オオヘビガイ
- 2021.06.25
- 大阪湾で出会った生き物たち
オオヘビガイは、巻貝の仲間で、殻の一部あるいは大部分が岩などに固着しています。殻全体が見えていることは少なく、多くの場合、【写真1】のように殻の口のあたりが見えています。このため、オオヘビガイを岩からはがすのは困難ですが、偶然小さな石に固着した個体をそのまま採集することができました【写真2】。この個体を水槽で飼育し、ユニークな餌の食べ方を観察できましたのでご紹介します。
まず、口の近くにある粘液腺から【写真3】のように粘液を出して、シート状に広げます。シートの端はものにからまり固定され、ネットを張って流れてくる餌を待ち構える状態になります。ネットにからまったプランクトンなどの浮遊物がたまってくると、口から粘液シートを吸い取って食べます【写真4】。まったく上手い方法を考えたものです。
【写真1】矢印の所がオオヘビガイの殻口。
【写真2】石に固着したオオヘビガイ
巻きながら殻口が上向きに成長してゆくが、写真の個体のように巻きが解けて不規則に上方に伸びるように成長する場合もある。
【写真3】矢印方向へ粘液が広がっている様子。水中に見える細かい粒は、餌に与えた動物プランクトン。
すでに粘液に多数からまっている。
【写真4】口の中(黄矢印)へと粘液束(青矢印)が吸い込まれている様子。
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