レッドソフトコーラル
- 2016.12.01
- 魚類チームの日記
北極圏エリアに、ひときわ鮮やかな生物がいます。
先日、北極圏で採集してきた生物のひとつ、レッドソフトコーラルです。
名前の通り赤くて美しいでしょ?
サンゴ(コーラル)は、クラゲやイソギンチャクと同じ刺胞動物(しほうどうぶつ)の仲間です。
世界には約800種ものサンゴがいて、冷水にも暖水にも暮らしています。北極圏のような寒い地域もいるのですね。
そしてサンゴは、ポリプという小さなイソギンチャクのような姿をしていて、ポリプ単体で生息する非造礁サンゴとポリプがたくさん集まってサンゴ礁を形成する造礁サンゴに分けられます。造礁サンゴのたくさんいる場所の代表と言えばグレートバリアリーフでしょうか。
造礁サンゴは体の中に硬い石灰石の骨格を持っていて、またの名を硬質サンゴ(ハードコーラル)といいます。それに対し、細かい骨片を持つものを軟質サンゴ(ソフトコーラル)といいます。
また、サンゴの中には褐虫藻という植物を体の中に持ち、褐虫藻が光合成によって得たエネルギーを利用する好日性のサンゴと触手による捕食でエネルギーを得ている非好日性、つまりは陰日性のサンゴにも分けることができます。
陰日性サンゴは光を必要としないので、深海にくらす種もいます。
いろいろな分け方があるサンゴですが、では、レッドソフトコーラルはどうなんでしょう?
実際に北極圏の海に潜って採集してきたS氏に聞くと「深さ20mのあたりにいた」とのことです。
名前からして軟質サンゴであるのはわかります。
そして、褐虫藻を持ってはいないので陰日性サンゴ、餌は当館ではアルテミア(小さなエビの仲間)を与えています。
先ほどの写真の右のサンゴはポリプが触手を広げていますが、左のサンゴはきゅーっとすぼまっているのがわかります。
それにしても、ポリプが集まってこんな茎のような部分をつくるのがとても不思議。
多くの方はこれが動物とは思わないでしょう、でも動物なんです!
海の中には不思議がいっぱい。
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