シジミ受難

企画展示「体感!熱帯雨林」の西表島コーナーに展示しているシレナシジミとヤマトシジミの貝殻です。
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シレナシジミは日本最大のシジミで、殻の大きさ(殻長)は10cmを超えるものがいるそうです。
私たちが普段食するヤマトシジミの大きさは2cmぐらいですから、シレナシジミがいかに大きいかがわかると思います。

シレナシジミはマングローブ林に暮らし、地表に殻の一部を露出させ、泥の中に潜って、水に溶け込んでいる栄養分や泥の中の堆積物を食べています。そうすることで水や泥などを浄化するのに役立っているのだとか。
また、シレナシジミの形は丸っこいのですが、深さ10cm 未満の浅いところに生息する種の特徴で、捕食者から襲われた時、丸く厚みのある殻で身を守るためと考えられています。
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西表島に詳しい係員からシレナシジミの話を聞いた際、「ぜひその貝殻を採集してきてほしい」と頼みましたが、シレナシジミの殻は良い状態で残っていることが少ないのだそうです。ということで、お土産物として売られている貝殻を入手してもらいました。
あっ、シレナシジミ、とても大きいけど、身はそれほど大きくはなく、味もいまいちだとか。

で、受難って何か?というと、シレナシジミじゃなくて、ヤマトシジミなのです。

1枚目の写真を見ておわかりのように、シジミの殻は触ることができます。
ところが、ヤマトシジミは小さいからでしょうか。シレナシジミで叩き割られたり、なぜかいなくなってしまうことも。
ミナミトビハゼの水槽にいたり、植木鉢の隅などぎょっとする場所にいたり、行方知らずも多々。係員は急遽、標本作成中です。
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皆様、ヤマトシジミにもやさしくお願いします!

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