大阪湾のワカメ養殖

みそ汁の具としておなじみのワカメは、各地で養殖が行われています。有名なのは三陸わかめや鳴門わかめですが、大阪湾でもワカメの養殖が行われているのをご存じでしょうか。 

養殖場は、湾の南東~南部の海岸にあり、海面には写真1のようにたくさんの丸い浮きが見えます。この浮きの下に、ワカメのついたロープが張られています。天然のワカメは写真2のように岩に付いてのびていますが、養殖では、小さなワカメがはえた糸(種糸:写真3)を太いロープにはさんだり巻きつけて、11月頃に海に張り出します。そして2月~4月頃に成長したワカメを収穫するのです。ワカメの正常な生育には、冬に水温が適度に下がること、水中に充分な栄養塩があることなどが重要です。しかし、近年の温暖化や陸から出る栄養塩の減少が、ワカメの生育に影響を与えたり、アイゴなどの藻食性の魚がワカメを食べる被害がでることもあります。

先日、収穫したワカメを「湯通し」している現場を訪ねました(写真4)。このワカメは塩蔵や乾燥ワカメに加工されますが、生ワカメでも販売されるそうです。今年の大阪湾のワカメは、海の栄養分が比較的多く、出来が良いとの事でした。機会があればぜひ大阪湾産ワカメをご賞味下さい。


【写真1】阪南市の海岸にあるワカメ養殖場
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【写真2】自生する天然ワカメ
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【写真3】長さ2~3cmのワカメが付いた種糸
まず、成熟したワカメの「めかぶ」から出てくる遊走子を糸に付着させ、陸上タンクなどで管理する。
やがて雌雄の配偶子に変化して精子と卵が作られ、受精すると小さなワカメ(胞子体)として糸から伸びてくる。
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【写真4】
① 熱湯に収穫したワカメを入れる         ② 1分ほど「湯通し」したワカメ
③ なんども流水にくぐらせて洗浄         ④ 完成。この後、塩蔵や天日干しをする

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