水分補給(その1)

この夏は猛暑続きで、本当に大変でしたね。
皆様も涼んだり、適度な水分補給を行いつつ、過ごされたことと思います。
海遊館の生き物たちも、水分が不足しないよう、特に高齢の動物たちは特別に観察しています。

今年、8歳になった「エクアドル熱帯雨林」水槽のカピバラ・ぴーたん。カピバラ界では高齢の部類に入ります。
8月中旬より少し体調をくずしていましたので、お薬を与えたり、脱水にならないよう、水分補給のための皮下輸液を行ったりしました。
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血液中に液を入れるのは時間がかかるため、なるべく短時間で実施できるように皮膚の下に液を入れます。
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カピバラの場合は太ももの付け根に入れるのですが、ぴーたんが座って餌をもしゃもしゃ食べている間に、そっと注射針を刺し、針がはずれないよう、ぴーたんの近くで様子を見ます。
液が皮下に入ると、ぷくーっとふくれてきますが、しばらくすると吸収されて、水分補給されるのです。
もう1人の飼育係員が展示槽の上で輸液のパックを持ち、ぎゅーぎゅー押して、液を流します。
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安定の悪い場所なので、すべて人力で行います。
2名の飼育係員は、針や輸液パックが外れてしまわないように、ぴーたんが動けば一緒に動きます。
150ccほど補液するのに、約20分かかります。
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補液の後は、「よく我慢したね」と好きな餌を与えます。
入れた水分の量は100~150㏄で、ぴーたんの体重からするともう少し多い方がよいのですが、嫌がる前に止めているので、これから徐々増やすことができればと思っています。
次回は、水分補給(その2)をお伝えします。

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