漁師さんの素晴らしい行動

僕は6月に2週間ほど、高知県室戸市で漁師さんの定置網漁に同行し、入網生物の調査と収集をしていました。室戸の海は沖合い3kmほどのところで、水深がズドーンと300mまで深くなり、一番深いところで1000m!とても面白い海底地形をしています。

定置網にも深海生物が入ることが多く、「日本海溝」水槽の担当としては毎日ワクワクしながら乗船していました。


そんなある日、ある定置網漁に同行した時のお話です。そこでは魚を水揚げする時は2船で網を上げます。魚が水面まで上がってきたら、大きなタモを使って、写真左の船に水揚げする魚を収容します。

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全ての魚を水揚げするまでタモですくうのですが、なぜか作業を中断し何やら魚を小さなタモですくっています。


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その魚をどうするのかというと...


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なんと定置網の外、海に逃がしています。
せっかく捕まえた魚を...もったいない...
その他にも、水揚げしない方の船にタンクを設置し、その中に魚を次々と入れています。

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この魚も漁の後に逃がしていました。
魚を逃がしている漁師さんは初めて見ました!
なんでこんなことをしているのか、船長にお話を伺うと...
逃がしていた魚は"モジャコ"、そうブリの幼魚です。
(ブリは出世魚とされ、関西では、モジャコ → ツバス → ハマチ → メジロ → ブリと名前を変えます。)

「モジャコは水揚げしても値段にならないし、将来の資源のことを考えると今は放流して大きくなって成長して欲しい!室戸にまた戻って来なくても、氷見の寒ブリになったら皆さん喜ぶでしょう!」とおっしゃっていました。

船長はなんて寛大な心をお持ちの方なんだ!そして、船長の考えに賛同し、放流している乗組員さんも素晴らしい方々です。モジャコの放流は法律で決められたことではないですし、作業の効率や費用対効果を考えると、放流しない方が現実的です。それでも放流している、船長をはじめ乗組員の皆さんの行動に感動したので、日本にはこんなに素晴らしい漁師さんがいるんですよ。
高岡大敷のみなさん、ありがとうございます。

放流したモジャコは数年後、ブリになって室戸に戻ってきてほしいですね!!

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