「カワウソだって深い水槽はこわいんだいッ!」

海遊館では、ペットとして販売することを目的に"密輸"されたコツメカワウソを保護しています。
2019年から保護している「ポポ」は、検疫(病原体を持っていないか確認すること)などが必要だったため2年間の単独飼育を行って、ようやく今年の8月から他個体とのペアリングに挑戦しているところです!

ポポは生後3~4か月(推定)で保護されたので、他のカワウソを見るのも今回が初めてと思われます。だからでしょうか、ペアリングの際は「なんだ?!この毛むくじゃらな生きものは???!!!」とでも言いたげで、苦戦しています(>_<)

そんなポポですが、水に入るのは好きで、バックヤードではダンべ(浅い水槽)でよく泳いでいます。ただ、深い場所で泳いだことはあるのだろうか??? もう2才(推定)だし、水深のあるところで泳げなくなったら大変!と思い、「日本の森」水槽で水泳訓練をやってみました。
開館前の朝、バリケン(移動容器)で「日本の森」へ移動~。さてさて広い水槽へ遊びにいきましょう!

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バリケンからはすぐに出たものの、警戒しまくりです(^^;) まぁ予想通りなんですけどね。。。泳ぎが得意な動物ですが、初めての深い水槽はカワウソだって怖いんです。
通常、生後3~4か月ぐらいになると親が泳ぎを教えます。兄妹に置いて行かれたくなくて意を決して飛び込んだり、なかなか泳がない仔は親が首根っこを咥えて強制的に引っ張り込んだりと結構スパルタなんですが、ポポの場合、密輸によりそういう機会が奪われてしまったのかもしれません。
水槽内からポポが信頼している飼育員が「おいで」と呼びますが、完全に腰がひけています。やっとのことで顔をちょびっとだけつけますが、後肢は落ちてたまるものかと踏ん張っています。


※鳴いているのはポポではなく寝室にいる「リン」です(-"-)
あーこれは長期戦だなぁと感じつつ、食欲旺盛なポポを餌で誘導したその時!!!
落ちました( ゚Д゚)


落ちた後は、水槽の底まで潜ったり、上手に息継ぎをして1分ほどで上陸。
おぉ!!!パニックにならず泳げました!!!
このまま何度も!と。。。そうは上手くいきませんよね。その後、入水することはなく予備室にもどる時間となり、展示寝室(カワウソたちが夜に寝るところ)で待機していた「ナツ」「リン」と交代。第1回目の水泳訓練は終了です。
自らの入水は観られませんでしたが、パニックにならず深い水槽で泳げたことは大きな1歩かな。
これからも、ポポの水泳訓練は不定期で行う予定です。がんばれ~!ポポ!

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