ジンベエザメの健康管理パート3

今回はジンベエザメ「遊(ゆう)」のお話です。
遊は2014年8月25日に、高知県土佐清水市にある以布利センターから海遊館にやってきました。当時の全長は4.87mでしたが、現在は6mまで成長しました。

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・搬入当初の遊

(→『メスのジンベエザメ「遊ちゃん」がやってきました。』(2014.08.25)

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・現在の遊


搬入当初は小型のジンベエザメ特有の丸っこい体形をしていました。
こうして見比べると遊の成長を感じますね。

これまで毎日絶好調!というわけでは無く、、、
何度か調子を崩しエサを食べなくなることもありました。

調子を崩した時のケアはもちろんですが、調子を崩す前の小さな変化に気づき、対応するのも生き物を飼育する上でとても大事なことです。
毎月行っているジンベエザメの健康管理の内容をまとめてみました。

・血液検査
・胴回り測定や体表チェックなどの身体検査(→『ジンベエザメの健康管理パート2』) 
・毎月プロポーションの写真撮影
・行動観察(毎日1時間半と月に1回24時間)

これらの結果は、魚類チームで定期的にミーティングを行い共有しています。
(他の健康管理の内容については、これから発信していきます!)

これまでの飼育で蓄積された知識や経験から、行動観察や血液検査の結果を見ると今の調子がどんなものなのか、太ってきたのか痩せてきたのかなどが分かってきました(例えば春先から食欲があがる傾向があるなど)。
そして万が一不調の兆候が見られた場合には、餌の種類を変えたり量を調整したり、場合によっては薬を与えたりします。

また、ストレス要因はできるだけ排除したいので、他の魚の取り上げ作業や水槽の工事などがある場合は、作業中にジンベエザメにエサを与えてストレスがからないように努めています。

毎日の行動観察や採血の結果は研究にも供試しており、行動、DNA、染色体の調査などを行い、これまで論文として発表できたこともあります。

これからもジンベエザメが健康に暮らせるようことを第一に考え、飼育技術のさらなる向上を目指していきます。
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