カリフォルニアアシカ「ミライ」がお嫁に

先日、海遊館で暮らしているカリフォルニアアシカの「ミライ」を東京のサンシャイン水族館に搬出しました。
「ミライ」は2018年6月に海遊館の「モンタレー湾」水槽で「ミッチ」と「アスカ」の間に生まれたメスのアシカです。この度、お嫁に行くことが決まったのです。

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海遊館で生まれたアシカは、親との交配を避けるために、大人になる前に他の水族館や動物園にお婿さんorお嫁さんとして搬出をしています。
これまでにもたくさんの海遊館生まれのアシカ達が日本各地の動物園や水族館に嫁いでいきました。

搬出当日、サンシャイン水族館のスタッフさんが海遊館に到着し、打ち合わせをして、いよいよ作業開始です。

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まずは担当飼育員が「ミライ」を移動用の容器に入れます。事前にトレーニングを行い、「ミライ」自ら移動用の容器に入るようにトレーニングをしていたので、スムーズに入ってくれました。

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続いて、サンシャイン水族館が用意した輸送容器に「ミライ」を移します。
「ミライ」が輸送容器を見るのは初めてです。
「ここで暴れて怪我をしたらどうしよう」と不安な気持ちでしたが、思いのほか落ち着いた状態で輸送容器に入ってくれました。

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最後にサンシャイン水族館が手配した輸送トラックに積み込みます。積み込んでから30分ほど「ミライ」の様子を観察し、落ち着くのを待ってから出発です。

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トラックへの積み込み作業が終了した時、「ミライ」の離乳訓練から担当している飼育員の目に大粒の涙が...。
「ミライ」の将来のことを考えると、とてもいい話なのですが、やっぱり担当飼育員として別れは寂しいものです...。

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あっと言う間に時間が過ぎ、「ミライ」の状態も落ち着いたので、いよいよサンシャイン水族館に向けて出発です。
「ミライ」ならきっとサンシャイン水族館の人気者になってくれるでしょう!
こうして「ミライ」は無事に旅立っていきました。

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ここで少し、日本国内でのカリフォルニアアシカの展示に目を向けてみると・・・現在、日本国内のカリフォルニアアシカは何世代にも渡って国内で飼育されている個体が多く、その中には同じ血縁関係を持った個体もいます。
野生のカリフォルニアアシカは生息地で手厚く保護をされています。また、野生個体を導入することは自然破壊や絶妙なバランスで保たれている生態系に支障をきたす恐れもあります。

「ミライ」の父親である「ミッチ」はオランダ生まれのアシカで、国内に血縁を持った個体が存在せず、「ミッチ」の血統を受け継ぐ個体は、将来の日本国内でのカリフォルニアアシカの飼育・繁殖を継続していくうえで非常に重要な存在なのです。

今後、「ミライ」を起点に日本国内でのカリフォルニアアシカの展示に明るい未来が訪れてくればと、考えています。

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