ウシオツメクサ

桜の花が咲く頃、海遊館前の岸壁でウシオツメクサの開花の様子を目にすることができました。
岸壁上部のコンクリートブロックの隙間から茎が伸びています(写真1)。花をよく見ると薄紫色でかわいらしく、桜に負けていません(写真2)。

ウシオツメクサは、近縁種のウシオハナツメクサと非常によく似ており、私には識別できないのでここではウシオツメクサとしておきます。
いずれにしてもウシオという名前は漢字で「潮」と書き、海水の塩分にも耐える植物(塩生植物)であることを意味します。干潟や河口の汽水域にできる塩性湿地に見られますが、この様なコンクリート護岸でもしっかりと根を生やすたくましさがあります。もちろん、この護岸にも大潮の満潮時には海水が押し寄せ、ウシオツメクサは水没状態となります(写真3)。花は大丈夫?と思われるかもしれませんが、開花するのは日が高くなり海水が引いた頃で、満潮になる夜間と早朝は花を閉じた状態で過ごします。

人目につかず咲く小さな花にも自然環境やそのサイクルに合わせた巧妙な生き方があり、感動します。花は、昨年の例では6月末までみることができました。

【写真1】
2104_ushiotsumekusa_01.jpg

【写真2】
2104_ushiotsumekusa_02.jpg

【写真3】
2104_ushiotsumekusa_03.jpg

この記事もおすすめ!