ちょっと変わったイソギンチャク

先日、干潟の調査をしていて見つけたのがオヨギイソギンチャクです。このイソギンチャクは、夏頃になると海藻などについているのが見つかります。ただ、物にしっかりと貼りつくために必要な足の筋肉がなく、すぐにはがれてしまいます。はがれた後、触手を振って泳ぐことが知られており、その様子を観察するため小さな水槽に入れてみました。
イソギンチャクの移動をとらえたのが【写真1】です。

まず、①小石に貼りついていた足が突然離れ、②体が横倒しに・・・と思った時、③最初に着地した体の一部を支点に体をくの字に曲げ、④地面を蹴ってジャンプ!(したように見えました。)

【写真1】

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残念ながら、ふわっと舞い上がった後はすぐ近くの物にくっついてしまい、泳ぎを見ることができませんでした。しかし、動かないイメージのイソギンチャクですが、意外なアクティブさを感じました。
ちなみに、オヨギイソギンチャクほどではありませんが、他の種類でも多少は動いて移動するようです。
 
もう一つ、このイソギンチャクのおもしろい習性としてその増え方があります。なんと、ちぎれた触手1本からでも新しい個体が再生されるのです。

【写真2】を見ると、左側のイソギンチャクの上や右横に小さなヒトデのようなものがいくつか見えます。これが触手から再生されつつある個体で、すでに足ができているようです。このような増え方は無性生殖と呼ばれ、自分のクローンを大量に作り出します。これは植物では普通にみられる事ですが、もし私たち人間にこのような能力があれば・・・怖いような便利なような、ちょっと複雑ですね。

【写真2】
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