おいで、おいで

新体感エリア「北極圏」水槽でおそらく多くの人が見逃しているかもしれない生物を紹介します。 ジャイアントバーナクル、名前を訳すと「大型のフジツボ」です。

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画像をよく見ると、岩に溶け込むように複数のフジツボがいるのがわかります。 フジツボはその形から貝の仲間と思われているかもしれませんが、実はエビやカニなどと同じ甲殻類です。殻の内側には貝のようなやわらかい体ではなく、蔓脚(まんきゃく)と呼ばれる足を持つ体を持ちます。この足は根元で内肢(ないし)と外肢(がいし)という2本に分かれており、また、足は多くの節からできています。フジツボは節足動物の甲殻類がもっている特徴を備えた生き物なのです。

フジツボは脱皮を繰り返して成長しますが、これも甲殻類の特徴のひとつ。時々水槽内に白っぽい脱皮殻が漂っていることがあります。 他の甲殻類と大きく異なるのは、成長するとひとところに留まった生活をするということ、フジツボは自分の体の中に雄と雌の機能を持つ「雌雄同体」の生物であることでしょうか。

フジツボの殻の内側上部には蓋があります。餌を捕まえる時はこの蓋を開いて蔓脚を出し、水中のプランクトンをキャッチして食べます。 その様子はまるで「おいで、おいで」と手まねき(あしまねき?)しているようです。


不思議な生き物フジツボ、「北極圏」でぜひじっくり観察してみてください!

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