「ちょうじ」と「きゅうじ」

飼育員の数ある仕事の中から、今回は調餌(ちょうじ)と給餌(きゅうじ)のお話です。
あまり聞きなれない単語かもしれませんが、調餌は餌をつくること、給餌は餌やりのことです。
生き物の種類や体格によって口の大きさや餌の食べ方、必要な栄養は様々なので、それぞれに合った調餌をします。
今回は「ツカエイ」のためにエビ、ニシン、シシャモ、アジ、イカ、オオナゴを用意しました。
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食べやすいように切ります。
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エイの口は腹側(水槽の底に面した側)にあるので、上から餌をまいても食べにくいことがあります。そこで活躍するのが「給餌棒」です。
棒の先に餌を刺してエイの体と底の隙間にすっと差し込んで口元に餌を運びます。


簡単そうに見えますが、タイミングや餌の好みなどによっては食べてくれないこともしばしば。日誌などで「今日は○○食べたよ!」「△△はあまり好みではないみたい」と飼育係員同士、情報共有しながら最適な給餌ができるように工夫しています。

私たち人間も日によって気分や体調が変化するように、生きものたちも毎日様子が同じわけではありません。例えば、新しい水槽に引っ越してきたばかりで環境に慣れていない場合などは、すみっこに隠れてしまうこともあります。そんな時にも給餌棒を使うことがあります。

今日は何が食べたい?と魚の気持ちを想像して調餌した餌をパクパクと食べてくれた時はとても嬉しい気持ちになります。逆にぷいっとそっぽを向かれることもあるので、調餌と給餌はまだまだ奥が深いです。

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