魚の年齢を知るには?

お客様から「この魚は何歳ですか?」とご質問をいただくことがあります。
海遊館生まれの個体や、搬入した時期やサイズがわかる場合はおおよその年齢が分かることもありますが、多くの場合はこの「おおよそ」くらいまでしか分かりません。

そんな魚の年齢を詳しく知る手がかりがあります。今回はその方法についてご紹介します。

硬骨魚類では「耳石(じせき)」が主に用いられます。
耳石とは魚の平衡感覚をつかさどる組織で、炭酸カルシウムでできた石のようなものです。
耳石には樹木の年輪のように輪紋が刻まれています。
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耳石を丁寧に削るともっとはっきりと輪紋が見えてきます。ほとんどの場合、耳石に刻まれる輪紋は1年に1本の為、これらの数を数えることで魚の年齢を推定することができます。
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軟骨魚類(サメ・エイ類)では脊椎骨(背骨)が主に用いられます。サメやエイの仲間は耳石を持っていません。代わりに脊椎骨に輪紋が形成されることが分かっている為、年齢の推定が行えます。

エイの背骨の断面、丸で囲った部分の脊椎骨を取り出します。
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脊椎骨を取り出したところ
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薄く研磨したもの
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年齢査定を行うことで今まで分からなかった魚の年齢がわかるようになり、そのデータを積み重ねるとこのサイズだとこの年齢だということが精度を上げてわかるようになります。
従来成長が早いと考えられていた魚が実は成長がとても遅く、大きくなるまでに何年もかかることが分かったりすると、資源保護などにも活かすことができるようになるのです。

海遊館ではこのような技術を応用し、飼育生物の調査研究に役立てています。

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