カワウソ「ヤット」のCT検査
- 2018.10.17
- 魚類チームの日記
海遊館のバックヤードで暮らしているコツメカワウソの「ヤット」。
実はヤットは2年前から原因不明の病気を患っておりまして、体中(皮下)にたくさんのボコボコ病変(腫瘤病変)ができています。
色々な検査(細胞検査、組織検査、各種培養検査、抗酸菌遺伝子検査、X線検査、超音波検査、血液検査)をしましたが原因が分かりません。
そしてそのボコボコは大きくなったり小さくなったり、なくなったかと思うと違う場所に発生したりするのです。
当のヤットは、体中にボコボコがある以外はいたって健康。
いつもどおり食欲もあり元気、元気です...。
だからといって、このままにしておくわけにもいかないので、起立不能のオウサマペンギン(過去ブログ:動物たちも年をとると...参照)同様、大阪府立大学の獣医内科学研究チームに精密検査をしてもらうことになりました。
大阪府立大学獣医臨床センターに着き、診察を待っている時間もヤットはリラックスモード。
普段、イヌ・ネコの診療を主にされていることもあり、ヤットくんは病院内でも人気者でした(笑)。
麻酔をかけた状態でCT検査を実施、皮下の腫瘤がどのように広がっているか、また腹腔内や胸腔内に存在しないか確認してもらいます。
その後も超音波検査、腫瘤の生検など詳しく検査してもらいました。
CT検査の結果、胸腔内や腹腔内に腫瘤病変はなく、右肩から胸部、そして左腹部にある腫瘤がすべて皮下内で連結していることがわかりました。
細菌や真菌、抗酸菌などの感染性の可能性も低く、やはり原因は不明...。
免疫性疾患の可能性を考えて、ステロイドの投与を検討することとなりました。
麻酔からすっかり醒めて、帰りの車内でも落ち着きをみせるヤットでした。
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