マナマコ
- 2017.02.26
- 大阪湾で出会った生き物たち
ナマコは、ウニやヒトデと同じ棘皮動物です。大阪湾で普通に見かけるナマコはマナマコで、高水温期には石の下などに隠れて餌をとらず「夏眠」するとされ、秋~春に砂泥底に出てきて砂に含まれる分解途中の有機物や藻類などを食べます。
寒い季節になるとスーパーなどで海水を詰めてパックしたマナマコが売られていますが、これを生食する以外に、煮た後に乾燥させた「イリコ」が中国料理の高級食材として利用されます。
【写真1】は、大阪湾南部の漁港で見かけたマナマコを天日で干して「イリコ」を作っている様子です。
マナマコは、体色の違いによって赤ナマコ・青ナマコ・黒ナマコと呼ばれることがあります。
確かに、【写真2】と【写真3】を見るとその違いが分かります。赤ナマコの方は外海に近い磯にすみ、青ナマコと黒ナマコは内湾の砂泥底にすむとされています。最近の研究では、形態や生息環境の違い、遺伝的な違いなどから青ナマコと黒ナマコは同じ種で、赤ナマコは別種として分けられる可能性がでてきています。
また、稀に【写真4】のような真っ白いナマコが獲れたと漁師さんから連絡をもらうことがあり、マナマコのカラーバリエーション(種が分けられる可能性はありますが)には驚かされます。どのような仕組みで色の違いがでるのか不思議です。
【写真1】天日干しされるマナマコ。「イリコ」と呼ばれ、古くから中国への輸出品として製造されていた。
【写真2】青ナマコ
【写真3】赤ナマコ
【写真4】白ナマコ
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