クラゲの大発生

毎年晩春から初夏はクラゲが大量発生し始める季節です。先日、岬町で定置網漁をしている漁師さんにお聞きしたところ、6月中旬に網を引き上げて休漁中との事。もちろんその原因はクラゲで、大量に網に入り込んだクラゲのために漁獲物となる魚がほとんど入らない事や、網が破れる原因にもなるため、やむをえないとの事です。年により違いますが、1ヶ月半から2ヶ月間は休漁するそうです。


(写真1-1,1-2)右はミズクラゲ。少しアカクラゲもまじっている(5月下旬撮影)。左はアカクラゲ(4月中旬撮影)。いずれも入網したクラゲの一部が見えており、網の底にはさらに大量のクラゲが入っている。

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大量発生するクラゲの種類は、アカクラゲ(写真2)とミズクラゲ(写真3)です。大阪湾では、アカクラゲは4~5月ごろ、ミズクラゲは少し遅れて6月ごろに成熟した大型個体が潮目や港の中などに大量に集まっているのを見かけます。海水浴シーズンの浜辺に流れ着くこともあり、両種とも刺胞毒を持つためさわらない方が無難です。特にアカクラゲは長い触手を持つため、クラゲから離れていても刺されることがあり、注意が必要です。

海遊館のクラゲ展示は人気があり、「癒される~」との声も聞かれますが、漁師さんにとっては天敵とさえ思われているようです。漁師さんにお世話になる水族館人としては、なんとも板ばさみ状態?でつらいところです。


(写真2)
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(写真3)
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