北極圏への道vol.10

船酔いと闘いながらも無事北極圏での調査をすべて終えることが出来ました。しかし船の調査が終わったからといって我々の作業はまだ終わりではありません。今回採集した生物を無事に日本まで送り届ける必要があります。

生物の維持管理で大変だった点が2つあります。1つ目は水温の維持です。船のポンプで常に海水を汲み上げることができるため、北極圏にいる間は水温5℃くらいの冷たく綺麗な水をずっと水槽に入れることが出来ていました。しかし日本を目指すにつれて汲み上げる海水温がどんどん上がってきます。温かい水をそのまま水槽に入れてしまうと、あっという間に水槽内の水温も高くなってしまいます。そこで活躍するのが「冷却装置」です。この冷却装置を使用して水温を低く保っていました。

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2つ目が水質の管理です。生物に餌を与えると、どうしても排泄物や残った餌の影響で水が汚れます。今までだとくみ上げた綺麗な海水をかけ流しできていましたが、水温が高いとそうもいかず、一度水を冷やしてから入れ替える必要があります。そこで用いるのがこの「海水氷」です。おしょろ丸の船員さんにたくさん用意していただきました。

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バケツに海水を張ってそこに氷を入れ、十分に冷えたことを確認してからポンプを用いて水替えを行います。この作業を一日に最大4回も行いながら水質を保っていました。

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あと数日で日本上陸!無事に生き物を送り届けます!

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