アユモドキってどんな魚

みなさま、アユモドキをご存知ですか?
アユモドキはドジョウの仲間ですが、姿がアユに似ているところからこの名前が付けられたといわれています。

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暮らしている場所は川の中~下流域、水路など。
以前は琵琶湖淀川水系のあちらこちらで見ることができましたが、現在は岡山県と京都府亀岡市でしか見られなくなってしまいました。IUCN(国際自然保護連合)のレッドデータブックでは絶滅危惧種(CR)に指定されています。

アユモドキの生息数が減ってしまった原因のひとつには、治水対策により、産卵場所に適した場所が減少したことがあります。
アユモドキは川の増水などによって一時的にできる水場でしか産卵をしないと言われていることから、護岸工事や川の整備などはアユモドキには大きな影響があったものと考えられます。
その他にもオオクチバスやブルーギルなどの外来魚による食害、農業の手法の変化などによる生息環境の変化があげられます。

亀岡市では、地元の皆さんや研究者、保全団体の方々が保全活動に取り組んでいます。2013年には環境省による生息域外保全事業もはじまりました。域外保全とは水族館や研究施設で生物を保護し、繁殖に取り組むことで絶滅を回避する方法です。
繁殖は計画的に捕獲した親魚を用いて人工授精を行ったアユモドキを育成するのですが、海遊館もこの事業に協力しています。昨年は環境省指導のもと、育成したアユモドキを少し川に戻すことができました。このような取り組みが少しずつ実ってきています。

今年は6月に人工採卵で得られた受精卵を預かり、稚魚育成に取り組んでいます。

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アユモドキは水温などの条件にもよりますが、人工授精後約40時間で孵化が始まります。
孵化した時には、口はまだ開いていませんが、目、血管、心臓などはしっかりと観察できるほど発達しています。



孵化3日後ぐらいでアルテミア(プランクトン)を摂餌し始め、最近ではアカムシを小さく切ったものを食べ始めました!



孵化から1ヵ月たった現在、身体もしっかりとしてきて、少し安心してみていられるようになりました。このまま順調に育ってくれ~と思いながらお世話する担当なのでした。

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