ヤマトシジミ

日本にすむシジミの仲間は、ヤマトシジミやマシジミ、セタシジミなどですが、中でもヤマトシジミ(写真1)は淡水と海水が混じった汽水域にすみ、大阪湾の淀川河口で地元の漁師さんが「じょれん」を使ってシジミ漁を行っています(写真2)。

ところが最近、ヤマトシジミの獲れる量がかなり減っているそうです。私の経験でも、10年以上前には淀川河口の干潟で砂を掘るとザクザクとシジミがとれた記憶があります。しかし、今年の夏に出かけた際には、30分ほどかけて数個見つけるのがやっとでした(ただし、場所により多少の違いはあります)。

現在、関係機関が減少の原因を調査・研究していますが、ヤマトシジミが好む干潟のような浅場を再生する事や、河口より約10km上流にある淀川大堰(おおぜき)から流す川の水量をうまく調整して急激な水質変化を減らす事などが必要だとわかってきました。しかし、人のくらしに関わる治水や利水への配慮も必要で、簡単には解決できません。今、関係する様々な立場の人々の間で話し合いが始まっています。

写真1:ヤマトシジミ
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写真2-1 シジミを採る「じょれん」(写真提供:大阪市漁業協同組合)
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写真2-2 「じょれん」を使い、シジミ漁をしているところ。(写真提供:大阪市漁業協同組合)
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写真2-3 1回の漁で獲れたヤマトシジミ。漁師さんによると、昔はこの何倍も獲れたらしい。
(写真提供:大阪市漁業協同組合)
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