ボラ

以布利通信39に春の磯観察で小さなボラ(写真1)が見つかる事に触れていましたが、ボラは大阪湾でもよく見られる魚です。大きさ3~4cmほどのボラの子供は春先から初夏に河口付近や沿岸の浅瀬などでよく群れています。時には河口から数キロほど上流の淡水域まで上ることがあり、石に付いた藻類や泥の中の有機物などをさかんに食べているのを見かけます。

1歳ぐらいの若魚(大きさ20~25cmほど)も同じ季節に良く見かけます。先日、漁港の中の船だまりで若魚の群れ(写真2)を見つけ、そこで目にしたのがボラのジャンプです(動画)。動画では、いたるところで次々にジャンプしている様子がわかります。ボラはなぜジャンプをするのか? 

ネットで調べてみても、寄生虫を落すためなど、いくつかの説が見つかりますが、科学的な研究例は少ないようです。この動画を見てみなさんならどんな理由を考えるでしょうか?
湾内では普通に見かけるボラですが、産卵場は外洋にあり、回遊経路や産卵生態など詳しく分かっていません。ジャンプの不思議と言い、意外と謎の多い魚です。


【写真1】ボラの子供。この頃のボラは、ハクやオボコなどと呼ばれることがある。
その後、イナッコ・イナ・ボラ・トドと大きくなるに従い名前が変わる。このような魚は出世魚と呼ばれる。

2105_osakabay_bora_01.jpg


【写真2】群れになるボラの若魚。おそらく数百尾はいると思われる。

2105_osakabay_bora_02.jpg

ボラの若魚のジャンプ。 
船が急に近づいたり敵に襲われた時にジャンプすることはあるが、撮影時は群れの中のある個体が思いついたようにジャンプし、他の個体は平然としていた。

この記事もおすすめ!