コツメカワウソの体温測定

先日、海獣類の体温測定のご紹介がありましたが、本日はコツメカワウソの体温測定を!

動物の体温測定は、イルカやアシカのように肛門で行うのが多いのですが、コツメカワウソは動きが早いため、背中に体温測定用のマイクロチップを挿入し、リーダをかざすことで測定をしています。

リーダーはたばこ2つ分ぐらいの大きさで、チップの大きさは直径約2mm_長さ約12mmで、円筒形のガラスのカプセルで包まれた小さいもの。
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背中にかざしてリーダーの液晶部分に出てくる温度を読み取ります(モデルは予備室のコウメさんです)。

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慣れているコウメだと、こんなふうにも測れます。
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コツメカワウソで38~40℃くらいが平熱、人間よりは若干高めです。

チップを使った測定を始めたのは平成19年頃で、最初は朝一番の体温を測っていました。しかし、チップが皮下の割と浅い部分にあることから、肛門内での測定よりも外的な影響を受けやすいことがわかりました。

測定前にカワウソたちが寝袋に入って寝ていてくれたらいいのですが、入水したり、大ハッスルしていると、体温がとても高くなってしまい、変動が激しいのです。

そこで、いろいろな時間で試してみたところ、朝の給餌の時が一番安定した値を得ることができるのがわかりました。

人間の女性だと、基礎体温を測定することで排卵周期を知ることができます。コツメカワウソの性周期については、まだよくわかっていないため、当館ではメスについての体温データを収集し、神戸大学大学院農学研究科 動物多様性保全繁殖研究室 の楠先生との共同研究により、糞中の性ホルモンとの関連性を調べています。

今のところ、コツメカワウソには人間のような周期的な体温変動はないこと、また、性ホルモン値とカワウソの体重推移より、コツメカワウソには偽妊娠があるのでは?ということがわかりました。そして、妊娠と偽妊娠の時では体温変動が異なり、妊娠時は若干低い体温変動をする傾向がありました。

これからもデータ収集を続けて、他の園館とも情報を交換しながら、コツメカワウソの繁殖に役立てることができればと考えています。

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