寒いところで暮らすくふう?
- 2014.11.17
- 魚類チームの日記
昨年、オープンした新体感エリアの「北極圏」ゾーン。
かわいいワモンアザラシに目が行きがちではありますが、昨年、飼育係員が北極海で直接採集したものや、カナダのバンクーバー水族館からお譲りいただいた、北極圏の珍しい生物を展示しています。
さて、まず皆様をお迎えするところにいるアークティックコッド。コッドとはタラ、つまりは鍋物にしておいしいマダラや、たらこ(明太子)のもとであるスケトウダラなどと同じ、あのタラのことを指します。
そして、アークティックとは「北極の」ということですから、「北極のタラ」というわけ。そのままですね(笑)。
私たちが食するタラの仲間は70~75cm、重さ1.4kgぐらいになるものもいますが、アークティックコッドは最大40cmくらいと小ぶりです。
さて、このアークティックコッド、北極海という低水温の過酷な状況で暮らしております。
流氷が浮かび、氷点下以下になる海で、なぜこの魚が体を凍らせることもなく生活しているかというと、血液の中に「不凍性タンパク質」という物質をもつためなのだとか。
不凍性タンパク質は、氷の結晶が体の中で大きくなって細胞を破壊しないようにしているのです。
この不凍性タンパク質は冷凍食品などに添加され、冷凍焼けしにくい製品づくりなどに使われているようです。ほほう。
当館での飼育温度は5~10℃とやや高めなので(それでも当館では一番低水温です!)、不凍性タンパク質はあまり活躍していないかもしれませんね。
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