのメスと2.5mのオス、計2尾を「太平洋」水槽へ搬入しました。現在は新しい環境にも慣れ、水槽の中をゆったりと泳いだり、1日2回の「お食事タイム」では飼育員が与える餌を食べる様子をご覧いただけます。 展示場所 「太平洋」水槽 展示個体 ・メス:全長2.7m 2025年5月12日(月)搬入・オス:全長2.5m 2025年5月15日(木)搬入 シロワニについて 英名:Sand tiger Shark学名:Carcharias taurus 全長4mを超える大型のサメ。サンゴ礁や沖合の浅瀬など暖かい海に生息し、日本では伊豆七島や小笠原諸島を含む南日本海域に分布する。日中は海底の洞窟などに潜み、夜間に活動する夜行性で、他の魚類を主な餌とする。恐ろしい顔つきとは裏腹に、性格はおとなしい。胎生で、子宮を2つ持ち、1度の繁殖で全長約1mの仔を最大2尾産出する。胎児は子宮内の他の卵や兄弟姉妹を食べて成長することで知られる。
2025.04.24
生きもの情報
※展示終了しました【海遊館初展示】タカアシガニの「メガロパ幼生」の展示をしています
※展示終了しました「日本海溝」水槽で孵化したタカアシガニの幼生を4/23より、エントランスビル4F、飼育員カウンターにて期間限定で展示しています。 2025年3月7日(金)に、「日本海溝」水槽でタカアシガニの赤ちゃんが生まれているのを飼育員が発見し、バックヤードにて大切に飼育していました。タカアシガニの赤ちゃんは誕生直後は「ゾエア幼生」と呼ばれ、大人とは異なる姿をしています。脱皮を繰り返しながら「メガロパ幼生」を経て、大人と同じ姿の「稚ガニ」に成長します。この度、メガロパ幼生(約3mm)まで成長しましたので、世界最大のカニ「タカアシガニ」の今しか見られない貴重な姿をぜひご覧ください。また、タカアシガニの幼生の成長の様子はブログ「海遊館の舞台ウラ」でも紹介しています。 期 間 2025/04/23~ 場 所 海遊館エントランスビル4F 飼育員カウンター 種 類 タカアシガニのメガロパ幼生(大きさ約3㎜) 5匹程度 ※生き物の状況によっては急遽展示を中止する場合がございます。 タカアシガニ 英名:Japanese giant spider crab学名:Macrocheira kaempferi オスは鋏脚を広げると3m以上にもなる、世界最大のカニ。より大きな分類群である節足動物としても世界最大の種で、主に日本近海に分布するが、台湾などでも漁獲例がある。普段は深海域で生活し、春になると産卵のために浅海域へ移動することが知られている。