命のもと

6月10日、11日
海遊館、最後のエリアである「フォークランド諸島(マルビナス)」水槽で2羽のミナミイワトビペンギンの雛が誕生しました。
雛を育てるのは基本的には親鳥に任せていますが、体重測定や、成長の確認と記録など飼育員による細やかなケアも欠かせません。しかし、皆様は雛が生まれる前、卵の状態からお世話が始まっていることをご存じでしょうか。今回はその中の一つ「検卵」についてのお話です。

検卵とは、産まれた卵に光を当て、正常に発生(成長)をしているかを調べることです。
海遊館では、ペンギンが産んだすべての卵を検卵し、発生過程を記録しています。

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▲産卵当日の卵
上部の影が卵黄。まだ発生は進んでいない。



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▲産卵8日後の卵
発生が進み、影が広がる。卵黄の栄養を吸収するための血管の広がりが見える。



このように検卵を行うことによって卵の内部の状態を観察し、記録しています。

我々、哺乳類がエコー検査で胎児の様子を調べると同じように、鳥類も卵の時から調べることができるのです。

いかがだったでしょうか。
発生の過程を見ることで、卵の中には雛が生まれてくるのに必要なものがすべて詰まっていました。卵黄には雛が成長するための栄養が、卵白には栄養はもちろん成長に欠かせない卵黄を守る役割があります。人間の生活にも馴染み深い卵ですが、そのひとつひとつが命のもとであることを改めて知ってもらえたらうれしいです。

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