大阪湾生き物一斉調査

大阪湾では、毎年6月前後に多くの団体が一斉に海岸生物を調査する、「大阪湾生き物一斉調査」が2008年から行われていて、海遊館も2012年から参加しています。湾内の20数ヶ所で合計1000人以上が参加して行われてきましたが、コロナウイルスの影響でここ3年間は規模が縮小されていました。

今年は一斉調査が本格的に再開される事になり、海遊館では5月11日に船を使ったスナメリ調査(国土交通省近畿地方整備局・大阪ECO動物海洋専門学校との合同調査)と、5月28日に海遊館前の岸壁調査を行いました。岸壁調査の様子が写真1・2です。まず、岸壁に沈めたカゴを引き上げ(写真1)、カゴに付着している生き物を調べました(写真2)。この調査には、高校生26名が環境学習を兼ねて参加し、都会の海にも様々な生き物がいることを知ってもらえました。どんな生き物が見つかったのか?その結果は他の参加団体の調査結果と合わせ、秋に発表される予定です。

 この一斉調査は、水族館や博物館はもちろん、国や地方自治体、大学、企業、市民団体など様々な立場の人が協力して行われています(写真3)。見つかった生き物の種数は、昨年の例では535種(うち貴重種は82種)となっています(大阪湾生き物一斉調査 情報公開サイトより)。毎年の調査結果は、大阪湾の海岸生物の現状やその変化を知らせてくれる貴重な情報として、研究や保全活動に役立てられています。


写真1:岸壁ぎわに沈めたカゴを引き上げているところ ※大阪府の許可を得て実施
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写真2:カゴの中に入れていた付着基盤(ビールケース)を取り出して調べているところ
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写真3:5月28日、きしわだ自然資料館が主催して泉大津市で行われた調査。
    一斉調査にはこのように小学生の子供たちも多数参加している。
    写真提供:きしわだ自然資料館
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