長いことありがとう!

休館日に、「日本の森」の樹木剪定や植物の植え替えなどを行いました。今回は中央の擬木(ぎぼく、偽物の木)の後ろにある「ケヤキ」1本を伐採、植え替えをすることになり、当日朝、姿を見に行ってきました。
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先端は天井まで届く高さなので、6mまでのびる高所作業車を使用します。

ところで、このケヤキは海遊館のオープン当初から植えられていました。
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写真ではケヤキは3本確認できますが、もともとはこのスペースに4本あったように記憶しています。今回のケヤキは赤い矢印のもので、写真の3本のうち1本は早い時期に枯れたのではなかったかと。その後、ケヤキはすくすく育ち、こちらは2000年のガイドブックの写真です。
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青々と茂っています。

2010年代に入ってから、当時、外ではやっていた害虫が搬入植物から入ったらしく、葉の状態があまりよくなくなってしまいました。そのため、2015年には3本のうちの1本を伐採し、後継となるケヤキを1本植えました(青矢印)。
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それ以降、旧ケヤキの状態はあまり改善せず、毎年、秋から冬にかけて落葉した後、次の春に芽が出るかどうかドキドキすることが続きました。しかし、今回残念ですが、この1本を伐採することとなりました。

まずは枝を切り落とし、幹を上から切り進めます。
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地面から2mほど幹を残して、根を掘り起こしていきます。
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これがなかなか難しく、最終的にはすべての根を出すのは断念!
ぽっかりと穴があき、寂しい気持ちが漂いますが、新たに後継のケヤキの若木を植えました。幹の直径は5cm強、高さは5m弱です。
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きっと伐採したケヤキを植えた時もこれぐらいの太さだったのではないでしょうか?

最後に切り取った幹の直径を計ると20cmありました。
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31年間、「日本の森」の真ん中にいたケヤキとのお別れは寂しいですが、伐採した枝や幹はニフレルのホワイトタイガー「アクア」のおもちゃや、ワオキツネザルの止まり木、ビーバーの巣材として、また、当館コツメカワウソの踏み台やカピバラの餌などとして、最後まで余すところなく使うことにしました。

▼ニフレルへ
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ニフレルでの様子はまたブログで紹介してくれるでしょう。
ありがとう。
残りの1本が少しでも長く展示できますようにと祈るばかりです。

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