海遊館のしめ飾り(その1)
- 2021.12.31
- 魚類チームの日記
「日本の森」水槽の陸上部分には日本原産種の植物が多く植わっており、季節によって様々な姿を見せます。
私は今年の4月に入社した新入社員ですが、実は、入社式の際に「ヤマトタチバナ」を植樹しました。
ヤマトタチバナはミカン科ミカン目の常緑小高木で、古くから自生する日本唯一の柑橘(かんきつ)です。
常緑が「永遠」を意味していて、大変縁起の良い植物だそうです。
つい先日、そんなヤマトタチバナに実がなり、色づき始めたと「日本の森」担当者から教えてもらい、新入社員で収穫に行きました。
しかし、思いのほか実は小さく、動物たちに与えるにはあまり量がありません。
そこで、今回はヤマトタチバナの実を使って「しめ飾り」を作ることにしました!
お正月といえば「しめ縄」...あれ、「しめ飾り」?
実はしめ縄としめ飾りは違うものみたいです。
しめ縄
神社などに吊るしてあるもので、神様がいらっしゃる場所を現世と隔てて不浄なものが入らないようにする
しめ飾り
お正月に「年神様」を迎えるための飾り。様々な形があり、意味も異なる
また、「左は神聖、右は俗」と考える風習により、お正月のしめ飾りは左にねじる「左綯い」で作る(通常は右にねじる「右綯い」)
今回はゴボウのような見た目から名付けられた「ごぼう締め」で作ることにしました。
※ごぼう締めは「大阪締め」とも呼ばれており、関東出身の私は初めて見ました...!
必要な材料を集め、早速取り掛かります。
①藁すぐり(綺麗な茎を選ぶ)を行い、下葉を取り除いてから木槌で藁打ちして柔らかくしておく
②藁の中心部分をワイヤーで束ねてから3つに分け、それぞれをねじっていく
③右巻きと左巻きの藁をより合わせることで、摩擦でほどけない縄を作る
④縄ができたら紙垂(しで=特殊な断ち方で折った紙)、ユズリハ、ウラジロ(シダの1種)、ヤマトタチバナの実、末広(扇子)を飾り付けて、完成!!
それぞれの飾り物にも意味があり、
紙垂...邪気を払う、四方に広く栄える
ユズリハ...子孫に繁栄を「ゆずり」渡す
ウラジロ...清廉潔白な心を表す
ダイダイ(今回はヤマトタチバナの実)...「代々」の繁栄を願う
末広...代々家系が「末広」がりに続いていく
と言われています。
さあ、これで海遊館も年神様をお迎えする準備ができました。
来年も良い年になりますように...
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