石干見

石干見(いしひび)について 以前の日記 で紹介しましたが、今年もまた淀川の海老江(えびえ)干潟で石干見イベント(主催:大阪市漁業協同組合)に参加することができました。

昨年は、中学生・高校生のみなさんが協力してたくさんの石を運んで石干見を作りましたが、コロナ感染拡大の影響で漁を体験する事ができませんでした。今年はついに念願の石干見漁を体験することができました。


まず、昨年作った石干見がどれほど残っているかを確認しましたが、ほぼ1年経過したにもかかわらず、石組みがそのまま残っている事に驚きました。今回はさらに石を追加して補強することになりました。さっそく昨年同様、中学生や高校生のみなさんが協力して石組み作業の開始です(写真1)。

ところで、この海老江干潟は淀川の河口に近く、海水が入り込む汽水域です。したがって、潮の満ち引きで石干見は姿を現したり水没したりを繰りかえします。当然、石組み作業は潮が引く干潮時に行いますが、漁をする網はすでに潮の高い時に仕掛けられていました。石組み作業中、潮がどんどん引いていくのを感じ、魚が網の方へと追い込まれていくイメージ(図1)を膨らませていたのは私だけではなかったでしょう。


ついに網を上げる時になりました(写真2)。生徒たちも協力して網を上げてみてると、なんとハゼ類が700尾以上(特にマハゼが多い)、とボラやスズキが数尾入っていました(写真3)。大漁です! 参加した人たちはみんな歓声を上げ、大興奮でした。ただし、この石干見漁は調査として実施したもので、獲れた魚は記録をした後、放流しました。


淀川で石干見漁が行われた過去の記録はありませんが、淀川が形づくられ始めた弥生や古墳時代ごろから、このような原始的な方法で漁をして暮らしていた人々がいたような気がしてなりません。


(図1)石干見漁のイメージ:潮が引くにつれ、石干見の内側にとり残された魚は網の方へ追い込まれて行く。
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(写真1-1.2)石組み作業
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(写真2)網上げをするところ
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(写真3-1)網の口を開けて漁獲物を取り出しているところ
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(写真3-2)最も数が多かったマハゼ
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