見合って見合って

この時期、動物園や水族館では、国内で飼育している希少動物、約150種の戸籍簿(血統登録簿)を作るため、各生き物ごとのまとめ役(計画管理者)がデータを収集中です。
海遊館では海獣類、ペンギン類、コツメカワウソなどが血統登録簿の対象となりますが、忘れてはいけないのがオオサンショウウオです。オオサンショウウオの場合、体長や体重も報告しなくてはいけないので、年末に測定を行ないました。

その結果、チュウゴクオオサンショウウオのチュウちゃんは体長122cm、体重25.6kg、オオサンショウウオは79cm、4.4kgでした。2頭とも体重は昨年よりupしていましたが、オオサンショウウオはちょっと体長が縮んでました~なぜ??(計測の具合でしょうか?)

実は当館にはもう1尾、2013年から予備槽で飼育しているオオサンショウウオがいます。

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この個体は本来オオサンショウウオが生息していない大阪南部の公園の水路で発見されました。DNAを調べたところ、チュウゴクオオサンショウウオとの交雑種ではないことはわかりましたが、どこから来たのかまではわかりません。どこから来たのかわからなければ戻すこともできないため飼育を継続しています。

当館に来た頃は86cm、4kgでしたが、3年強たった現在では体長94cm、体重7.35kgとなったので、一度展示することになったのです。

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明るい「日本の森」で見ると体表のいぼが目立ちますね。チュウゴクオオサンショウウオに比べるとオオサンショウウオのほうがいぼは多いということですが、それにしてもいぼいぼ感がすごいです。
そして、収容した次の朝、水槽をのぞいてみると!

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珍しくチュウちゃんが右の水槽を「ガン見」してます。
2つの水槽の間には擬木のしきりがあるので、においはすれども、姿は見えずの状態なわけで、チュウちゃんにしてみれば「なんだかいつもと違うぞ!」ってところでしょう。
その気配を感じたのか、新しいオオサンショウウオも左側を気にしていました。
ある種のお見合いですね、これ。
でも、数日したら「なーんだ」って落ち着いたみたいです。
なかなかおもしろい光景でした。

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