ロックの一大事
- 2023.10.05
- 魚類チームの日記
コツメカワウソの「ロック」。
実は先日、大変なことが起きました。
朝、いつものように給餌に行くとロックの様子がいつもと違う...。
前肢、後肢ともに左側だけがほぼ動かせなくなっていました。
一側性の不全麻痺です。

前日は異常なかったので、どうやら寝ている間になにかがあったようです。
すぐにX線検査や血液検査を実施しましたが、原因は不明。
さらにCT検査でも異常はみられず、臨床症状やこれらの検査結果から線維性軟骨塞栓症(脊髄梗塞)が疑われました。
※線維性軟骨塞栓症:脊髄の血管に小さな軟骨の欠片(椎間板の一部)が詰まり、血流が途絶えて脊髄の壊死や変性が生じ、突然の麻痺が起こる病気。
線維性軟骨塞栓症はMRI検査(臓器や血管を磁力と電波により画像化する検査)で診断されることが多いのですが、海遊館にはMRI検査するための設備がありません。
そこで、普段からお世話になっている、大阪公立大学の獣医臨床センターでMRI検査をしていただくことになりました。
こちらでは以前にもコツメカワウソやオウサマペンギンの検査をしていただいています。
その時の様子はこちら。
→ カワウソ「ヤット」のCT検査
→ 動物たちも年をとると・・・
センターに車で行き、ロックに麻酔をかけて、いざ検査!です。
まずはCT検査で脊椎骨をはじめ、骨や臓器に異常がないか再度確認します。
やはり脊椎骨に異常はないとのこと。
次はMRI検査です。
第2-3頸椎間の脊髄部分に異常があることが判明し、さらにその異常部分は左側に偏っていたことから左半身不全の臨床症状とも一致しました。
麻酔から覚めて、ややお疲れモードのロック。
繊維性軟骨塞栓症は軽度の場合、予後はそれほど悪くなく、今後ゆっくり運動機能は回復していくだろうとのこと。
まだ完全ではないですが、左後肢もパッと見では分からないほど動きが回復してきました。
現在は、ステロイドの内服をしつつ、バックヤードでリハビリ中です。
ゆっくりリハビリ頑張ろうね!
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