タコクラゲの成長比較!?

今日はバックヤード(水族館の裏側)にいる「タコクラゲ」についての海遊館日記です!
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この写真は8月27日に高知県で採集したタコクラゲです。
この時、傘径は平均1.5cm位。
(クラゲの頭の様な丸い部分を「傘」と呼びます。傘径は傘の直径のことで、クラゲの大きさを表現するときに用いられます)
展示に向けて成長させるため、2つの水槽に分けて飼育することにしました。

約2週間後の9月7日にタコクラゲを見ると...
あれ!?大きくなってるけど、水槽によってめっちゃ成長差ができてるやん!

こちらの水槽は傘径が採集した時とあまり変わらず、大きいクラゲの傘径でも2.5cm位なのですが...
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もう一方の水槽は、小さいクラゲも少しいるものの、ほとんどのクラゲの傘径は3.5cm前後と、明らかに大きく成長しています。
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実は...タコクラゲは自分でエサをとるだけでなく、体内に共生している「褐虫藻(かっちゅうそう)」という小さな生き物が光合成をして得たエネルギーをおすそ分けしてもらい成長します。

今回、2つの水槽では異なる照明を用いて飼育していました。

2つの水槽の条件は、照明以外はほぼ同条件のため、照明の違いによって褐虫藻が光合成で得たエネルギーの量に差ができ、それがタコクラゲの成長にも影響を与えたと考えられます。


意図せず対照実験のようになってしまいましたが、タコクラゲの成長には、褐虫藻が重要な要素になっていること、照明の種類や光の波長によってクラゲの成長に明瞭な差が出ることに、改めて感心した飼育員のつぶやきでした。

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