おでかけコバン
- 2021.10.02
- 魚類チームの日記
「太平洋」水槽の給餌、写真1のようにジンベエザメ給餌2名(①②)とイトマキエイ給餌1名(③)の他、ジンベエザメの口元ガード2名(④⑤)、他の魚類給餌2名(⑥⑦)とグルクマ1名(⑧)の計8名で実施します。
海遊館ではツアーなどでお食事タイムを見られるチャンスもありますのでぜひご覧ください!
【写真1】
「口元ガード」とはジンベエザメの口の周りに近づくグルクマなどを吸い込まないようお皿のような網でガードをしている(写真2)のですが、遊のガードをする係員(④)にはもうひとつ重要な役割があります。それは、他の魚類給餌への合図です。
【写真2】
ジンベエザメの遊、そして海の給餌が始まってしばらくすると、上の方を泳ぐ魚たちのために係員(⑥)が餌をまきます。その反対側ではもう1名(見えないですが⑦)が水槽底の魚たちのため、長いロープのついた特製バケツをスルスルとおろします。バケツをおろす際はイトマキエイがロープにつっこんでからまないよう、遊の口元ガードの人がイトマキエイの位置を把握して「今!!」と合図を出すのです。餌をまき終えてバケツが上がってくるまで、遊の口元をちらちら見つつイトマキエイの動きを確認しなくてはなりません。
先日、その役目を果たしていると、遊についているコバンザメが普段は胸ビレの下や腹側についている(写真3)のに、バケツが上がってくるタイミングで遊からぴゅーっと離れてバケツ給餌者のほうに向かっていくのに気づきました(写真4)。「何してるのかな?」と思ったら、底バケツの給餌者がバケツに残っている餌を回収し、上からまくのを知っていて、それをいただきに行っているみたいです。以前は底のほうまで餌を捕りに行っていたのですが、ここで餌をもらえる?なら遊から離れている時間は短くてもいいのに気づいたんですね。
【写真3】
【写真4】
遊の餌のおこぼれは小さなイサザアミですしたくさんおこぼれがあるわけではないので、他の餌を食べるほうが効率いいことが分かっているのでしょうか?遊のエラの中には別の小さいコバンザメ(おそらくクロコバンと思われます)がくらしているのですが、こちらは給餌の時だけちょろちょろと出てきますが、おでかけするのは見たことがありません(写真5)。
【写真5】
別の日にコバンザメのおでかけを動画で取りに行ったら、せっかくバケツ給餌者が餌をたくさんまいてくれたのに、なんか怪しいと思ったのか、食べずに去ってしまいました...(0:23~の白い魚です)。
ジンベエザメ給餌の際は遊の近く(「グレート・バリア・リーフ」水槽に近いところです。)でご覧いただき、「おでかけコバン」の動きを見てみてくださいね。
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