定位置、そこはやめて!

「クック海峡」水槽には2種類のウミガメ(アオウミガメとアカウミガメ)を展示しています。この水槽は水槽名に「海峡」とあるように、ニュージーランドの北島と南島の間を通る、比較的流れが強い場所を再現しています。

ウミガメたちは普段、水流の影響の少ない場所を選んで休んでいるようで、アカウミガメはいつも水槽の底の決まった場所で休んでいるのですが(写真1)、アオウミガメはお気に入り?の場所がコロコロ変わるのです。
搬入当初は擬岩のてっぺんを定位置にしていました(写真2)。

▼写真1
2112_aoumigame01.jpg

▼写真2
2112_aoumigame02.jpg

しかし、数か月もすると、その場所には興味を示さなくなり、水面の水がろ過装置に流れ込む場所に設置している柵に前脚をひっかけて体を固定し、休んでいました。

一年近くその場所がお気に入りで、一日の多くの時間をその場所で過ごしていたので、「お客様から見えないなー、移動してくれないかなー」と思っていましたが、ここ最近、定位置がついに変わったのです。
どこかというと、中層の擬岩とアクリルの間です。ここに甲羅を固定して休むのがブームのようです(写真3,4)。

▼写真3
2112_aoumigame03.jpg

▼写真4
2112_aoumigame04.jpg

私がこの状態を朝の見回りで最初に見た時は、「擬岩とアクリルの間に挟まって動けなくなっている!」と思うほどピクリともせず、さらに眼も閉じており(写真5)、非常に紛らわしい状態でした。時々体を揺らす動きがあったので、挟まってないと確信できたのですが、時々、他の飼育員からも「アオウミガメが隙間に挟まっている!」と報告されるほど、紛らわしい場所をお気に入りにしてしまったのです。恐らく、脚を使わなくても体を固定できるため、お気に入りにしているのではと考えています。

▼写真5
2112_aoumigame05.jpg

息継ぎやなにか気になった時はふら~っと泳ぎだして、またすぐにこの場所に戻ってきます。頻繁に動いてくれればいいのですが、アオウミガメは長ければ30分は水中にいることができるので、餌を食べた後などは本当に動かないんです。これは相当お気に入りの場所らしい...。

ただ、最近、お客様からも心配の声をいただいているので、そろそろ違うお気に入りの場所を探してほしいな~~~。

この記事もおすすめ!