飼育係の仕事

今回は知られざる(?)水族館の飼育係の仕事についてご紹介してみたいと思います。

飼育係の仕事には「3じ」と呼ばれるものがあります。
この「3じ」というのは飼育係の基本と呼ばれる3つの仕事をあらわす語尾をとったものです。


まず一つ目は「掃除(そうじ)」=名前のとおり掃除をすることです。

そして二つ目は「調餌(ちょうじ)」=生き物たちの餌を作ることです。

最後に三つ目は「給餌(きゅうじ)」=生き物たちに餌を与えることです。

では、この三つの仕事の内容を紹介していきたいと思います。


まずは掃除。
家でも部屋の掃除をするように、生き物たちのいる水槽も掃除します。

中でも水族館の掃除といえば、このように水槽に潜って掃除をする様子を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

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実は水槽に潜って作業をするには、「潜水士」という国が定めた資格が必要で、海遊館の飼育係は全員この資格を持っています。

さらに海遊館で行う潜水作業の訓練を受けて、それに合格しなければなりません。潜水しての掃除は、特別な資格や訓練を受けて、ようやく作業を行うことが出来るのです。


では、次に調餌(ちょうじ)です。
飼育係は生き物たちのために毎日たくさんの餌を作っています。

餌は鮮度がとても大切で、鮮度が落ちると食べてくれなかったり、お腹を壊す原因になったりすることがあるので、鮮度を落とさないようにすばやく作業を行います。

その量は1日に全部でおよそ300kgにもなります。

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3じの作業の中で、海遊館ではこの「調餌」が最も基本の作業で、担当する生き物によっては、餌を作れるようになって初めて掃除や餌を与えることが出来るようになります。


では、最後に「給餌」です。
飼育係の仕事で一番最初に思いつくのが、この「給餌」ではないでしょうか?

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「給餌」は生き物に接することが出来て、一番楽しい仕事でもあるのですが、この「給餌」の時間は生き物の健康チェックが出来る貴重な時間でもあります。

生き物は体の具合が悪くてもそれを隠していることが多いので、食欲はあるか?いつもと違うところが無いか?など、生き物の細かい変化も見逃さないように、毎日しっかりとチェックをしています。

飼育係はこの「3じ」をしっかりとマスターして初めて一人前になることが出来るのです。

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